— 御社の事業内容について教えてください
収益不動産である「区分所有オフィス」を核とした資産形成コンサルティングや収益不動産の組成、売買、仲介、賃貸、管理などを行っております。中小企業の経営者様や個人投資家様へ「区分所有オフィス」と「Vシェア」を中心に提案や販売を行っていることが特徴です。
— TOKIUM導入前に経理部門で感じられていた課題について教えてください
もともと出社が前提の属人的で大量の書類を扱うアナログ処理に危機感を覚え、経費精算と請求処理の効率化を考えていました。特に、災害やトラブル発生時などで出勤が困難になった時「経理処理が止まってしまうのではないだろうか?」ということが心配でした。
そうした矢先に、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を推奨されましたが、紙による請求書の処理があるために出社せざるをえなくなりました。
コロナ前は1週間をかけて行っていたような会計業務を、原則在宅勤務となっていた期間は、わずか1日の出社で処理しなくてはなりませんでした。このような状況では社員や取引先に対する支払い業務が破綻すると思いましたね。
当社は、不動産の区分販売や不動産小口化商品の販売を行う事業のため支払い件数が多く、紙ベースの処理も多いため、ペーパーレス化が必要でした。紙に依存しないリモートで仕事ができる環境の整備を痛感していたのです。
さらに、インポイス制度と電子帳簿保存法対応も同時に解決できる施策はないかとシステムの導入を検討していました。
— 導入の背景について教えてください。
コロナ禍に合わせた業務効率化を検討する中、上司からインボイス制度と電子帳簿保存法の対応を依頼されました。そのため業務効率化と法対応を同時に実現できるシステムを考える必要がでてきました。
ただ、関係部門への根回しと稟議を行っていては早期のシステム導入は実現できないと、私1人にプロジェクトを一任してもらうことを条件に取り組みました。実は、将来的にペーパーレスの対応が必要なことを見越して、数年前から根回しを行い、社内の地ならしをしていたのです。
そのため、スムーズにTOKIUMを導入することができました。
— 業界特有の課題があれば教えてください。
紙の請求書の件数が多いことが課題でした。 中小企業の経営者様や個人投資家のお客様へ、不動産の区分販売や不動産の小口販売を行う特性上、ビル一棟の取引とは異なり、どうしても取り扱い件数が増えてしまいます。その結果、会計処理上の書類の数も増えてしまうのです。
紙による支払い業務は非効率で、担当部門による申請漏れによって、支払いが遅れるケースもありました。担当者の机の中に請求書がずっと放置されていたり、紛失したりすることも……。さらに各部署で重複した作業もあったので、業務効率が低下していましたね。
こうした課題から経費精算システムと請求書の受領システムを検討し、TOKIUM経費精算とTOKIUMインボイスの導入に至りました。
— TOKIUM経費精算を選定した決め手を教えてください。
TOKIUMさんのサービスを一目見て、「これなら私たちの課題を解決ができる」と思いました。
ユーザー側で様々な設定を自由に柔軟に行える点が、我々のニーズにあっていましたね。例えば、ラベルの細かい設定を行うことで、間違えた申請に気づけるとか、アラートを出して不正を防げる点は大きかったですね。
他にも、規定やルールに沿った申請フローを設定できることもありがたいです。他社のシステムはカスタマイズのために追加で料金が発生しますが、そういったこともありませんでした。
あと、TOKIUMさんのサービスは、とりわけUIやUXが優れていることが印象的でした。例えば、柔らかい感じのフォントや、やさしい色合いをお使いなので、他社の蛍光色を使用したサービスなどと比較すると目がチカチカするような感じがありませんでした。
さらにTOKIUM経費精算は従量課金制でリーズナブルであり、コストパフォーマンスも優れていました。
担当営業の方の対応も好印象でしたね。わからないことを嫌というほど質問したのですが、できることとできないことを明確にしてくれました。わからないことは「調べてから回答します」と答えてくれたので、信頼できました。
— TOKIUMインボイスを選定した理由についてはいかがでしょうか。
今まで不可能だったことを実現できる点です。具体的には、TOKIUMさんが請求書の受領を代行してくれるため、請求書の情報がクラウド上にアップロードされ、請求書受取の完了・未完了を会計課内ですべて把握できます。
さらに、請求書を部署間で共有できるようになりました。TOKIUMインボイスの導入前は、それぞれの部署で属人的に請求書の支払い申請を行っていたので支払い漏れが発生しやすい環境でした。導入後は他部署に対して請求対応の状況を共有したり、支払い漏れを防いだりすることができるようになりました。
取引先に対する支払い情報の集計も、それまでは紙ベースだったので高い負荷と時間がかかっていました。けれどもTOKIUMインボイスでは簡単にExcelに出力できます。紙ベースの管理は担当者に紐づいていたため、担当が異動したり、退職したりすると過去の履歴を追うことができず苦労していました。
また、会計連携付加情報の自由度が高い点も選択した理由の1つです。上場を見据えると管理会計の情報のログが必要になります。例えば、「3年間で一番支払いが多かった物件は?」とか、1フロアあたりの収支や一棟単位の収支を確認する際に便利です。
— 弊社の導入サポートに対するご感想を教えてください。
システムの改善に積極的に取り組んでくださったり、取引先の送付先変更にも対応してくださったりしたので、スムーズな導入ができました。カスタマーサポートのチャットの対応も丁寧でした。
— TOKIUMのスムーズな導入のため、貴社内で取り組んだことがあれば教えてください。
まず、ペーパーレスやリモート対応の実現など、導入メリットを強調して社内に共有しました。その次に、「そのためには操作を覚えないといけませんね」という順序で説明すると誰も反対者がいませんでした。
TOKIUMを導入することで、ペーパーレスが実現し在宅勤務が可能になるので、社内に反対する人はいませんでしたね。
新しいシステムを導入する時は誰しも不安になると思います。そのため、利用者がストレスを感じないような環境作りを行いました。
具体的にはサポートデスクを開設し、「いつでも質問してください」と、私がコミュニケーションツールに1日中張り付きました。月当たり、3日間は就業中ずっと入室していましたね。導入時にはそれを2カ月間続けました。
また140ページのオリジナルマニュアル と領収書のサンプルが入ったデモ環境を用意しました。画面共有しながら「マニュアルの何ページを見てください」といった形で質問にお答えしていました。このマニュアルは、TOKIUMさんのサービスのアップデートに合わせて、今でも更新を続けています。
TOKIUMさんのアップデート情報を見ていると、「かゆいところに手が届く、お客様の声をきちんと聞いてくれる会社なんだな」とわかるのです。もしかしたら、このアップデートは「私がお願いしたものかな」と思うこともありました(笑)
— 「TOKIUM経費精算」の導入効果について、教えていただけますか。
これまではExcelで経費精算の申請書を作成していましたが、新幹線の車内や出張先でも申請できるようになりました。全国に出張する営業担当者の「いつでもどこでも経費精算を済ませたい」といった課題をクリアできました。
— 「TOKIUMインボイス」の導入効果についてはいかがでしょうか。
特に申請者はこれまでExcel入力による申請を行っていたのですが、1件あたり約20分から30分の時間が必要でした。これがTOKIUMインボイスの導入によって約5分から10分に短縮したのです。
さらに経理部門で処理を行う際、稟議書、見積書と請求書を画面上で並べて見ることができることですね。これまではデスクに紙を並べて、金額の差異をチェックしていましたが、PCの画面上でできることはとても便利です。
また、これまでは稟議書の残高管理ができなかったので、電卓を叩いて残高を計算していたのです。稟議書を紙で印刷して申請書や請求書をつけてホチキスでとめてもらって……。それを各課から集めて稟議書と請求書の金額に問題がないか、科目や、支払先、二重払いがないか、すべてアナログで行っていました。Excelで別表管理もしていたので、不正やミスがあったとしてもチェックをすり抜けてしまうリスクがありました。
こうしたアナログ処理のペーパーレスを実現できました。ペーパーレスのみならず、ホチキスレス、コピーレスなどあらゆる“レス”が実現できて、入金と税金の納付以外はリモートでも行えるようになりましたね。
ペーパーレスの効果は請求書で月間約1,000枚です。システム導入前はこれを3営業日でチェックしていたのですから、効果は絶大です!
こうした効果もあって社内で社長賞を受賞しました。まさか賞をいただくとは思っていなかったので驚きました(笑)
— 削減できた時間でどのような業務時間を増やすことができましたか。
弊社の課題は、経費精算と請求処理における情報共有ができていないことでした。業務が属人化していたため、従業員不在時の代理対応が難しく、業務効率の低下が懸念されていました。TOKIUM導入による効率化で生まれた時間を活用し、ジョブローテーションを実現できました。
さらに会計、税務、業務の全部の業務を含んだマニュアルを作る時間を生み出せました。また、これまで発生した会計上のエラーをTOKIUMで検証できるようになりましたね。不正が無いように業務の品質をあげることができるようになったと思います。
— 今後どのような部署を目指したいとお考えでしょうか。
属人化せずに業務を行える部署にしたいですね。各部署との情報連携をスムーズにし、的確かつ明確な情報をいち早く入手し、より正確な会計処理を目指したいと思います。
仕事は見方を変えると楽しくなるのです。たとえチェック業務でも、家庭のお掃除でも。
不満や不具合があってもアイデアの種として、ためておけばメガヒットになるかもしれません。楽しんで仕事ができる環境を作って行きたいですね。
— 本日はありがとうございました!
【取材日:2024年8月9日】