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- そもそも交通費精算とは?
- 交通費申請書の無料エクセルテンプレート!書き方やポイントを解説!
- 交通費とは?課税・非課税の判断基準を解説
- 交通費精算の方法は2ステップだけ!初めてでも簡単にできる
- 営業パーソンの交通費精算に対する3つの不満・課題
- 経理担当の交通費精算に対する3つの不満・課題
- 交通費の領収書を紛失してまったら?対処法を解説
- 交通費精算を効率化・楽にする3つの方法とは?
- 交通費精算システム・アプリを徹底比較!
- 交通費精算の業務を効率化した企業事例2選
- よくある疑問1. 寄り道をした場合は最短ルートの金額のみを請求すべき?
- よくある疑問2. SuicaなどICカードにチャージをした場合は?
- よくある疑問3. 半分プライベートのような支出について交通費精算してもいい?
「交通費精算をどうにか楽に効率化できないか?」「交通費申請書のエクセルテンプレートを使いたい!」「初めてだから書き方や作成方法がわからない」
このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?交通費精算の業務は、現場の営業パーソンからも経理担当からも面倒という声があがる業務ですよね。
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本記事は、「そもそも交通費精算とは何か?」という基礎知識から、交通費精算を効率化する方法、オススメの交通費精算システム・アプリまで、交通費精算業務のすべてがわかるような包括的な内容となっています。
「交通費精算の方法」から「定期区間の会計処理」などよくある疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも交通費精算とは?
交通費精算とは、従業員が電車や自動車で移動した際に発生した費用を、会社が立て替えるための手続きを差します。
従業員の立場としては、自分が立て替えたお金を会社から返してもらう必要があります。経理担当者は金額の間違いなどが発生しないように、細心の注意を払って処理を行いましょう。
一方で、会社の立場から考えた時、領収書などの証憑書類が完備されていない交通費精算は、経費として処理ができないことを理解しておかなくてはなりません。税法上、会社が損金処理した交通費については、すべて支払先や支払の内容を証明する証憑書類が完備されている必要があるからです。
証憑書類が存在しないのに交通費を会社経費として処理していることが発覚した場合、税務調査によって多額の追徴課税を課せられてしまう可能性があります。
経理の立場としては、現場の従業員から交通費精算の申請があった際には、領収書等の証憑書類が備えられているか、業務に関連しない出費を経費として処理しようとしていないかといったことを厳しくチェックしなくてはなりません。
交通費申請書の無料エクセルテンプレート!書き方やポイントを解説!
営業担当者などの現場従業員に提出してもらう交通費申請書は、後日に税務調査などが行われた際に、交通費の経理処理方法が適切であることを証明するための証拠資料となります。そのため、交通費申請書には、経費処理した交通費と業務の関連性を証拠立てる情報が必要です。
交通費精算書には、以下のような情報を記載します。
- 申請者の氏名と押印
- 所属している部署
- 交通費を支出した日付
- 利用した経路
- 利用した交通機関の名称
- 支出した金額
- 領収書(存在しない場合はその旨を記載)
- 申請書の通しナンバー
交通費精算のための申請書作成については、以下の記事で無料のテンプレート紹介と合わせて解説していますから、参考にしてみてください。
また、経費精算や旅費精算用のテンプレートは下記ページをご覧ください
交通費精算を楽にする経費精算システム
上記の無料テンプレートを使用することで、今よりも簡単に交通費精算をすることができます。しかし、近年多くの企業が、テンプレよりも交通費精算を大幅に効率化できる経費精算システムを導入しています。特に、交通系ICカードと同期することができる経費精算システムの導入が一般的になっています。
本記事では、ICカードと連携できるシステムも含めた、注目されている4社の経費精算システムを徹底比較した資料を無料配布しています。最適な経費精算システムを選定して、面倒な交通費精算の手間を削減したい方は下記からご覧ください。
【関連する無料ガイドブック】
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交通費とは?課税・非課税の判断基準を解説
交通費や通勤手当には「非課税限度額」というものがあることをご存知でしょうか?
例えば、公共交通機関を利用する場合、非課税限度額は15万円までとなっており、これを超える高額な通勤手当は支給できないルールとなっています。
また、電車やバスで移動するか、車やタクシーで通勤するかによっても課税上限額が異なります。これらの知識は、通勤手当の社内規程を作成する際に必須となります。
以下の記事では、通勤交通費にかかる所得税の課税・非課税についての判断基準について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
交通費精算の方法は2ステップだけ!初めてでも簡単にできる
交通費精算業務は、大きく分けて「現場従業員(営業部員など)の申請書作成業務」と、「経理部員による会計ソフトへの入力作業」という2つのステップで行われます。
初めて交通費精算業務を行う方向けに、具体的な業務の進め方について解説いたします。
ステップ1. 申請書の作成業務
まずは、営業部員など現場従業員の申請書作成業務からです。
ここでは、「どのような支出を行ったのか」について、後日の証拠となるよう網羅的な情報を残しておくことが大切です。支出した交通費を会社の経費として処理するためには、その支出が業務に関連する証明が必要ですから、そのための情報を証拠として残しておくわけです。
領収書があれば良いですが、公共交通機関では領収書の受け取りが難しいケースがほとんどですから、支出をしたその日のうちに申請書を作成しておくのが理想的です。
ステップ2. 会計ソフトへの入力作業
現場従業員から交通費精算の申請書が経理スタッフに提出されたら、その内容を確認しながら経理スタッフが会計ソフトへの入力作業を行うことになります。入力時には、「この支出は果たして業務と関連のある支出なのか?」を常に念頭に置いて処理を行いましょう。
プライベートな支出と疑われるものについては、申請書を提出した従業員に支出の詳細を確認するとともに、満足な説明が受けられない場合には精算を拒否することも選択肢に入れなくてはなりません。
なお、申請書データと同期する機能がある会計ソフトを使えば、こうした入力作業は自動的に処理できるようになります。煩雑な入力作業を劇的に効率化することが可能となりますから、ぜひ導入を検討してみてください。
営業パーソンの交通費精算に対する3つの不満・課題
交通費の精算を頻繁に行う必要がある営業部門スタッフの中には、「面倒な交通費精算業務にかける時間はできるだけ減らして、一件でも多くのお得意先を訪問したい…」というニーズをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
営業部門スタッフが交通費精算に対して持ちがちな不満・課題としては、以下のようなものが考えられます。
- 経理部門スタッフとの連携がうまくいかない
- 訪問先や用途を忘れてしまい、申請書作成に非常に手間がかかる
- 定期区間の計算が面倒
ここからは、それぞれの課題の対処方法について解説いたします。
課題1. 経理部門スタッフとの連携がうまくいかない
交通費の申請書を提出するたびに、経理部門のスタッフから差し戻しをされる…ということにストレスを感じている営業部門のスタッフも多いでしょう。経理としては申請書に不備がある場合には会社の経費として認めることができませんから、差し戻しはやむを得ません。
一方で、毎回同じ理由で差し戻しをしているのに、一向に改善されないケースもあります。不備を出したほうの責任、と言ってしまえばそれまでですが、ミスをなくすことには経理スタッフ側にもメリットがあることですから、共通の問題として認識して解決策を講じるべきです。
解決策としては、まず申請書作成のフォーマットをわかりやすくすることが必要です。具体的には、現場部門で入力する申請書作成システムと、経理部門が会計入力作業を行う会計ソフトの同期ができるようなシステムの導入が考えられます。
課題2. 訪問先や用途を忘れてしまい、申請書作成に非常に手間がかかる
交通費精算の申請書には、支出した交通費に関する訪問先や用途の詳細を記載しなくてはなりません。通常、交通費精算は数週間に1回あるいは1か月に1回程度の期間で行うことが多いですから、交通費精算を行う時点では支出の内容を忘れてしまっている…ということが往々にして起こります。
支出を行うたびに申請書の作成作業を済ませておけばよいとわかっていても、忙しさを理由になかなか思うようにいかないということもあるでしょう。
対策としては、交通系ICカードの利用履歴をそのままデータとして使えるシステムの導入が考えられますので、検討してみてください。
課題3. 定期区間の計算が面倒
自宅と勤務先の定期区間がある場合、交通費精算時にはその区間の交通費は控除して申請書を作成しなくてはなりません。
定期区間の控除計算は、場合によっては非常に計算が面倒になります。定期区間の控除計算は、クラウド型の経費精算システムを導入すれば、すべて自動的に処理できる可能性があります。
経理担当の交通費精算に対する3つの不満・課題
上では現場の営業スタッフが交通費精算業務に抱きがちな不満・課題について見てきました。一方で、交通費精算を処理する経理スタッフ側の不満としては、以下のようなことが考えられるでしょう。
- 課題1. チェック・確認に時間がかかる
- 課題2. 交通費の不正受給が多い
- 課題3. 定期区間の計算が面倒
それぞれの課題について、順番に対処法を見ていきましょう。
課題1. チェック・確認に時間がかかる
第一に、交通費精算のために提出された申請書類をチェックし、手入力で会計ソフトに入力していくという作業は、非常に業務負担が大きくなります。
対策としては、交通系ICカード(またはモバイルアプリ)から参照できる交通費の利用履歴と、会計ソフトとを同期できる経費精算システムを導入することが考えられます。
課題2. 交通費の不正受給が多い
本来はプライベートな支出であるにもかかわらず、そうした支出を業務上の交通費として精算を行おうとするケースが少なからずあります。こうした不正受給については、その手口を理解するとともに、経費精算システムの導入によって物理的に不正な手段を使えないように対策を講じることが必要です。
交通費の不正受給を防止するための具体的な方法については、こちらの記事で解説しています。
課題3. 定期区間の計算が面倒
従業員が通勤定期を利用できる区間については、交通費としての支出から控除しなくてはなりません。本来は支出していない定期区間を水増しして交通費を精算することは、典型的な不正受給な手口として利用されますから、これを防止する手段を講じる必要があります。
具体的には、交通系ICカードとクラウド型経費精算システムの同期により、定期区間の控除計算を自動化する方法が考えられます。
交通費の領収書を紛失してまったら?対処法を解説
電車やバスなどの公共交通機関でも、領収書の交付があるケースが少なからずあります。こうした領収書を紛失した場合には、交通費精算ができなくなってしまうのでしょうか?
結論から言えば、領収書を紛失してしまった場合にも、交通費精算によって支払ったお金を会社に補填してもらうことは可能です。
具体的には、以下のようなステップによって交通費精算を行いましょう。
- 経理部員に会社規程を確認してもらう
- 出金伝票を用いて
- 領収書以外の交通費支出を裏付ける証拠資料を添付して提出する
要点は、支出した交通費が業務に関連すると証拠づけられれば問題ないということ。最も強力な証拠が領収書ですが、証拠として認められるのは領収書だけではないというわけですね。
領収書を紛失してしまった場合の交通費精算の具体的な方法については、以下の記事で解説していますから、参考にしてみてください。
交通費精算を効率化・楽にする3つの方法とは?
交通費精算に関する業務を効率化するための具体的なポイントとして、次の3点が重要といえます。
- 方法1. ICカードリーダーを活用する
- 方法2. モバイルSuicaを活用する
- 方法3. 経路駅名自動入力、定期区間自動控除をつかう
それぞれの項目について、順番に解説いたします。
方法1. ICカードリーダーを活用する
SuicaやPasmoといった交通系のICカードは、ICカードリーダで読み取ると、自動的に利用履歴をデータとして取り込むことができます。こうした機能を使えば、経路や金額の入力を手作業で行う必要がない分、ミスの発生を防ぎつつ業務効率を格段に高めることができます。
方法2. モバイルSuicaを活用する
従業員の交通費支払の手段として、モバイルSuicaの利用を導入することも交通費精算業務の効率化の重要なポイントです。モバイルSuicaは、スマートフォンをかざすだけで電車改札を通すことができるアプリで、支払いをするときに非常に便利です。
また、ICカードリーダを使わなくても経費精算ソフトとの同期作業を行うことができますので、交通費精算業務も非常に簡単になります。
方法3. 経路駅名自動入力、定期区間自動控除を使う
交通費精算業務が煩雑になる原因として、経路として用いた駅名や定期区間の控除計算が面倒であることが挙げられます。こうした面倒な入力作業についても、交通系ICカードと経費精算システムを同期することによって自動入力が可能となります。
たとえば、「TOKIUM経費精算」を使えば、一度訪問したことのある場所は自動で入力されますから、さらに効率的に交通費精算業務を進めることができるでしょう。こうした方法については、以下の記事で解説しています。
交通費精算システム・アプリを徹底比較!
無料で使えるお手軽なものから本格的な社内導入作業が必要なものまで、交通費精算システムにはさまざまなものがあります。以下では、おすすめの交通費精算システム・アプリを比較していますので、導入を検討される際にはぜひ参考にしてみてください。
モバイルSuica対応の交通費精算システム・アプリ4選
交通費資産システムの中には、IC乗車アプリの利用履歴との連携が可能なものがあります。電車移動による交通費の発生が大部分を占める場合、導入によって業務コスト削減に大きな威力を発揮することができるでしょう。
こちらの記事では、JR東日本のモバイルSuicaに対応している交通費精算ソフト4機種を紹介しています。
交通費精算の業務を効率化した企業事例2選
交通費精算の業務を改善することができれば、経理スタッフの労務コストを大幅に削減で斬る可能性があります。以下では、交通費精算業務の改善に成功した2つの企業事例を紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
経費申請書の修正や会計ソフト入力作業の簡素化に成功した事例(ピュアリアルエステート株式会社)
従来、「営業スタッフが社内のExcelシートに経費入力を行い、その資料をもとに経理スタッフが月に一度精算業務を行う」という形で交通費精算業務を処理していたピュアリアルエステート株式会社様(収益不動産のコンサルティング業:従業員40名)
営業スタッフの申請書記載漏れが多く、経理スタッフの業務負担が非常に大きいという不満があったところ、「TOKIUM経費精算」を導入することによって業務効率が大幅に改善されたといいます。
「TOKIUM経費精算」の会計ソフトとの連携機能により、会計知識のないスタッフでもミスなく交通費申請を行えるようになりました。紙の資料からの入力作業が必要なくなった分、経理スタッフ側の人的ミスも大幅に減少し、これまで2~3日かかっていた業務が数時間で処理できるように。
導入後のチャット・電話・メールによるサポート体制にも非常に満足というお声をいただいています。
スマホアプリがあるシステム導入によって社内の経費精算への意識が変わった(株式会社ファンコミュニケーションズ)
「TOKIUM経費精算」の導入前は、営業スタッフが手入力したExcel資料を紙印刷し、それを上長が確認した後に経理による会計ソフト入力作業を行っていた株式会社ファンコミュニケーション様(アドネットワーク事業をはじめとする広告業:企業規模512名)
「TOKIUM経費精算」では現場従業員がスマホアプリから経費精算を行うことができるため、社内での経費精算業務への意識が大きく変わりました。領収書保存に関するルールを簡素化したことによって、現場の上長も積極的にシステム導入に協力してくれたといいます。
経理部門としても電子帳簿保存法に対応したいというニーズがあり、ペーパーレス化を進めていくうえでのメリットを実感していただくことができました。
初期のシステム導入についてもTOKIUMのオペレータの協力のもと、スムーズに完了できたという感想が多くあがっています。TOKIUM経費精算に関する詳細をご覧になりたい方は、以下より資料をご覧ください。
▶︎ 機能や導入メリットがわかる!TOKIUM経費精算の資料をダウンロード
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よくある疑問1. 寄り道をした場合は最短ルートの金額のみを請求すべき?
「会社で義務付けられた研修会場に電車で行き、帰りに寄り道をしたので交通費が少し高くなってしまった」というような場合は、研修会場に行くまでに必要となる最低限の金額だけを精算すべきです。前述の通り、支出した交通費を会社の経費として精算できるのは、その支出が会社の業務と関連している場合のみです。
「わずかな金額だから…」と容認してしまいたくなる気持ちはわかりますが、慢性的にこうした交通費精算を行っていることが発覚してしまうと、会社の経理業務そのものに対する信頼性が揺らぎかねません。経理スタッフは心を鬼にして、こうした申請書提出に対しては修正を求めなくてはなりません。
よくある疑問2. SuicaなどICカードにチャージをした場合は?
上述の通り、交通費精算を行うためには、行先や経路の詳細を証拠として残さなくてはなりません。そのため、交通系ICカードにチャージを行った際には会計処理は行わず、後日に現場従業員から交通費の精算が行われた際に会計処理を行うのが正しいでしょう。
もし、従業員側からICカードチャージのための支出を早めに回収したいと申し出があった場合には、補填をしても問題ありませんが、その場合には仮払金勘定を用いて処理するのが適切です。
なお、ICカードの場合は利用履歴をデータとして会計ソフトに抽出することも可能ですから、こうした機能を交通費精算業務に取り入れることも検討してみてください。
よくある疑問3. 半分プライベートのような支出について交通費精算してもいい?
参加が義務付けられている初詣にいった場合の交通費のように、プライベートと仕事の境界があいまいな支出が発生することも少なくないでしょう。(会社による義務付けではなく、業務チームで自主的にいっているものであるようなケースでは、「会社に交通費精算しないように」と上長から指示されることもあるかもしれません)
参加が義務付けられた行事であればそれは通常業務とみなしても問題ありませんから、本来であればこうした支出も交通費精算すべきです。
しかし、会社の慣習としてこうした支出は交通費精算しない、という暗黙の了解がある場合にはあえてことを荒立てるのが適切かどうかは慎重に判断しなくてはなりません。
多くのケースでは、一従業員が単独で従来の処理方法と異なる処理方法を選択するのは難しいですから、権限のある上長を巻き込んで本来とるべき処理方法を問題提起していく必要があるでしょう。