「人々の生活の根幹である「住まい」に関する市場、不動産の市場を、全ての参加者にとってより満足度の高い市場にする。」ことをミッションに、消費者と不動産会社のニーズを満たすシステムサービスをクラウドで提供し、変化に対応する不動産業を支える株式会社いい生活。投資銀行出身の創業メンバーによって2000年に設立され、今では業界を牽引する存在となっている。
— 株式会社いい生活について
当社の創業メンバーは投資銀行出身で、金融・株式市場で仕事をしていました。当時から、私たちの生活に密接に関わる不動産市場には、とてつもないポテンシャルが眠っていると考えていました。
一方で不動産市場では中小事業者が多く、IT投資は遅れがちでイノベーションが起こりづらいことも事実でした。その結果、情報格差が大きいという問題が残されており、不動産市場は、私たち投資銀行の者からすると非常に非効率に見えていました。
いい市場とは、不動産を売りたい人と買いたい人、貸したい人と借りたい人がすぐに出会える状態かつ適正なコストで取引が出来る市場を指します。今ある情報の非対称性をなくして、情報が市場全体に行き渡り、誰しもが取引しやすい市場をつくりたいという思いのもと事業を展開しています。
— 『TOKIUM経費精算』検討のきっかけ5年前から本格的に社内業務のクラウド化を推進してきました。その中で、経費精算システムがオンプレミスの最後の牙城として残っていました。毎年、期初にはアジェンダに挙がるのですが、やはり会社としては売上につながるサービスの開発、コア業務システムのクラウド化を優先せざるを得ませんでした。
経費精算フローとしては、まず申請者がシステムに登録、伝票・申請書の裏面に領収書を糊付けし、上長である承認者に回します。次に、承認者は領収書の金額が適正なものであるかを確認していき、間違いがなければ経理に回すのですが、この作業がとにかく大変でした。日付順に領収書が貼られている場合は確認がしやすいのですが、中には日付に関係なくバラバラに貼り付けられている場合もあり、申請金額と領収書を紐付けるだけでもかなりの時間を要していました。ひとつひとつは少額であっても、相応の枚数がありますので承認のたびに気が重くなっていました。
旧システムはスマホに対応していなかったので、PCを開くことが前提で、その辺もネックでしたね。
また、当社は名古屋と大阪と福岡に支店があります。各支店での経費精算はそれぞれの事務担当が行い、その後東京本社の経理へ申請書を郵送します。本社経理は、本社分に加えて各支店の分もチェックを行い、経費の支払い手続きを行っていきますが、申請内容を各支店と本社とで計2回チェックしており、無駄な工数が発生している状態でした。
これらを踏まえて、2020年に在宅勤務が恒常化してきたこともあり、経費精算システムをクラウド化するアジェンダの優先度が上がり、サービス導入に向けて本格的に動き始めました。
— 『TOKIUM経費精算』導入の決め手一番の決め手は、経費精算業務の完全ペーパーレス化を実現できることです。他社システムの場合、申請書を印刷する手間は省けても、領収書の突合や保管をなくすことはできませんでした。その点、「TOKIUM経費精算」は社内の設置ポストに領収書を投函するだけで申請が終わります。経理の業務効率化を促進し楽になるという観点では、「TOKIUM経費精算」以外の他社システムでもある程度実現はできるのですが、同時に申請者や承認者にとってもメリットが無いと、導入する意味も薄れると考えていました。
つまり経理部の業務が効率化するという部分最適ではなく、全社で業務が圧縮されるという全体最適を実現したいと考えていました。「TOKIUM経費精算」が唯一、当社の求めるものに合致しました。
また、電子帳簿保存法への対応も検討しましたが、これから先に法改正が続く可能性もあり、まだ最終形ではないと認識していました。今後の運用を考えたときに、法改正の都度、情報をキャッチアップしながら業務フロー対応をしていくことは煩雑になるだろうと考えました。この点でも、「TOKIUM経費精算」であれば、現状でも実質的に電子帳簿保存法に対応出来ている状態となり、システム側が法改正にスピーディーに対応してくれますので、より本業に集中できる環境が整うだろうと考えました。この辺は、当社もSaaSを提供している会社なので、SaaSの強みが発揮される領域だと思いますね。
経理だけではなく全社にメリットがあり、完全ペーパーレス化によってメリットを最大化できるクラウド経費精算システムは「TOKIUM経費精算」しかないと判断し、導入を決めました。
— 『TOKIUM経費精算』導入を決めた後の社内の動きシステムを新しく入れ替える際は、使い始めは特に操作面で質問が出ることが想定されます。当社の社員は半分がエンジニアですので、すんなりと導入に踏み切れるとは考えていましたが、それでも導入初期に「使い方がわからない!」という声が出てしまうと、どんなに良いシステムでも次第にその声が大きくなり、社内の評判が悪くなってしまうことを懸念しました。
システム導入時はやはり初めが肝心ですので、社内チャット掲示板に専用チャネルをつくり、また動画のチュートリアルを制作して、どのような質問が来ても「あそこに書いているので見て下さい」と答えられるようにしました。このこともあって、導入後は社員からはあまり質問が来ないどころか、「本当にポストに投函するだけで申請が完了するのですか?」といった驚きの声や、「このようなクラウド経費精算システムを待っていました!」という喜びの声を聞くことができました。
— 『TOKIUM経費精算』導入で得られた効果導入後は、新型コロナウイルスの影響で移動や出張が減ったため、導入前に試算した効果には満たないものの、それでも体感としてはかなりの負荷が軽減できていると実感しています。
申請者としては、領収書の糊付けをする必要がなくなったため、出社をしなくてもよい状態になりました。承認者も同様に、領収書をチェックする負荷がなくなりましたし、承認の際PCを立ち上げる必要もなくなりました。コロナ禍であっても、承認者の立場になると相応に出張の回数もありますので、出社せずとも、またPCを開かずとも移動時にスマートフォンひとつで承認業務ができるようになったことは、大きな効果だと思っています。
バックオフィスとしては、経理担当者の負荷が軽減できたことで、時間内に対応できる業務の幅が広がり、部署内のタスクのアロケーションがやりやすくなりました。これまでは1人で多くの仕事を抱えていることが多く、業務の見直しや自分の仕事を他人に引き継ぐことが難しい状況でしたが、今では組織全体で協力し合いながら仕事ができています。
もちろん、申請内容のチェック業務がなくなったわけではありませんが、「TOKIUM経費精算」ではオペレーターが領収書内容と入力内容に不一致がないかを2回チェックしてくれていますので、「金額はほぼ合っている」という意識でチェックが行えることから、心理的な負荷も軽減することができました。
— 今後の展望
おかげさまでTOKIUMとは長い付き合いになりそうです。既に請求書の完全ペーパーレス化を実現する「TOKIUMインボイス」の導入も決定しています。今当社の在宅勤務比率は8割弱ですが、コーポレート部門としての今期の目標のひとつに「全社明日から完全在宅となっても業務継続可能な体制づくり」と「完全ペーパーレス実現」を掲げています。
「TOKIUMインボイス」を導入すれば、会社に届く請求書が無くなりますので、この目標が実現できると考えています。これから先も当社の成長を支える重要なパートナーとして、TOKIUMには頑張っていただきたいですね。