1996年の創業以来、あらゆるクルマの価値を最大限に引き出し、グローバルに事業を展開してきた株式会社タウ。「価値があるのに見捨てられているクルマを買い取り、必要とされる場所で活かしたい」という想いで創業したタウは、事故や風水害などによって損傷を受けた損害車を買い取り、輸出販売を行う、損害車リユース事業のパイオニアとして、常に市場をリードしている。
— 株式会社タウについて
藤原 当社は、損害車や中古乗用車・トラック、自動車パーツ・自動車用品を中心に、インターネットを通じて、世界120カ国以上に商品を販売しています。日本国内には、修理を行えばまだ十分に乗れるクルマが数多くありますが、大半のクルマが見捨てられてしまっています。一方で、国外ではクルマが欲しくても買えない人たちが数多く存在しており、そのような方々に対して、損害車リユースによってクルマの価値を蘇らせることで、ご利用いただいています。
根岸 創業以来培ってきたグローバルな販売ネットワークを背景にリユースビジネスを展開し、日本国内では業界のパイオニアとして常に市場をリードし続けてきました。これからも、業界を牽引し続けていく存在でありたいと思っています。
藤原 私は経理部を統括する立場にいますが、経理部に着任するまでは、自動車営業部、販売部といったプロフィットセンターや開発部門、更には情報システム部といった仕事に携わってきました。これらの経験を活かして、経理部を受け身ではない画期的な組織に変えていくことが、私のミッションでもあります。
— 『TOKIUM経費精算』検討のきっかけ藤原 当社は埼玉本社に加えて、北は札幌から南は那覇まで、計17の国内拠点があります。私が経理部に着任する以前から、経理部内では紙に依存した経費精算から脱却したいという要望が挙がっていました。特に、支店から本社へ領収書を郵送するタイムラグによって、経理処理が締日間際となることが多々起こっていました。
根岸 当時は月3回に分けて、経費精算を行っていました。申請者は、月3回の申請の都度、A4用紙に領収書原本を貼り付ける必要があったのですが、日々外回りで多忙な中ではなかなかまとまった時間を確保することが難しく、どうしても月末に申請が偏りがちでした。
各支店から一斉に領収書が届きますので、本社に近い支店は郵送の翌日には届きますが、遠い支店だと2日以上かかる場合もあり、支店からの発送後、経理側で領収書の突合を行える状態になるまでにタイムラグが発生していました。
月次決算締日に近いタイミングで、毎月800枚近い領収書を受領し、2名体制で処理していましたので、どうしても他の経理処理に影響がありました。このため、残業や他のチームメンバーに協力を依頼せざるを得ない状況などが起こっていました。
藤原 このような問題に加えて、トレンド的にも経費精算方法を紙からシステムに切り替えている会社が多くありましたので、当社でもクラウド経費精算システムの導入を検討することにしました。
— 『TOKIUM経費精算』導入の決め手
領収書の保管が不要な唯一のサービス
藤原 インターネットでいくつかのシステムを比較検討した結果、「TOKIUM経費精算」の導入を決めました。決め手となったのは、比較検討した中で唯一、領収書の保管が一切不要なサービスだったことです。他社システムの場合、スマートフォンで領収書を撮影し、データ化するところまではできても、領収書の保管をなくすことはできませんでした。
根岸 領収書の突合は、経理部にとって大きな負荷であったことは間違いない一方で、申請者にとっても、領収書の糊付け業務が大きな負荷になっていました。「TOKIUM経費精算」を導入すれば、経理側はもちろん、申請者側の負荷も大きく減らせると考えました。
また、承認者にとっても外にいながらスマートフォンで承認業務ができるため、効率が上がると考えました。「TOKIUM経費精算」はスマホアプリにいち早く対応しており、画面の見やすさと操作のしやすさが、他システムを圧倒している印象を持ちましたので、承認者にも価値があるサービスだと判断しました。
藤原 導入を決めた後は、スムーズに運用を開始するために社内説明会を開催しました。まずは部門長向けに説明会を行い、その際に使った資料を社内掲示板に掲載し、誰でも閲覧できるようにしました。また、使用マニュアルを詳細版と簡易版の2種作成し、誰もが初めて利用する際に抱える「本当に使えるの?」という心理的負荷を解消することに努めました。このことで、導入後もスムーズに運用に持っていくことができました。
— 『TOKIUM経費精算』導入で得られた効果
藤原 導入直後の試算で、全社で154時間の経費精算時間を削減することができました。内訳は、申請者・承認者を含む経理以外の社員で122時間、経理全体で32時間の削減効果となりました。
導入直後で、これだけの時間を削減できたことは、素直に驚きました。実は、導入前の投資対効果試算では、月177時間の時間削減を見込んでいたのですが、この差については単純に経理側の操作がまだ不慣れな点があるだけで、今後解消していくものと考えています。
根岸 この中で、当初想定していなかった効果が、各支店の総務担当者の時間が大幅に削減できたことでした。月3回ある経費申請では、各支店の総務担当者によって、領収書の内容に不備が無いかを確認する業務が発生していました。加えて、月3回の発送業務やこれにかかる発送コストもかかっていました。
ところが、「TOKIUM経費精算」導入後は、支店総務担当による領収書の確認業務が必要なくなりましたので、この分の時間削減と、発送も月1回に減らしましたので、発送コストも3分の1で済むようになりました。
結果、これまで各支店から領収書原本の到着を待ってから経費精算業務を開始していたのが、各支店で申請・承認が終わると、経理部ですぐに精算処理を行えるようになり、月次決算の高速化にも貢献しました。
藤原 導入後しばらくして、申請者・承認者・支店総務・経理部メンバーでよく使う人をサンプリングして効果測定を行いました。すると、ほぼ全員のアンケートに、領収書がなくなったことへの驚きと感謝の言葉が綴られていました。本当に「TOKIUM経費精算」を導入して良かったと思いました。
藤原 冒頭にも申し上げた通り、私は画期的な経理部をつくることをミッションに経理部に着任しました。この度の「TOKIUM経費精算」導入によって削減できた時間を、今では会社をより良くするための提案を企画・実行する時間に変えることができています。
具体的な数字で言うと、現在、経理部発のプロジェクトを10個程度走らせている最中です。将来的には、会社の経営判断に直結するような情報を、経理部から発信していきたいと考えています。
根岸 これまでは、どちらかというと正確に入力をする、確認をするといった業務が中心でしたが、現在は、いかにノンコア業務時間を減らして、その分を価値ある仕事に充てることができるかということを、経理部メンバーの誰もが考えるようになりました。このような意識変革が経理部メンバーに起こったことで、組織としても「価値創造型の経理部」に変革したことを強く実感しています。
— 今後の展望
藤原 これからもできる限り、全社的なノンコア業務時間の削減を徹底していきたいと考えています。経理部から会社にさまざまな提案を行っていくことで、損害車リユース事業のパイオニアとしての地位はもちろんのこと、業界全体の繁栄にもしっかりと役立っていいきたいと考えています。