国内初の民間資本による旅客ターミナルビルの建設、管理・運営を行う会社として、1953年に設立された日本空港ビルデング株式会社。設立当初より羽田空港とともに歩み、民間資本によるターミナルビル運営のパイオニアとして70年近くの間、航空業界の発展を支え続けている。
— 御社の事業内容を教えてください
弊社は1953年の設立以来、羽田空港とともに歩み続けている、国内初の民間資本による旅客ターミナルビル運営会社です。主な事業内容としては、羽田空港を中心とした施設管理運営業、物品販売業、飲食業の3事業を展開しています。羽田空港の他にも、成田国際空港や関西国際空港、中部国際空港、海外空港等でも事業を行っています。
— 『TOKIUMインボイス』検討のきっかけ
経理課では、以前から請求書業務の電子化を行いたいという声が挙がっていました。例えば社員から請求書の閲覧依頼があった際や取引先から問い合わせがあった際は、請求書を保管している書庫から探す必要がありました。しかしながら、膨大な書類の中から該当の請求書を探し出すことは時間のかかる作業でした。請求書業務の電子化に向けて本格的に考え始めたのは、2021年に入ってからです。きっかけは全社目標として「働き方改革の推進」というテーマが掲げられたこと、そして新型コロナウイルス感染症の蔓延と、電子帳簿保存法改正への対応でした。
特にコロナ禍においてはテレワークが主体となる中で、経理課では、紙の書類を扱う業務も多く、テレワークが進んでおりませんでした。決算業務にも影響が出ていたことから、事業の継続性を考慮すると重要課題として挙げられ、早急な解決が必要となりました。取り組むタイミングとして今しかないと考え、外部システムの導入検討を始めました。
— 『TOKIUMインボイス』導入の決め手
当初は、Excelで電子保存する方法とスキャナ保存の2軸で検討していました。しかしながら、検討を進めていく中で単に電子取引だけを行うのであれば、社内規程の作成や請求書PDFデータのリネーム作業などが必要となり、現状よりも工数が発生することになります。これでは本末転倒だと考えました。
当時いくつかのサービスを調べてみたのですが、その中のとある企業から比較サービスとして紹介を受けたのが、TOKIUMが提供する「TOKIUMインボイス」でした。話を聞いてみると、単なる電子帳簿保存法への対応だけではなく、紙で届く請求書まで代行受領してもらえるため、工数を大幅に削減できることがわかりました。原本となる紙の受け取りや保管業務をなくすことができれば、既存の業務を増やすことなく支払いまで一貫して対応できるため大いに魅力を感じました。
決め手は「会計ソフトとの連携の柔軟さ」と「セキュリティ水準の高さ」です。他システムから会計ソフトに仕訳データを取り込む際には、システムから出力した仕訳データをそのまま会計ソフトにインポートできるかどうか、即ち出力した仕訳データを経理側で都度修正しなくて済むことが重要だと考えています。「TOKIUMインボイス」の場合は要望に合わせてカスタマイズできるので、ガバナンスと業務効率の観点から良いと感じました。また、弊社が公共性の高い事業を展開する業種のため、外部に請求書を委託する『代行受領』のサービスは、セキュリティ面や契約面は社内でもかなり厳しくチェックしました。
その中で、TOKIUMは、比較検討していたサービスのなかで唯一SOCレポートを取得していたことが、今後のシステム監査の観点からも大きな後押しとなりました。
結果として、開始1ヶ月で約80%の請求書を電子化することができました。これにより、支払依頼申請書の作成や、申請書の押印にかかっていた時間を、1人あたり月30分~1時間程度削減できています。これまで紙での提出が必須だったため、申請者、承認者ともに出社しなければなりませんでした。また、承認印をもらうために、所属部署の上長の出社スケジュールを考慮して、全体スケジュールを組む必要がありました。これが、今では上長が出社しているかどうかを考慮しなくとも申請できるようになり、業務効率化につながっています。経理目線では、これまで問い合わせがあった際に書庫に出向いて請求書を探していましたが、全てが「TOKIUMインボイス」に一元管理されたことで、今ではテレワークでもこれらの業務ができるようになりました。
経理課の中で、課題として挙がっていたもののなかなか実行に踏み込めなかった業務改善が、法対応という外的要因とTOKIUMのおかげで一気に完成形まで持っていくことができました。これまで、弊社では経理業務の改善というと業務フロー上の不要な業務を削減するというよりも、業務が増えたらリソースを増やして対応することが多かったのですが、今回の「TOKIUMインボイス」の導入で、経理発信で大きな業務改革が実現できたことにとても満足しています。
また、実務担当者からも「TOKIUMを導入してよかった」という声が寄せられたときは、まるで自分が褒められているかのようで嬉しかったです。その他の効果として、自分に関係する請求データが目に見えるようになったことで、実務担当者のコスト意識が高まったように感じています。その点でも導入の価値を実感しています。今回のように、経理業務の現場で課題を感じた社員が意欲的に声をあげて、ボトムアップで業務効率化につながるサービスを導入した社内事例が作れたことは、今後全社的に推進するDXに繋がっていくと考えています。
— 今後の展望
これからも、継続的にTOKIUMのサポートを受けながら、今よりもさらに業務効率化できる方法を模索していきたいです。短期では、既に90%以上の社員が賛成している「TOKIUM経費精算」の導入を進め、長期では連結会計システムと「TOKIUMインボイス」との連携などを進めたいです。これらの実現に向けてTOKIUMと二人三脚で進めていけると嬉しいです。