— 事業内容について教えてください
当社は木材製材事業、木質素材事業、空間資材事業、空間創造事業の4事業を柱に総合空間創造企業として、木々を育み、人々の暮らしを快適にできる空間を創造しています。
木々を育み、可能性を見出す、木材製材事業・木質資材事業では、国産材の利用促進、加工・販売、主伐材の利用や、資材開発、輸入業務、検査・検品・加工、顧客の製品販売にもかかわっています。空間の価値を届け、その可能性を見出す、空間資材事業や空間創造事業では、空間素材を世界から厳選し、販売から加工、配送、管理まで行うほか、新築や中古住宅のリノベーション、布や家具、照明などの提案も行い、より良い空間の維持・提案をしています。
— DXに取り組む背景について教えてください
当社は全国にオフィスがあります。それぞれある程度独立した形で運営を行っており、事務業務も例外ではありませんでした。それぞれの拠点やそこに在籍している社員しかできない業務がありました。しかし、働き方の変化など社会情勢が変わる中で、拠点や人にとらわれた業務をなくし、業務効率を上げていく必要を感じ、デジタル化を進めていきました。
— TOKIUM検討のきっかけについて教えてください
照合チームやそれぞれのオフィスの照合担当業務を、集約しようという動きがありました。照合チームでは紙の請求書の開封、仕分け、Excelへの転記などの作業や紙の請求書の移行にかなり時間や手間がかかっていました。また、コロナの発生によりテレワークが始まりましたが、紙媒体の為、出社をせざるを得ない状態でした。それに合わせて、電子帳簿保存法や来たるインボイス制度の対応の検討の話も上がっていました。さらに、照合チームに所属する2人のメンバーが定年退職することも重なり、請求書支払業務をデジタル化して効率を上げたいと考えてシステムを探していました。紙の請求書が課題だったので代行受領をしてくれるシステムが良いと考え、いろいろ話を聞いていたところ、TOKIUMインボイスも話題にあがりました。
各営業所で受け取っていた請求書の受領代行から保管までできるため、請求書処理に関わるメンバーが他の作業をする新しい時間を生むことができると考え検討を始めました。
— どのような業務が負担に感じられていましたか
以前の請求書支払業務は申請から承認までのフロー全体で時間がかかっていました。請求書支払業務は、基本的には照合チームや各オフィスの照合担当が請求書を受領してチェックし、郵送で別拠点にある経理部に提出していました。照合チームでは郵送で届いた請求書の開封作業、紙の請求書の金額をExcelに転記して差額のチェックなどの業務を行っています。特に請求書の開封やExcelへの転記は、請求書を受領してから3日から4日は費やしていましたので、大きな負担となっていました。また、請求書原本を経理部へ郵送する費用と時間がかかる上、紙を保管するための作業と保管場所がネックになっていました。
TOKIUMインボイスの導入を決めた理由は「請求書の受領・データ化・保管を代行できること」「繰越を含めた総合計のデータ化が可能なこと」「手書きの請求書にも対応できたこと」です。
TOKIUMインボイスは請求書の受領・データ化・保管を代行してくれます。これは課題であった請求書の郵送やデータ化、保管業務を削減できます。さらに、TOKIUMインボイスは総合計金額のデータ化が可能です。当社は請求書に債権として繰越金額が記載される場合があり、それを含めた総合計金額のデータ化ができることが理想でした。費用対効果を考えると、これらに対応できるかどうかは大切でした。全てTOKIUMインボイス上で対応が可能となり、テレワークが可能になりました。
請求書の金額をExcelに転記して差額をチェックする業務は、TOKIUMインボイスでCSV出力ができる為、マクロと組み合わせることで、数十秒で取込ができるようになりました。さらに、RPAと組み合わせることで、TOKIUMインボイスの締日や支払日がブランクになっている部分の当社データを入力させています。このように、マクロやRPAとも組み合わせることができる為、属人的作業の削減に大きな効果がありました。
また、手書きの請求書が2〜3割ありました。もともと請求書をAI-OCRでデータ化することを考えていましたが、全ての請求書のパターンをAI-OCRに学習させるのは莫大な費用が掛かり、また相当な手間が掛かる為、オペレーターによる代行入力をしているTOKIUMを選びました。
— 導入サポートについてご感想を教えてください
基本的に不明点を伝えた際には1つ1つきっちり回答いただき、小さな質問でも丁寧に教えてくれたのは助かりました。請求書のフォームがバラバラな為、小さな困り事もお伝えし可能な限りご対応頂いたり、フォーマットが異なる請求書の金額を合計して頂いたり、オペレーターの代理入力でないと対応頂けない点もあったと思います。最近では電子請求書の取引先様も増えた為、代行受領を行って頂ける点は非常に大きいと感じております。
特にCSVファイルのカスタマイズが一番助かりました。必要事項を記入するだけで、その後はサポート担当者に対応いただきました。テスト運用中に出た追加の要望にも対応いただき、会計システムに仕訳が連動するようにカスタマイズしてくれました。そのあたりは非常にありがたかったです。
— TOKIUMインボイス導入の効果について教えてください
全事業所で請求書の約80%はTOKIUMに送付してもらえているので受領・開封・転記作業を80%ほど削減できました。属人的な作業の削減により照合チームでは月に約80時間もの時間を削減できています。また経理側の課題であった、紙の請求書のファイリングや箱詰め等の作業時間も減少しました。
紙からデータになった事で、過去の受領実績をすぐに見ることができ、各取引先様に合わせたご連絡をさせていただくことも、非常にやりやすくなりました。管理的な面でも、TOKIUMインボイスでデータを抽出するだけで容易に確認できるようになりました。
— 締め作業にも変化はありましたか?
TOKIUMインボイス導入後はこうした作業の削減もあり、以前より少ない人数で、以前より早く処理ができています。オペレーター入力のデータ化精度もよく、現時点で手書きの請求書であってもほぼ間違いがない状態でデータ化されています。なので、当社の計上金額と請求書の請求金額の差異確認においては、属人的作業と作業時間が80%カットできました。
また照合チームで定年退職や他オフィスでの照合担当者の契約終了があり、合計3人が退職しましたが、増員は1人で対応できるようになっています。時間だけでなく人員的な部分でも効率性が向上しました。もちろんシステムにお金を払っていますが、3人退職するから新たに3人補充するよりもいろいろな意味で、効率化や経費削減という面で役立っています。
— 削減できた時間をどのようなことにあてていますか
さらなるDXに向けて準備する時間にあてています。2024年頃に新基幹システムの移管をする予定なのでそれに伴う準備を進めています。そして、TOKIUMインボイスでデジタル化ができたことで、マクロやRPAの活用もどんどん進められています。
まだオフィスで作業しているところもあるので大阪の照合チームに集約して一括管理することを近い将来目指しています。そして、各オフィスでその業務にあたっていた方たちには営業のフォローや様々な業務時間にあててもらおうと考えています。実際のところ、削減できた時間を活用して東海オフィス・仙台オフィスについては大阪で管轄することができました。
会社全体で社員一丸となって効率化するための第一歩としてTOKIUMインボイスはおすすめです。この第一歩があったからこそ、更なるDX化を検討、実施することができました。当社でもDXへの大きな前進となり、社内で評価を得て表彰もされました。今後もさらなる全体最適のための調査や検討をしていき、DXを進めていきたいと考えています。
【取材日:2023年03月13日】