— 『TOKIUM経費精算』検討のきっかけ以前のクラウド経費精算システムは、請求書支払いのワークフローに経費精算機能を付加していたため、入力項目が多く、処理に手間がかかっていました。当社社員は中途入社が大半を占めるのですが、「前の会社よりも経費精算が面倒で時間がかかる」という声が多い状況でした。
私たちが所属するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以降、CCC)グループは、当社やTSUTAYAを含め100社以上の法人で構成されています。グループ会社では、原則同じワークフローシステムを利用していますので、操作性に難があったとしても入れ替えのハードルが高かったです。そんな中、当社内で業務効率化プロジェクトが立ち上がりました。
どの業務から優先的に効率化を行うべきかを決めるために、社内アンケートを取ったところ、「経費精算を効率化してほしい」という回答が社員の約6割をしめました。確かに、それまでのクラウド経費精算システムは、交通費精算の際の路線検索がポップアップで出てきたあと、何ステップかの操作をして登録するような仕組みでとても不便でした。さらに、最大10明細までしか登録できない仕様だったので、経費明細が多い社員は1ヶ月の間に何度も経費精算の申請を行う必要がありました。その都度、紙で出力する必要があるので、面倒に感じる社員が多かったようです。本来あってはいけないことですが、面倒だからと経費の一部を精算しないでそのままにしておく社員もいたくらいです。
こうした社員の生の声を受けて、数ある業務の中でも、経費精算を楽にするシステム導入を優先的に進めることが決まり、選定に入りました。この動きがスムーズにできたのは、CCCグループの他企業の中でも収益力のある事業を抱える当社は、事務効率を推進するための予算も確保しやすかったためです。まずは当社から業務効率化につながるシステム導入を行い、その後にCCCグループ内で広げていくことも視野に入れてのシステム選定でした。
— 『TOKIUM経費精算』導入の決め手クラウド経費精算システムを選定するにあたっては、比較サイトに掲載されていた50社近くのクラウド経費精算システムの機能をエクセルに書き出して、〇×をつけて機能を比較しました。
CCCグループへの展開も考えてのことなので、機能以外でもセキュリティ面や当社ルールの基準に合うかも確認する必要がありました。その当時リリースされているすべてのクラウド経費精算システムの中で1番当社の仕組みに合うものを見つけたいという姿勢で、かなり多くのシステムを検討しています。その中でも、機能面、コスト面などで特に優れていると思われる5社に絞って具体的な検討を開始しました。
5社に絞ったあとは、営業の方に来てもらい、機能面や当社の仕組みにあうか、具体的にその機能はどういうふうに設定すれば実現できるかなどを細かくヒアリングしました。
最終的に「TOKIUM経費精算」にした一番の決め手は、兼務設定が最も柔軟に実現できることでした。「TOKIUM経費精算」の組織マスタは、1人の従業員の主所属部署と兼務部署の両方をしかも制限数なく登録できます。これが実現できるシステムは実はすごく少なかったのです。
他の候補になっていたシステムの兼務設定は、「所属が名前として表示されるだけでその申請者が計上部署を選択できるようにはなっていない」、「法人は必ず分ける必要があるので、企業をまたぐ兼務者は法人ごとにアカウントを持ち、ログインをし直す必要がある」、「兼務で設定できるのは3部署まで」など制限がありました。これでは多くの法人を抱え、多くの部署を兼任するプロジェクトのような組織形態の当社運用では厳しいものが多かったですが、「TOKIUM経費精算」はそれらの課題も全てクリアしてくれました。
また、ペーパーレスを実現するには、本来は電子帳簿保存法に対応する必要があるのですが、法人別に認可をとり、3営業日以内にタイムスタンプを付与するなど、運用面でかえって不便になると思われる問題をどのように解決すべきかにも悩んでいました。そんな時に、「TOKIUM経費精算」のペーパーレスプランを紹介いただき、領収書原本を回収する必要はあるものの紙の印刷は不要ですし、申請もアプリやWebからで完結できる。これだ!と思い、経理にも紹介したところ、かなり乗り気になってくれました。タイムスタンプの運用では経理の負担がかなり重くなってしまうので、会社側で電子帳簿保存法に適用せずとも簡単にペーパーレスが実現できるというのが、かなり魅力的だったのです。
もともと申請者サイドからも、とにかく紙をなくしてほしい、経費精算申請のためだけに会社に行く日をつくるのをやめたいなどの要望も強かったので、あらゆる面での利便性が向上されつつも、兼務設定などの課題も一気に解決してくれるのは「TOKIUM経費精算」以外の選択肢はないと判断し、導入を決めました。
また、機能面以外でも、TOKIUMさんの営業さんはこまめに連絡をくださり、話を聞きたいとお願いした時にもすぐ営業に来てくれたので、そうしたサポートも期待できそうという安心感も大きかったと思います。
さらに、これは導入想定時には全く予期していなかったのですが、ちょうど導入時期にコロナ問題が発生し、当社も多くの従業員がリモートワークに切り替わりました。請求書の支払いなどはペーパーレス化できていなかったので大混乱でしたが、経費精算は「TOKIUM経費精算」を導入していたおかげで、スムーズにリモートワーク環境に適応できました。経理でも、領収書原本確認等で、紙での確認が必要であったのが、ペーパーレスで精算までの確認作業一切をWeb上で行えるので、一番リモートが難しい経理でもリモートしやすくなっています。結果的に最高のタイミングで導入を決められたのではないかと思います。
導入を決めた後は、ユーザー側と管理者側のそれぞれの視点でテストを行いました。具体的には、トライアルアカウントをいただいて、交通費の経費精算、交通費以外の領収書ありの経費精算、事前申請が必要な経費精算などをテストで入力して、申請作業を行って、承認フローがどのように回っていくのか、操作性に問題がないかを確認しました。
これによって、設定が複雑ではないかとか、入力作業がわかりにくくないかなどの不安要素もクリアになっていき、これなら大丈夫と自信が持てました。
次に有志のユーザー20名程度を対象にスモール導入をして、約3ヶ月のテスト期間を設けました。TSUTAYAでも同じくスモール導入で始めています。テスト期間を設けた理由としては、全員が毎日経費を使うわけではないのと、申請~承認~振込までのステップにおける運用課題を少しずつ解決していくためです。
3ヶ月の間に、使用する人を20名から少しずつ増やして使える範囲を広げていきました。一気に導入するとせっかくいいシステムでも認知されていないとか、設定上を失敗していてうまくいっていないだけで不満が出やすいことで、過去のシステム導入時に大問題になってきたのを見てきたので、スモール導入で課題となることを解決しながら、全社的に展開にしてくやり方を採用しました。おかげで、大きな不満もトラブルもなく、ユーザー側からは、使い勝手の良さを評価してもらえました。
一方で、管理者側については、当社導入以後のCCCグループでの展開も鑑み、組織登録や科目登録などの一連の設定作業は本番環境どおりに行いました。「TOKIUM経費精算」の次点として候補に上がっていたシステムよりも設定項目はシンプルですが、比較的社員数が少ないグループ会社の場合は、経理担当者が設定に時間を取ることが難しいと思う面もありました。しかし、今回当社がしたようにスモール導入から始めていけば、そうした問題も起きにくいのではないかと思っています。
— 『TOKIUM経費精算』導入後の効果経費精算のペーパーレス化が実現できたことによって、ユーザー側と管理者側の双方に良い効果が出ています。ユーザー側は、これまでのように出社して紙を出さなくて済むようになりましたし、経理は紙や領収書をチェックする時間がなくなりました。また、紙を保管する倉庫も借りなくて済むようになりました。
導入後、ユーザーからは「とても便利になった」という声をたくさんもらえました。驚きだったのが、当社の役員からも「このようなシステムを入れてくれてありがとう」や「営業の皆から助かっていると聞いたよ」と声をかけてもらえたことです。これまでもパソコンの入替や業績管理ツールのリプレースの経験はありますが、ここまで社内で広く使われる仕組みを導入し、高い評価を受けたことは初めてでした。「TOKIUM経費精算」を導入して社員に喜んでもらえて、本当によかったと思います。
— 今後の展望当社の後には、CCCグループである蔦屋書店が「TOKIUM経費精算」の導入を決めています。導入初期の試算では、仮に「TOKIUM経費精算」をCCC全グループに導入した場合、年間約3,000時間を削減できるという試算でした。CCCグループの全社で「TOKIUM経費精算」が使われるようになれば、グループ社員みんなが経費精算に悩まされることはなくなります。
当社や蔦屋書店で培ったノウハウを活用して他のグループ企業でも、この便利で楽なクラウド経費精算システムによる効率化が進めばさらにグループ全体の利益に繋がっていくのではないかと期待しています。