―貴社の事業内容について教えてください
当社はお子さま向けのランドセルと大人向けの革製品を扱っている会社で、製造から販売、アフターフォローまで一気通貫で行っています。ランドセルが当社のスタートではありますが、ランドセルの製造で培った技術を一般のかばんに活かしたり、一般のかばんを販売する中で獲得した大人向け製品ならではのこだわりをランドセルに反映したりと、年々ブラッシュアップしてよりよい製品を作っています。
今は国内への販売が中心ではありますが、海外の方にもご提供できるように販路を確立している最中で、台湾や香港といったアジア圏に店舗を展開しています。
―以前の経費精算業務について教えてください
当時使っていた経費精算システムでは、領収書を添付する機能がなく、承認作業のみにシステムを利用していました。そのため申請者は領収書とそれに合わせて申請書も紙に印刷して提出していたため、結果的には紙ですべて処理しており、システムを使いこなせていませんでした。
―当時負担に感じていた点について教えてください
経理では、紙の領収書や申請書などの突合作業に非常に時間がかかっていました。当時は領収書ののり貼りも経理で行っていました。領収書がどの申請に紐づくものかわからない状態で経理に届くため確認作業に時間をとられていました。月末月初は社員一人が3日間ほど専属で作業していました。また、コロナ禍では経理の担当者が申請書と領収書の紙を持ち帰り作業しており、かなり負荷がかかっていました。
当時のシステムはアカウント数により費用が増えるため、年に1、2回しかシステムを使わない社員にはアカウントを付与していませんでした。アカウントを持っていない社員は紙の申請書に手書きして押印し領収書と一緒に提出していました。その紙の申請書もいくつかのフォーマットがあり、社内で統一ができておらず、必要な情報が不足したまま提出されることもありました。このようにシステムでの運用と複数の紙のフォーマットによる運用が混在しており、申請者も経理も非常に混乱していました。
全国開催のランドセル出張展示会の時期には、通常販売に関わらないスタッフやグループ会社の社員も全国に足を運びます。その際、多くの社員は経費精算になれていないため、経費の申請に時間がかかったりミスが多かったりすることも課題でした。
―新しい経費精算システム導入の検討を始めたきっかけについて教えてください
きっかけはコロナ禍です。少しでもコロナのリスクを減らしたいという会社の意向で、経理をはじめ管理系のスタッフはリモートワークができる体制を構築することになりました。当時のシステムでは原本保管に追加コストがかかったため、改めてシステムを見直すことにしました。
その際、グループ全社で統一したシステムを導入することを目論んでいました。これまではグループ会社ごとにバラバラのシステムを使っていましたが、グループ各社間の人材の往来も増加しており、社員の混乱を招かないようにしたいと考えていました。
―TOKIUM経費精算を選んだ決め手を教えてください
TOKIUM経費精算は、領収書の処理枚数で値段が設定されており、費用面でコストが抑えられるというところが大きな決め手になりました。アカウント単位で価格が設定されている他のシステムだと、年に1、2度しか経費精算をしない社員へのアカウント分がどうしても費用対効果が悪くなってしまいます。領収書の処理枚数単位で金額が設定される点が当社に非常にマッチしました。また、UIや使い勝手が非常にわかりやすい点も決め手となりました。
―TOKIUM経費精算を導入後の効果について教えてください
普段、経費精算を行わない社員が入力を行うと、慣れていないため数字の打ち間違いが一定数ありました。しかし、TOKIUM経費精算では乗換案内などを使って金額を自動入力できるため、ミスや手間を減らすことに成功しました。
紙で申請の承認作業をしていた際は、全部承認が終わったのかどうかが見えづらいことや、申請に間違いがあり差し戻しをする際に相手に直接渡さなければいけないことがネックでした。TOKIUM経費精算の導入によりその作業がクラウド上で完結するようになったため、承認者の確認作業も非常に楽になりました。
経理としては、申請の差し戻しがクラウド上で容易に行えるため、修正作業にかかる時間が短縮されました。紙による申請では、間違いがあった場合、経理側で修正していました。TOKIUM経費精算の導入により、クラウド上で申請者や承認者に修正依頼ができる点が経理には非常に好評です。
TOKIUM経費精算を導入したことで、経理に申請書が回ってきてから保管までの作業が2営業日分は短縮されました。以前は領収書原本の突き合わせとファイリングに2、3日かかっていましたが、その時間がすべてなくなりました。今ではチェック担当者の残業時間も減り、経費精算業務の中でも全体の数字の分析や精査に時間をかけられるようになりました。
―導入サポートで良かったところがあれば教えてください
年に1、2回しか経費精算をしないような社員でもわかるような仕組みにしたかったため、使いやすい経費科目の設定を試みました。
配送費は目的によって管理会計上の科目が変わるため、会計に詳しくない社員は勘定科目が選びにくくなります。そこで、経費科目を選択式にして、配送費であれば、所属や配送先、配送方法で分岐するような作りにしました。
そのため経費科目が多く複雑な設定となりましたが、導入担当の方が熱心にサポートをしてくれたため、とても助かりました。
―目指す経理部像を教えてください
一般的に経理部門の会社における役割は、経営の判断材料となる数字を出すというのが主たるものですので、それは基本的には当社でも変わらないと思っています。
将来的に、経費精算業務のうち標準化できる作業を人が行うことはなくなっていくと思っています。単純業務は極力減らして、人間だからできる仕事の重要度を高くしていきたいと考えています。使うべきところに時間を使うということに、経理だけではなく当社全体で取り組んでいきたいと思います。
【取材日:2023年7月5日】