— 事業内容について教えてください
当社は大分県竹田市を拠点とし土木・建築・舗装・営繕工事を手掛ける総合建設業です。具体的には、道路や橋の建設・補修、河川の護岸工事、公共施設や一般住宅の建築・修繕などを行っています。近年ではダムや発電所の工事に携わったり、避難小屋を建築したりもしています。創業は1914年、来年で110周年を迎えます。本社は大分県竹田市ですが、営業エリアとしては大分県内、また熊本県にも施工実績があります。
— 請求書受領システムを検討したきっかけについて教えてください
当時、当社では紙文化が根強く、様々な業務で紙が発生している状況でした。現状のままでも仕事を行うことは可能でしたが、上層部を中心に会社としてペーパーレス化をしたいという強い意思を持っていました。また、当社にはITの専門部署がないため、これを機に強い人材を育成したいという想いもあり、DXへの取り組みが始まりました。
このような背景から、グループウェアの導入など様々なDXに関する取り組みを行う際に、請求書支払業務をクラウドシステムで効率化できることを知りました。請求書の支払作業は業務負担が大きいと感じていたので、TOKIUMを含めたベンダーにお話を聞くことにしました。
— TOKIUMインボイス導入前の請求書支払業務について教えてください
毎月300枚以上もの請求書が届いていました。それを1つ1つ開封して、それぞれのお取引先様ごと・現場ごとに支払金額を振り分けるために、社内向けの専用請求書に転記していました。この転記作業は全て手書きで行っていましたので気が遠くなるほど大変でしたが、現場担当者が確認するためには必要な作業でした。
現場担当者が確認した請求書を、私たち総務経理部が土木に関するものと建築に関するものに分け、その請求書を見ながら会計ソフトに仕訳を打ち込み、最後に請求書をファイリングするまでが一連の請求書支払業務です。会計ソフトへの仕訳の入力が終わらないと支払業務に移れないので、毎月時間との勝負でした。
—現場社員へ負担はかかっていましたか?
現場担当者は会社まで請求書を取りに来る必要があったので負担がかかっていました。担当者は現場で内容の確認をするために請求書を持って現場に戻ります。その後、現場での確認が済んだ請求書をまた会社に届けます。車で片道1時間程かかる場合もありましたので時間を取られる作業でした。
— 承認作業で大変だったことを教えてください
請求書の承認はハンコの押印で行っていましたので、外出や出張の多い承認者の場合、会社に戻ってきて承認作業をする必要があり、業務負荷が掛かっていました。大量に請求書がありますので、承認する人は紙だらけになりながらチェックをしており、破れや紛失などのリスクがありました。
このように紙と人に依存した状況でしたので、特に私たち総務経理部は請求書支払業務になると笑顔はなかったです。単純で物理的に時間のかかる業務が多く、特に専用請求書への転記、会計ソフトへの入力は大変でした。そこで、単純作業の時間を減らして本来取り組むべき業務により多くの時間を使えるような働き方にしたいと考えました。
— TOKIUMインボイスを導入するに至った理由を教えてください
TOKIUMインボイスのトライアル利用でシステムの使い勝手を確認し、当社にマッチすると判断できたからです。そして、TOKIUMの営業担当者が我々の目線で対応してくれたことも決め手の一つです。我々の悩みを聞いてもらい、当社にあった提案をしていただきました。また、TOKIUMの「時間革命で体感寿命を延ばす」という企業理念に共感したというものもあります。
実際にTOKIUMインボイスの機能は、当社の目的であるペーパーレス化にマッチするものでした。TOKIUMインボイスは請求書の受領・データ化・保管を代行してくれます。そして、様々な形式の請求書をPDFとしてシステム上に保存できるので見たい請求書にすぐたどり着けるようになりました。請求書の管理が非常に楽になっています。
会計ソフト連携も非常に良かったです。当社の会計システムに合うようにCSVファイルをカスタマイズしてくれたので、TOKIUMインボイスと連携でき、今まで行っていた仕訳を打ち込む作業をなくすことができました。
— TOKIUMインボイス導入の効果を教えてください
以前は請求書の開封からファイリングまで関係者全体で約200〜250時間かかっていたところ、現在は約40〜45時間程度と約200時間もの時間を削減することができました。
TOKIUMインボイスを導入してからは、請求書の受領・保管作業がほとんどなくなりました。当社で請求書を受領しなくて済むので、TOKIUMインボイスにアップロードされた請求書をシステム上で回覧し、請求書データを集計して仕訳データを会計システムに連携させて支払処理を行うだけで済みます。ここまでの業務をペーパーレスで行えるようになったことで、転記作業や会計システムに仕訳を手打ちしていたストレスが全くなくなり、本来取り組むべき業務により多くの時間を使えるようになっています。
また、現場担当者にも良い効果が表れています。現場担当者は自分の好きなタイミングで請求書が見られるようになり、今までのように時間をかけて会社に来る必要がなくなりました。これは時間の効率化だけでなく車の燃料代の削減にもつながっています。
さらに、総務経理部の働き方にも変化が出てきました。請求書業務は時間との勝負だったので、これまでは休みづらい状況でした。システム化し属人性が薄くなったので、例えば、子供の都合で休みが必要な場合も休みやすくなりました。「請求書業務があるから休みにくいな」という心理的な負担を解消することができています。
— 導入サポートはいかがでしたか?
スピード感を持ってやってくれました。導入期限を伝えるとスケジュールを作成してくれたので、いつまでに何をしたら良いか明確で、さらにこちらの作業時間に余裕をもたせたスケジュールを組んで下さったので大変助かりました。
— 削減した時間をどのように活用していますか?
バックオフィスとして取り組めることの幅が広がりました。総務経理部は会社の環境改善も担っており、まだまだ業務効率化の余地が残っているところはたくさんあります。そこに対して考える時間とアクションする時間にあてています。また、現場の人たちが本業により集中できる環境を作ることもできました。工事にかかわる創意工夫を検討する時間などを生み出せています。
我々、総務経理部はインターネットさえあれば業務が可能な環境を会社に提供できる部署を目指しています。社員が力を発揮しやすく、誰もがどんな業務でもこなせるような属人化しない環境を作りたいです。
また、支出を扱う立場として、会社の財務状況を把握して中長期的な経営戦略に活用できる情報を提供できる部署も目指しています。
【取材日:2023年03月07日】