1967年に英国のロンドン本社、東京にオフィスを設立し、ヨーロッパを核としたツアー・オペレーター事業を開始した株式会社ミキ・ツーリスト。2017年に設立50周年を迎え、現在ではアフリカ、中東、ロシア、アメリカ、カナダ、オセアニア、アジア諸国にも旅行手配の基盤を広げ、顧客からの厚い信頼を得ている。また、世界遺産の啓蒙活動を通じた社会貢献活動を行う「特定非営利活動法人 世界遺産アカデミー」に所属するなど、CSR活動にも積極的に取り組んでいる。
当社は1967年に英国にロンドン本社、東京にオフィスを設立し、ツアー・オペレーター事業を開始しました。その後はヨーロッパを核として、アフリカ、中東、ロシア、さらにアメリカ、カナダ、オセアニア、アジア諸国へと拡大し、あらゆる国々や地域で新しい旅を開拓するお手伝いをしています。お客様の厚いご支援のおかげで、2017年に創立50周年を迎えることができました。これからも旅のエキスパートとして、すべての旅行者の海外旅行をサポートし続けていきたいと考えています。
私が所属する経理部では、主にハワイと日本にある関連会社5社の決算業務サポートや出納から帳簿の記帳に至るまでの経理業務全般を行っています。2011年にグループ全体の生産性向上を目的としたワークフロー改革を行う一貫で、経理業務の一部をマレーシアに移管するプロジェクトが発足し、現地にシェアードサービスセンターを立ち上げました。このときのプロジェクトマネージャーを私が務め、経理システムの開発サポートから現地スタッフの採用サポート、教育支援を行いました。
— 『TOKIUM経費精算』検討のきっかけ
私はミキ・ツーリスト入社後、一貫して経理部に所属しています。日々の業務の中で、現場の営業はもちろん、上長も経費の申請・承認業務を行う目的のためだけに会社に戻ってくる必要があることや、申請フォーマットがExcelでしたので、Excelに慣れている人とそうでない人で技量に差が出てしまい、人によっては申請業務に相当な時間をかけている状況があることを認識していました。このため、誰でも便利に使えて、Webで申請・承認業務が完結できるクラウド経費精算システムがあればよいのにと常々考えていました。
それまでの経費精算フローは、まず現場の営業が社内ポータルに格納されているExcelの経費報告書をダウンロードし、そこに訪問日・行き先・経路・金額を入力して、入力完了後に印刷を行い、領収書があれば裏紙に貼り付けて、自分のハンコを押して承認を得るために上長に申請書を回します。当社は毎月15日と月末の月2回を締め日として経費支払いを行っており、営業部は締め日の2営業日後までに経理部に申請書を提出する必要があります。このため、承認を行う営業部の上長はこの間は極力社内にいるか、社外の予定があっても承認のために会社に戻ってくる必要がありました。
その後、経理部で申請内容の確認を行っていきますが、仮に内容に不備があった場合には営業部に差し戻しを行います。その後、営業部で再チェックをする必要があるのですが、既に締め日から2営業日が過ぎていますので営業メンバーは社外に出ていることが多く、そこからさらに2~3営業日ほど過ぎてようやく経理部に修正された申請書が回ってきます。経理部での確認業務が終わると、すべての経費報告書をPDF化してマレーシアのシェアードサービスセンターに送ります。その後、現地の従業員が経費伝票に入力して、金融機関のWebサイトにデータをアップすると振り込みデータが完成するという流れでした。
「TOKIUM経費精算」を知ったきっかけは、上司からの案内でSansan株式会社が主催するイベントに参加したことでした。そこでは主に経理・会計業務における生産性向上のための各種ツールが紹介されており、各社のセールスピッチを聞いて興味のあるサービスがあれば個別相談会という形でより詳しい話が聞けるというものでした。その中で計3社のクラウド経費精算システムが紹介されており、いずれも経費精算フローを従来の紙・Excel主体の運用からWeb運用に切り替えられるものでしたので、どのサービスも経費精算フローのWeb化にマッチしていました。
その中で当社のニーズと最も親和性が高いと感じたのが「TOKIUM経費精算」でした。
その理由は、「TOKIUM経費精算」を提供するTOKIUMだけが、他社にはない「ペーパーレスプラン」というサービスを提供していたからです。このサービスを利用すれば、領収書の原本を営業部がスマートフォンで撮影し、社内のポストに投函するだけで、後は経理スタッフが回収しTOKIUMに郵送さえすれば、領収書の経費申請から突合作業・原本保管までが完了するというものでした。
この話を聞いたときに、これであれば領収書原本の整理・ファイリング・保管業務からも解放され、経費精算フローの完全ペーパーレス化が実現できると確信し、「TOKIUM経費精算」以外の選択肢はないと考え導入を決断しました。
当社は設立50年を超える会社ですので、新人からベテランまで幅広い年齢層の社員がいます。この状態ですとどうしてもITリテラシーに差が出てしまい、比較的若めの社員はすぐに慣れてくれるかなと思いましたが、これまでずっとExcel主体で経費申請業務を行ってきたベテラン社員にとっては、操作に慣れるまではExcel運用のときよりも時間がかかってしまうのではないかと考えました。
そこで、社内導入初月の1ヶ月をテスト期間にして、社員に自由に触ってもらってまずは操作に慣れてもらうことにしました。また、それでも操作に不安を感じる社員向けに「TOKIUM経費精算」使用説明会を実施して、実際の画面を見せながら営業の立場でどれくらいの手間が省けるかを理解してもらえるようにしました。同時に、これだけ便利になってコア業務に集中できるようになるので、ぜひ積極的に使ってほしいという力強いメッセージを経理部から発信しました。このことで社員の浸透スピードも上がっていきました。
1点目は、営業部の経費精算工数を月100時間から50時間に削減でき、営業力向上に貢献できたことです。
経費の申請を行う現場の営業部は、時間や場所を問わずいつでも申請ができるようになり、月末前後に集中していた経費精算業務を、日々のスキマ時間で行えるようになりました。また、承認を行う上長も、経費支払い締め日の2営業日に社内にいなくても社外から承認業務が行えるようになりました。その結果、営業部1名あたりの経費精算工数は導入前の半分の30分程度に抑えることができ、その分の浮いた時間をお客様先への訪問や提案活動などのコア業務に充てられるようになりました。
営業部100名で月50時間の削減効果ですので、年間に換算すると営業部全体で600時間程度の工数を削減できたことになります。このことでより個のパフォーマンスが発揮され、営業力強化に貢献することができました。営業部1名あたりで考えると月30分の工数削減は決して大きな数字ではないかもしれませんが、100名規模の営業人数がいる当社にとって、営業部全体の削減効果は相当なインパクトをもたらしました。
2点目は、経費精算フローの完全ペーパーレス化を実現したことで、経理部の経費精算工数も月40時間から20時間に削減できたことです。
従来のExcelによる申請の場合、正しい経費支払いを行うために経理担当者3名がかりで計5日間の工数をかける必要がありましたが、「TOKIUM経費精算」導入後は半分の時間で経費精算業務を完了できるようになりました。さらに、TOKIUMが提供する「ペーパーレスプラン」を利用したことで、営業部は領収書をスマートフォンで撮影し、社内に設置されている専用ポストに投函するだけで済むようになり、その後に経理スタッフが月1回の頻度でポストから領収書を回収し、それらをTOKIUMに郵送さえすれば、その後の突合作業はもちろん、保管に至るまでの業務をTOKIUMが請け負ってくれる仕組みを構築することができました。
完全ペーパーレス化の実現は、「TOKIUM経費精算」+「ペーパーレスプラン」の組み合わせでしか実現できない未来像でしたので、TOKIUMには本当に感謝しています。
— 今後の展望
経費精算業務はたしかに付加価値をうまないノンコア業務ですが、だからといって不要な業務では決してありません。経費精算は社員全員に関わることですし、売上の多い営業ほど経費も多く発生します。だからこそ、現場の営業にはコア業務により時間をかけられるように、経費精算業務にかける時間を最小限に抑えたいと常々考えていました。
現場の営業に気持ちよく仕事をしてもらうために、「TOKIUM経費精算」の導入によって実現できた完全ペーパーレス環境をこれからも続けていきたいと考えています。