写真左から右:アドミニストレーションディビジョン 財務経理グループ 井浦様・長谷川様(肩書は取材当時のもの)
テクノロジーを活用して新しい信用を創造する「Credit Tech(クレジットテック)」のパイオニア企業として、あらゆる商取引を円滑にしていくことを目指している。
2002年より、日本で初めて未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の提供を開始し、前年比約140%のスピードで成長を続け、現在では累計利用件数が1億4000万件を突破。2014年より、同サービスにより培った独自の与信ノウハウとオペレーション力を企業間取引向けに展開した「NP掛け払い」の本格販売を開始し、前年比約170%のスピードで成長を続けており、2017年には、購買体験がこれまでより快適になる新しいカードレス決済「atone(アトネ)」の提供を開始。さらに2018年には、台湾においてもカードレス決済サービス「AFTEE(アフティー)」をリリース。
これらの事業を通じて、顧客の購買歴・支払い歴をあわせた取得難度の高い信用ビッグデータを保有しており、今後は様々な領域でのデータ活用・展開を模索している。
— 『TOKIUM経費精算』導入前の経費精算の業務フローについて教えてください。
(井浦氏)元々クラウド経費精算システム自体はありましたが、従業員がそのシステムで申請して、それとはまた別途領収書をそれぞれの上長に申請して、経理に両方とも送られてきます。その両方を経理が承認して、1枚ごとに打ち出し、その紙を元に1件ずつ手動で計上するといった業務フローになっていました。月に数百件領収書があったので、非常に大変でした。
— そこでの課題と言うとどういった所になりますか。
(井浦氏)やはり紙の運用というのが重かったです。毎回全部帳票として1枚ずつ出していたのが大変でした。それもそれぞれ手入力で計上しなければならないということで、相当非効率だと感じていました。
— では 『TOKIUM経費精算』導入後どのような点が効率化されましたか。
(井浦氏)会計ソフトとの自動連携で紙がなくなった、手入力がなくなったと言うのが大きいですね。今まで手動で処理していたものが全て自動化し、業務フローが省略されたので効率も上がったなと思います。
(長谷川氏)特に、会計面がだいぶフレキシブルにカスタマイズできるというのは大きな強みかなと思います。会計ソフトに合わせて、部門コードなどかなり特殊なカスタマイズをいろいろしていただきました。(後述)
入力間違いが減り、差し戻しが少なくなりました。
— 他にどういった点が良かったですか?
(長谷川氏)根本的に大きかったのが、差し戻しが多かったことです。なぜこの差し戻しが発生するかと言うと、そもそも従来のクラウド経費精算システムの入力フォーマットが整備されておらず、自由記入欄だけしかないような状態でした。その入力フォーマットを整備する難易度が高く、継続的な改善が難しい状況でした。加えて、ユーザーとなる従業員も会計リテラシーがあるわけではないので、申請の差戻しも一定数ありました。経理も現場も負荷が高いという状況でした。また、以前使用していたクラウド経費精算システムは、原本を差し戻す際に通知をメールで申請者に飛ばしていました。しかし、申請者がメールに気付かないことが多く、申請が遅れてしまうこともありました。
いつまでこんなことをやってるんだろうなとずっと悶々と思っていましたが、「TOKIUM経費精算」になったことで、交通費の自動連携や直感的に選べる経費科目、かつそれに紐付いたワークフローのおかげで、会計リテラシーがそれほどなくてもユーザーは簡単に操作ができ、かつほとんど差し戻しもなくなりました。経理側としては、月に 2 回立替経費の支払いがあり、従来は大体10 時間後半から~ 20 時間くらいを経費精算の支払業務に費やしていたのですが、それがほぼ 0 に近くなりました。月初だとどうしても月次の業務と被り、ただでさえ忙しいので、ボタンをポンと押すだけで会計システムに流せるのはすごくありがたいですね。
— 一方、現場の申請者の業務ではどのような点が 『TOKIUM経費精算』で改善されましたか?
(井浦氏)やはり自動で入力してくれる点が大きいですね。先程の差し戻しの件もそうなのですが、自分でひとつひとつ手入力しているとどうしてもミスが出てきてしまいます。ですが、領収書の画像から自動で入力されるとミスがないので、差し戻しの件数が減りました。
— オペレーター自動入力機能ではデータ化まで時間差が発生してしまいますが、そこへの懸念はありましたか?
(長谷川氏) 少なからずありましたが、ミスがあるまま申請されるよりは完全な状態で申請してもらったほうがありがたいなと思います。自動入力でミスがあると、結局経理担当者が内容を確認しなければいけなく、システム化している意味がないので。「TOKIUM経費精算」では1枚の領収書を 2 人のオペレーターがダブルチェックしていて、データの精度が高いので非常にありがたいです。
— 実際現場の方の負担ではいかがでしょうか
(長谷川氏) 負担は軽減されましたね。 従来は月に1度まとめて精算していたものを、「TOKIUM経費精算」だと分割して小分けに精算できるので、とても助かっています。実際、経費精算の多い営業のメンバーからも、楽になったという声を聞いています。
— 社内の従業員へ使い方を共有する際に大変だったことを教えてください。
(井浦氏)そもそものシステムを変更することを全社に伝えるのが大変でした。弊社の従業員は理由や理屈がわかると、大きな変化があっても受け入れて使用してくれるのですが、そもそも何でこれを変えるの?といった部分が納得できないと逆に動かない。そこで、クラウド経費精算システムの変更にはどんな目的があり、なぜ今やるのか、どんなメリット・デメリットがあるのか、実際に運用はどう変わるのかなど、すべての情報をオープンに伝えました。実際、メールやよく見る社内のポータルサイトで資料を共有しつつ、全社員向けに説明会を数回実施し、さらに社内の問い合わせ窓口で質問を受けたり、個々人に対して実際使用するにあたり、サポートしにいったりしました。
— 社内の方への周知方法で特にうまくいったことを教えて下さい。
(井浦氏)やはり全社に伝えることは難しく、色んな方向からやらなければ一定数知らない人が出てきてしまうので、そうした人にどうすれば認知させられるのかはなかなか苦労しました。
(長谷川氏) あとは、一部の部署からスタートさせたりもしました。またペルソナというレベルじゃないですけど「能動的にリテラシー高くてできる人」と「受け身な人」をおおまかに振り分けて、それぞれに対して伝える手段を分けたりしましたね。社内で使うシステムも、社内を市場だと見て、マーケティング観点を持ちながら社内に展開していきました。
— 他社のクラウド経費精算システムもかなり検討されたとお聞きしましたが、『TOKIUM経費精算』と比べて良い点、悪い点を教えてください。
(長谷川氏) クラウド経費精算システムを導入するにあたりこんな状態が理想だろうという絵姿を持っていたのですが、「TOKIUM経費精算」がその理想像で作られているサービスだったので、他社のクラウド経費精算システムから切り替えました。検討を進める中で、「TOKIUM経費精算」のお話を伺ったのは最後だったのですが、お話を伺う前までは理想のシステムがなく、消去法で仕方なく選ぼうとしていました。それでもシステムを切り替えて、前に進まなければ今より楽にならないという想いもありました。そんな背景だったので、お話を聞いたときは驚きましたね。
— 他社システム比べて理想論に 『TOKIUM経費精算』の方が近かったところってどういった部分になりますか?
(長谷川氏) 1つのインボックスの中に色んな種類の交通費や経費が入っているなかで、1回ポンと申請ボタンを押すとそれぞれのワークフローに自動で割り振られるといった形が理想でした。申請者からすればフローはどうでもいいし、なにかを選択して申請することは大変だろうと思いまして。申請時に直感的に選択できて、一定 の条件で承認フローが選択され、それによって自動で流れる。まさにそれができるサービスが 「TOKIUM経費精算」でした。
— 申請者とか現場の方がすごい使いやすくて直感的に使えるようなサービスだったと言うところだったんでしょうか。
(長谷川氏)そうですね。基本的に経理・財務側が楽になるのはクラウド経費精算システムを導入すれば当たり前だと思っています。それにプラスして、申請者側・ユーザー側を含めててどこまで全体を最適化できるかという視点で考えていました。
— 他社システムと比べて『TOKIUM経費精算』の UI はいかがでしょうか?
(長谷川氏) 個人的に、もともと検討していたクラウド経費精算システムの UI が「あまりよくないな」と思っていました。きっと市場的には、バックオフィス系のサービスって会社としての UI への投資優先順位が比較的低いの で、投資が回ってきにくいんだろうなと思っていました。UI ももちろん綺麗に越したことはないのですが、どちらかというと UX のほうを重視していました。
— クラウド経費精算システム導入における社内での稟議はいかがでしたか?
(長谷川氏)もちろんざっくりとした話はしましたけど稟議や社内調整があまり大変と言うことはなかったです。どちらかと言うとあるべき絵姿を持っていたので、それを共有しました。社員の生産性が上がるなら投資すべきという文化が醸成されている会社なので、メリットがあるのであれば全然投資を惜しまないですね。
— 「経費精算が面倒なんだけど、システムを導入するまでもない」という企業も多いですが、わざわざクラウド経費精算システムへ投資して導入する意義はどのようなものでしょうか?
(長谷川氏) 例えば経費精算に3時間をかけているとして、3時間かけてでも回ってるから「良い」とするのか、50分しか時間を割きたくないから、3時間は「良くない」とみるのか、そこの “基準” の違いな気がしています。財務経理の仕事は経費精算だけじゃないので、経費精算の時間を本来的には1分でも削減していくのが正義だとしたときに、いかにそこに近づけていくかを考えるべきかなぁと考えていました。
— 単純にコストですからね。
(長谷川氏)どうしても現状維持したがる場合は多いですよね。変えること自体がエネルギーが必要だったり社内巻き込むことにもエネルギーが必要だったり。 導入してから教育コストがかかるとか。気持ちはわかり ますけどね(笑)
— 会計ソフトは部門コードとかであったりとか、結構特殊なカスタマイズとかもされたんですよね?
(長谷川氏) 「TOKIUM経費精算」にはだいぶお付き合いしていただきました。他社の場合であれば、そこまでサポートされないであろう領域まで、しっかりフォローして頂けましたし、その一つ一つのフォローでオプション費用みたいなこともなく、不安は全くありませんでした。費用面に関しても御社の場合はサポートを考えれば、むしろ安いと言うぐらいの感覚でした。かなり色々な設定をやって頂いてたので本当に助かりました。
— 良かったです。御社は他部署を兼務されている方が多かったと思いますがその辺りはどのように変わりましたか?
(長谷川氏) 以前のシステムでも実現できる環境ではあったんですよ。かなり複雑な条件の承認フローを使っているので、その条件を今時の経費精算ツールに置き換えようとした時に大体ダメになるという状態の中で、「TOKIUM経費精算」で実現することができたので助かりました。
— 新機能(兼務機能、経費科目の階層化機能)も積極的に使っていただいたかと思いますがいかがですか?
(長谷川氏) 怒涛のように機能アップデートがあり、そして直近で弊社でも使えるものが多く、日々便利になっていく感覚です。
— 新機能に伴うアップデートも貴社側でされましたからね。スムーズに行って良かったと思っています。
(長谷川氏) そうですね。井浦の方が大分詳しくなって。仕様こうだからね、みたいな。
— 有難いお言葉をありがとうございます。嬉しいですね。以上になります。本日は貴重なお話しありがとうございました。