ー 貴社の事業内容を教えてください
当社は、2022年にキャナルシティ博多などの商業施設企画・開発などを行う福岡地所グループのシェアードサービスの提供を行う会社として設立されました。主に経理、人事労務、総務庶務、賃貸管理などの業務を請け負っています。
ー TOKIUMインボイス導入以前の請求書支払業務について教えてください
私たちは福岡地所グループの経理業務を受託しています。まず、請求書は各グループ会社で受領していました。請求書は基本的に紙で取り扱っており、メールで届いた請求書もすべて印刷しています。そして、会計システムに請求内容を入力し、支払依頼書を印刷して請求書と合わせて押印による承認にまわしていました。その後は各会社から、私たちへ承認を済ませた支払依頼書が社内便で送付され、支払処理をしていました。
ー 請求書支払業務で負担になっていたことについて教えてください
承認手続き等の請求書処理はすべて紙で行っていたことに加えて、グループ会社は市や県をまたいでいたので、私たちに請求書が届くまでにタイムラグが発生していました。
各会社に請求書が届いてから支払処理を終えるまでには少なくとも1営業日はかかりますので、締日ギリギリに請求書が届いた場合、処理が間に合いません。なので、届くのが遅い請求書に関しては、先に電話やFAXなどで請求書の内容を確認していました。
ー 請求書のファイリング・保管で大変だったことを教えてください
福岡地所グループ全体で、毎月5000枚ほど請求書を受領しています。例えば、グループ内で請求書受領数が最も多い会社では月に3000枚ほど請求書を受け取っています。私たちが請求書をファイリングし、各社の倉庫で保管する運用でしたので、膨大な量の請求書を伝票番号順に整理しファイリングするために、経理全員で丸一日を割いて作業していました。
ー 請求書受領システムの検討の経緯を教えてください
検討当時は、会計システムのリプレイスを進めていました。当初、新しい会計システムで請求書支払い業務もできないかと考えていましたが、請求書の代行受領・保管といった原本管理に関して私たちの求める運用ができませんでした。やはり、原本管理を効率化できないと業務負担を減らせないので、請求書支払業務に特化したシステムを検討することになりました。
ー TOKIUMインボイスの決め手について教えてください
まずは、請求書の代行受領・保管サービスがあり、ダウンロード形式の請求書も代行受領してもらえることです。紙の請求書が全体の8割を占めていましたが、ダウンロード形式の請求書もあるので対応が必要でした。他のメールに埋もれて対応が漏れてしまうリスクがありますし、ダウンロードする作業も手間がかかるので、リスク回避と負担軽減が可能だと思いました。
次に、TOKIUMインボイスは、母体となる1社のみの契約だけでグループ会社全体で利用可能だったことです。他社はグループ会社ごとに契約が必要で、各会社で請求書の契約件数が決定される仕組みでした。仮に、1社ごとに契約件数を決めてしまうと、各会社で契約件数を超過したり、反対に予想よりも少ない件数しか受領しなかったりする場合に余分なコストを支払うことになってしまいます。しかし、TOKIUMインボイスは1社を母体としてグループ全体の請求書件数で契約できましたので、各会社で受領する請求書が変動しても余分なコストをかけずに済みます。
そして、TOKIUMインボイスは申請者が請求書を申請するときに、あらかじめ設定してある科目の選択をするだけで済みます。他社では申請者が貸借を判断して仕訳に入力する必要がありました。ある程度の経理知識がないと入力ミスが起こりかねず、申請者への負担になると考えました。
これらのことからTOKIUMインボイスの方が私たちの負担を最大限軽減できることはもちろん、利用する現場社員も導入によって業務負荷が軽減できるだろうという期待を持って決定しました。
ー 導入サポートについてはいかがでしたでしょうか
親身になって導入のサポートをしていただき、とても満足しています。過去にもさまざまなシステムを導入してきましたが、導入サポートの中でこれまでで一番よかったと感じています。
特に会計システムへ連携するためのCSVファイルの設定時に、サポートの方々が迅速に対応してくれました。グループ会社ごとに異なる要件もありましたが、その要求にも柔軟に対応してくれたことは大変助かりました。
ー TOKIUMインボイス導入の効果について教えてください
グループ全体で3902枚の請求書を受け取っていましたが、TOKIUMインボイス導入後は348枚まで減り、3554枚のペーパーレス化を実現しました。
ー 締め作業にはどのような影響がありましたか
締めの作業が半日ほど早く終えられるようになったと感じています。特に、請求書支払業務全体の進捗を把握しやすくなったことはよかったです。請求書の承認プロセスを確認できるので、承認の進捗状況や、請求書がどこに届いているかといった情報を得られます。さらに、支払金額も請求書がTOKIUMインボイスにアップロードされたタイミングで把握できるので、支払いの予定を早めに立てることができるようになりました。
ー TOKIUMインボイスに請求書の保管代行サービスについてはいかがですか
以前は一部の請求書を手元に置いておき、前々期の請求書から決算が終了したら倉庫に送るという運用をしていましたが、膨大な量の請求書がキャビネットを圧迫し、保管が難しくなっていました。しかし、代わりにTOKIUMが保管してくれるので、もうこの問題を考える必要はなくなりました。
ー その他の機能についてはいかがでしょうか
私たちは、1人の経理担当者で複数の会社を担当しているため、テナント切り替え機能があるおかげで、1回のログインで担当している会社の切り替えができることで、スムーズに複数社の請求書支払業務をこなすことができています。
ー 経理部での承認作業は楽になりましたか
承認に費やす時間は1日~1日半ほど減りました。以前は8時間ほど承認に時間を割いており、帰宅時間が遅くなることもあったので、その作業時間の減少には大きな効果が出ていると思います。パソコンさえ持っていれば、場所や時間を選ばず承認ができるようになったことはとても良かったと思います。
ー 業務効率化によって削減できた作業時間はどのような効果をもたらしていますか?
残業が減り余裕が生まれたことで、実績の精査や計上の妥当性の確認、業務効率化の検討、法改正対応のプロジェクトなどに時間をあてることができるようになりました。
ー 目指す経理事業部像について教えてください
これからもシステムの活用と自動化を重視して業務効率を向上していきたいと考えています。現在、作業工数を毎年削減し、業務にかけるコストを下げることを目標にしており、自動化は鍵となると考えています。
グループ全体では標準化とマニュアル化が必要なのでそれに向けて取り組むことを目指しています。
【取材日:2023年5月23日】