弊社は味噌らーめん専門店『麺場 田所商店』の経営・フランチャイズ事業をはじめ、そのほか飲食関連事業、食品の製造・販売・輸出入など『食』に特化して事業を展開してまいりました。
味噌らーめん専門店『蔵出し味噌 麺場 田所商店』はおかげさまで国内150店舗以上、海外5カ国11店舗(2022年12月現在)を展開しております。
また味噌を使用した商品開発、販売なども行っており、『味噌漬けチャーシュー』をはじめ、店舗でもお馴染みの『ねり唐辛子味噌』『旨辛みそめんま』、お味噌のスイーツ『しっとりみそケーキ』「蔵出しみそかりんとう」など、グループ店舗店頭で販売しご好評をいただいております。
また輸出入の商社機能を持つ商事部では、世界各国と繋がっているパイプを活用し、日本の食文化を海外に広げるとともに、農産加工品・水産加工品など幅広い商品を輸入し、お客様にご提供しております。
またご要望通りのOEM商品の開発、生産者から直接輸入を行う正規販売代理店など、幅広い事業領域で様々な商品の取り扱いやサービスをお客さまにご提供しています。
当社では、まだアナログな運用を行っている業務があり、会社全体でシステム化の検討を進めていました。全社的にさまざまな業務のシステム化を検討している中で、ちょうど電子帳簿保存法への対応が差し迫っていました。そこでまずは法対応を優先しようという方針になり、請求書受領システムの検討をすることになりました。
請求書で一番多いのは食材の仕入れ、次に多いのは店舗に付随した経費に関するものです。
会社でまとめて発注している場合は受発注を管理している方が対応してくれていますが、営業所・店舗単位で発注する場合は請求書の内容が担当者でないと把握できないため、それぞれ各営業所・店舗に請求書が届くようにし、内容の確認をしてもらっていました。
その後、確認が完了した請求書は、本社に送付してもらうという運用をしていました。そのため、経理では請求書を取りまとめる業務が発生し、紛失可能性も高い状況にありました。
また、発注担当者以外の別の担当者が請求書をまとめて本社に送付した場合などでは、その請求書に対して責任を持つ担当が明確になっていないことがありました。その場合、経理部に送られてきた請求書について、詳細を確認しようにも、誰に聞いてよいかわからないという状況が発生していました。
また、請求書が無ければ支払いができないため、すべての請求書を経理に提出するルールとしていましたが、各店舗・営業所からは経費なのか仕入れなのか判断がつかないまま、請求書が提出されていました。さらに、紙媒体での管理のため、経理側で処理しているときに金額に相違があったり、請求書が差し替わっていたりすることがあり、月次の経理処理の負担が大きかったです。
会社の規模も大きくなり、店舗数も急速に増える中で、請求書に関する確認も十分に行うことが難しくなりはじめていたため、納品検収をかねて承認を回す際に担当部署が責任をもって回せる仕組みにしたいと思いました。そうした背景もあり、使いやすい承認ワークフローがあることが「TOKIUMインボイス」を導入する決め手になりました。
「TOKIUMインボイス」で承認ワークフローの設計を行い、担当者やその上長が確認した後、経理に承認を依頼するフローを作成することで、請求書を受けた担当者が明確になりました。ワークフロー設計ができることで部署情報や金額を条件にして、自動で適切なワークフローが立ち上がります。これにより、承認の抜け漏れも防ぐことが可能になりました。また、請求書の承認ワークフローの履歴も確認することができるため、責任者の管理がしやすくなりました。
もちろん電子帳簿保存法に対応できることも「TOKIUMインボイス」の導入の決め手です。これまで請求書支払業務はほとんど紙運用でしたが、電子請求書も一部あり、紙に印刷して経理に支払処理を依頼していました。しかし、この運用では電子帳簿保存法に違反してしまいます。また、紙の請求書がもともと電子データで送付された請求書だったのか判断がつかず、そういう面でも、電子帳簿保存法に対応する上で業務を複雑にしていました。
そうした中で、電子帳簿保存法への対応は、自社でスキャンし請求書データのリネームまでを対応するか、外部サービスに任せるかのどちらかを検討することになりました。しかし、自社でスキャンやリネームを行う場合、他部署や店舗で働いている従業員に対して、電子帳簿保存法への対応に準拠した保存方法を徹底してもらうことは難しく、経理部で対応することになります。しかし、経理部でその作業の専任者を確保することは、リソース上、現実的ではないことを考慮し、外部サービスを利用することを決めました。
「TOKIUMインボイス」は電子帳簿保存法に対応できるだけでなく、請求書データを業務にかかわる全員が閲覧・管理ができることも決め手でした。「TOKIUMインボイス」では紙・電子・ダウンロード形式など請求書の受領する形式を問わずに、代行受領・データ化が可能で、店舗の従業員や経理部が請求書をスキャン・リネームする手間を増やすことなく請求書を電子保存できます。
さらに、TOKIUMが請求書を代行で受領することによって、これまでのような各店舗の請求書を取りまとめて本社に郵送する作業や、それに伴う請求書原本の紛失リスクをなくすことができました。
また、システムを比較する中で会計システムとの連携も重視しました。「TOKIUMインボイス」ではCSVファイルを直接会計システムに連携できます。
会計システムと連携せずに請求書受領システムから取り出したデータを加工して、会計システムに入れ込むといった運用も可能ですが、一度加工することで、加工後のデータに誤りがないか等の確認作業が発生し、逆に作業が増えてしまうことになり、せっかくのシステム化の意味がなくなってしまいます。
「TOKIUMインボイス」を利用するにあたって、取引先様へ請求書を送付する住所の変更連絡を行う必要があるのですが、その変更連絡を行ってくれたことが良かったです。さらに、その後の取引先からの連絡窓口も担当していただきました。会社の規模に対して取引先数が多いため、サポートがないと相当大変だっただろうなと思います。
導入時は取引先様のおよそ70%が「TOKIUMインボイス」を利用して請求書を受け取る運用にご対応いただきました。その後、導入から1年が立ち、およそ95%の取引先様に「TOKIUMインボイス」にご対応いただくことができています。
請求書支払業務を「TOKIUMインボイス」の承認ワークフロー機能に乗せることで、各部署に請求書処理の当事者意識を持ってもらうことができ、担当者の請求書処理の間違いが減りました。また、過去の請求書を探してほしいという依頼に対しても、以前は過去1年分の請求書を求められることもあり、探す手間が発生していましたが「TOKIUMインボイス」で請求書を管理し始めてからは、検索機能がついているので担当者自身で請求書を確認できるようになりました。
さらに、承認前であっても「TOKIUMインボイス」に上がってくる請求書を閲覧できるので、大体の仕入れが予測できるようになりました。これは、仮の数値での報告を可能にし、未申請・承認待ちの状況であっても「いつ」「いくら」支払えばいいのかが把握できますので、資金管理の早期化を実現できました。
「TOKIUMインボイス」を活用し経営判断に寄与し、意思決定を素早くできる組織創りに貢献していきたいと考えています。目下では、月次決算を早期化し、3営業日以内に請求書を揃え、ゆくゆくは予算管理にも注力していける経理部を目指したいと思います。
【取材日:2022年12月19日】