経費精算

出張手当はいくらまで非課税?上限額と注意点を解説

更新日:2025.03.11

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出張手当の非課税処理は、経理担当者にとって重要な業務の一つですが、どのような条件を満たせば非課税となるのか、具体的な基準を把握しているでしょうか?「いくらまでなら非課税?」「出張旅費規程は必要?」といった疑問を持つ方も多いはずです。

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本記事では、出張手当や旅費を正しく非課税で処理するための具体的な条件や注意点をわかりやすく解説します。また、出張費精算を効率化する経費精算システムの活用法についてもご紹介します。

税務調査で指摘を受けることなく、自信を持って出張経費を処理できるようになるための知識を身につけ、業務負担を軽減する方法を探っていきましょう!

出張費精算「5大不正」の対応策

出張旅費・出張手当は非課税が基本

出張費の処理において、出張旅費や出張手当が非課税となるケースを正しく理解することは、経理担当者にとって重要です。適切な処理を行うことで、企業の経費精算を円滑に進められるだけでなく、税務上のリスクを回避できます。本章では、出張旅費と出張手当の違い、非課税となる理由、適切な処理方法について詳しく解説します。

出張旅費と出張手当の違い

出張経費には、主に「出張旅費」「出張手当」が含まれます。出張旅費とは、従業員が業務上の出張に伴い発生する経費を指し、具体的には交通費(新幹線や飛行機など)、宿泊費(ビジネスホテル代など)が該当します。一方、出張手当(日当)は、従業員が通常の勤務地を離れて遠方に出張する際に支払われる手当であり、食事代や移動時の諸費用など、出張に伴い増加する出費を補填する目的で支給されます。

出張手当(日当)の目的

出張手当には、従業員の負担軽減という大きな役割があります。従業員が出張する際には、通常の業務では発生しない細かな費用がかかることがあります。たとえば、出張先での食事代や移動に伴う小規模な経費などです。これらを企業が適切に補填することで、従業員の経済的な負担を軽減し、業務への集中を促すことができます。また、適切な出張手当を支給することで、従業員の不満を防ぐことも可能です。

日当・旅費交通費に含まれるもの

出張時に支給される日当は、一般的に「旅費交通費」として計上されます。旅費交通費とは、通常の勤務場所とは異なる場所へ出張する際に発生する経費を指し、出張手当(日当)も含まれます。具体的には、以下のような費用が旅費交通費に該当します。

         費 用 項 目          内 容
交通費新幹線、飛行機、バス、タクシーなどの移動費
宿泊費ビジネスホテル代などの宿泊費用
駐車場料金出張先での駐車場利用料
レンタカー費用出張先での車両利用費

出張手当は非課税

出張手当は、適正な金額で支給される限り、所得税や社会保険料の課税対象とはなりません。これは、出張手当が実費精算ではなく、出張による経済的負担を軽減するための補助として支給されるためです。ただし、非課税で認められるためには、自社の出張旅費規程に基づき、適切な範囲内で支給することが求められます。高額すぎる出張手当は給与とみなされる可能性があるため、適正な金額を設定することが重要です。

出張旅費規程とは?

出張旅費規程とは、出張における経費の範囲や精算方法を明文化した社内ルールのことを指します。この規程を作成することで、経費精算業務の効率化が図れるだけでなく、税務署の指摘を受けるリスクを回避できます。また、出張手当を適正な範囲で非課税とするための根拠にもなります。

出張旅費規程には、以下の内容を含めることが一般的です。

          項 目          内 容
出張手当の金額設定日当の上限額と支給基準を明確にする
交通費・宿泊費の支給基準どの範囲まで会社が負担するかを規定する
仮払い制度の有無と運用方法事前に支給する場合のルールを定める
精算の手続きと必要書類出張後の報告・申請の流れを整理する

出張旅費規程が適切に運用されていれば、企業の税務リスクを最小限に抑えつつ、従業員の負担軽減と業務効率化を実現することができます。

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出張手当を非課税で処理するための条件

出張手当を適切に非課税で処理するためには、一定の条件を満たす必要があります。経理担当者として、税務署からの指摘を受けずに正しく処理を行うためには、社内のルールを明確にし、法令に沿った運用をすることが不可欠です。本章では、出張手当を非課税とするために求められる具体的な条件について解説します。

出張旅費規程の作成が必要

出張手当を非課税とするためには、まず「出張旅費規程」を作成することが求められます。出張旅費規程とは、出張時の経費の範囲や精算方法など、出張手当に関する社内ルールを明文化したものです。明確なルールを定めることで、支給額の基準が適正であることを税務署に示しやすくなります。

たとえば、日当の金額を適正な範囲内で計算し、役職や出張の種類に応じて合理的な基準を設定することが重要です。税務調査の際には、旅費規程が適切に運用されているかが確認されるため、適正な管理が求められます。

出張旅費規程を策定する際には、以下のポイントに留意する必要があります。

        基 準 項 目          内 容
役員と従業員のバランス役員のみが過度に優遇されていないか確認する
業界基準との整合性同業他社の基準と大きく異ならないかチェックする
適正な金額設定税務調査時に問題視されない範囲の手当額であること

これらの基準をクリアすることで、出張手当が税務上適切に処理され、税務署からの指摘を受けるリスクを低減できます。

以下の記事では、出張旅費規程について詳しく解説していますので参考にしてください。

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適正金額の範囲内であること

出張手当を非課税で処理するためには、その金額が適正な範囲内であることが必要です。産労総合研究所の「2023年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果」によると、国内での日帰り出張の場合、部長クラスで2,666円、一般社員で2,094円が平均額とされています。また、宿泊を伴う出張では部長クラスで2,900円、一般社員で2,355円が支給されるケースが一般的です。

さらに、出張時の新幹線のグリーン車利用率についても、役員で36.3%、課長クラスで2.3%、一般社員で1.2%と報告されています。これらのデータを参考に、適正な手当額を設定し、過度に高額な手当を支給しないようにすることが重要です。

参考:産労総合研究所|2023年度 国内・海外出張旅費に関する調査結果

以下の記事では、日当の支給額の相場について詳しく解説していますので参考にしてください。

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消費税や法人税への対応方法

出張手当に関する消費税や法人税の処理も適切に行う必要があります。消費税に関しては、出張に通常必要と認められる金額は課税仕入れとして計上でき、帳簿に一定の事項を記載することで仕入税額控除を適用できます。

法人税についても、出張旅費や出張手当は全額損金として算入できるため、企業にとっての節税効果が期待できます。ただし、出張手当が実態に即していない場合、給与としてみなされる可能性があるため注意が必要です。適切な帳簿管理を行い、証憑書類の保存を徹底することが求められます。

以下の記事では、出張旅費特例の経理処理方法について詳しく解説していますので参考にしてください。

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出張手当のメリットとデメリット

出張手当は、企業と従業員の双方にとって重要な制度です。適正な出張手当を設定することで、経費精算の効率化や節税対策につながる一方で、適切な管理が求められます。本章では、出張手当のメリットとデメリットについて、会社側と従業員側の視点から解説します。

【会社側のメリット】経費精算の効率化、節税対策

企業にとって、出張手当を適切に運用することで、経費精算業務の負担を軽減し、節税対策につなげることが可能です。

旅費精算業務を効率化できる

出張手当を支給することで、細かな経費精算の手間が省けます。従業員が出張時にかかった食事代や移動に関する細かい経費を個別に精算するのではなく、一定額の手当を支給することで、経理部門の作業負担が軽減されます。これにより、精算の簡略化が図れ、業務の効率化が進みます。

節税対策になる

出張手当は、一定の条件を満たせば非課税となり、企業の法人税負担を軽減することができます。さらに、従業員への給与として扱われないため、社会保険料の負担も増えません。このように、出張手当を適切に設定することで、企業のコスト削減に寄与します。

【従業員側のメリット】負担軽減、手取りアップ

出張手当は、従業員にとっても大きなメリットがあります。特に、金銭的な負担を減らし、業務に集中できる環境を提供することができます。

出張の負担が軽減される

出張に伴う費用は、交通費や宿泊費以外にも、食事代や移動にかかる細かな出費が発生します。出張手当が支給されることで、これらの費用を自己負担する必要がなくなり、従業員の負担が軽減されます。

手取りが増える

出張手当は適切な金額内であれば非課税となるため、従業員の給与とは別に受け取ることが可能です。これにより、手取り収入が増え、経済的なメリットを享受できます。特に、出張が多い職種の従業員にとっては、出張手当がモチベーション向上につながる要因となります。

出張手当のデメリットと回避策

出張手当には多くのメリットがある一方で、企業側のコスト管理や経理業務の負担が増加する可能性もあります。適切な対策を講じることで、デメリットを最小限に抑えることができます。

コスト管理の難しさ

出張が多い企業では、出張手当の総額が増大し、コスト管理が難しくなる可能性があります。このような場合は、出張手当の上限額を設けたり、支給基準を厳格に定めたりすることで、コストの適正化を図ることができます。

経理部門の作業量が増える

出張手当の処理には、適切なルール設定と管理が必要です。特に、出張旅費規程を整備し、支給のルールを明確にすることで、経理部門の負担を軽減することができます。また、経費精算システムを導入することで、申請・承認プロセスを効率化し、業務負担を軽減できます。

出張旅費規程の整備が必要

出張手当を適正に支給するためには、出張旅費規程を作成し、運用することが不可欠です。旅費規程を作成することで、手当の支給基準を明確にし、不適切な支給を防ぐことができます。

経費精算システムの導入

手作業での精算処理はミスや負担の原因となるため、経費精算システムを活用することが有効です。システムを導入することで、経費の申請・承認・支払いまでのプロセスを一元管理でき、業務の正確性と効率性が向上します。

出張費精算「5大不正」の対応策

出張費精算には経費精算システムの活用が便利

出張費の精算業務は、経理担当者にとって負担が大きい業務の一つです。特に、領収書の管理や申請処理の煩雑さが課題となることが多く、適切なシステムを導入しないと作業の負担が増大してしまいます。そこで、経費精算システムの導入が推奨されます。本章では、経費精算システムの利便性や、具体的な活用事例について解説します。

TOKIUM経費精算の特徴と活用方法

経費精算システムの一つである「TOKIUM経費精算」は、出張費の申請・承認・精算業務を大幅に効率化するツールです。主な特徴として、以下の点が挙げられます。

スマートフォンで完結する経費精算

従業員は、出張先からスマートフォンを使って経費精算を行うことができます。これにより、帰社後の申請業務の手間が削減され、経費精算が迅速に処理されるようになります。

領収書のデジタル管理

紙の領収書を管理する手間を軽減するため、TOKIUM経費精算では、スマートフォンのカメラで領収書を撮影し、そのまま申請することが可能です。これにより、領収書の紛失リスクが減少し、経理部門での管理も簡素化されます。

直感的な操作画面

出張費精算の際に、複雑な操作を必要としない直感的なユーザーインターフェースが備わっており、従業員は簡単に申請手続きを完了できます。このため、システムの導入後すぐに実務に活用することが可能です。

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TOKIUM経費精算を活用した株式会社アミューズの成功事例

株式会社アミューズでは、出張費の精算業務に関する課題を解決するために、TOKIUM経費精算を導入しました。

同社では、アーティストの帯同を担当するマネージャーが多く、出張が頻繁に発生していました。しかし、会社に戻る頻度が少ないため、経費精算業務が大きな負担となっていました。また、一部の社員は月に100枚以上の領収書を糊付けする必要があり、その作業が時間と労力を要していました。以前から経費精算システムの導入を検討していましたが、税務上の制約により領収書の原本回収が必須であり、適切なシステムを見つけることができずにいました。

導入後、申請者の負担が大幅に軽減され、出張先からスマートフォンを利用して経費精算を行うことが可能となりました。これにより、出社する必要がなくなり、移動時間や待ち時間を有効活用できるようになりました。

領収書の管理も簡素化され、従業員は社内ポストに投函するだけで申請が完了するようになりました。その結果、従来の糊付け作業から解放され、業務の負担が軽減されました。

また、経理部門にとっても、領収書の回収や突合、管理が不要となり、大幅な業務効率化が実現しました。これにより、経理担当者の負担が減り、より戦略的な業務に時間を割くことが可能となりました。

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まとめ

出張手当や旅費交通費の適正な非課税処理は、経理業務の効率化だけでなく、税務リスクの回避や社員の満足度向上にもつながる重要な要素です。本記事で解説した非課税の条件や適正な金額設定のポイントを押さえ、社内の出張旅費規程を整備することで、経費精算の負担を軽減し、適切な税務対応が可能になります。

また、精算フローの見直しや経費精算システムの導入を検討することで、さらなる業務効率化が図れます。出張手当の適正な運用は、企業全体の財務管理の安定性を高め、従業員が安心して業務に集中できる環境づくりにも寄与します。今一度、自社の経費処理ルールを見直し、適切な制度運用を目指しましょう。

出張費精算「5大不正」の対応策

Q&A 出張旅費規程に関するよくある質問

出張旅費規程は、企業の出張経費を適切に管理し、税務上のリスクを回避するために欠かせないルールです。しかし、出張旅費規程の作成や適用範囲について疑問を持つ経理担当者も多いでしょう。本章では、よくある質問に対して分かりやすく解説します。

Q1 出張旅費規程はどのように作成すればよいですか?

出張旅費規程を作成する際には、出張に関するルールを明確に定め、誰がどのような手順で経費を精算するのかを明示する必要があります。規程には以下の項目を含めることが一般的です。

         項 目          内 容
出張旅費規程の目的出張費の適正な管理と経費精算のルールを定める
適用範囲規程が適用される従業員や出張の種類を明記する
出張の定義出張とみなされる移動範囲や業務内容を記載する
勤務時間の取り扱い出張中の勤務時間の計算方法を決める
旅費の種類交通費、宿泊費、日当などの分類を明確にする
仮払いの有無出張前に仮払いを認めるかどうかを規定する
出張時のトラブル対応出張中の事故や遅延などへの対処方法を定める
提出書類申請に必要な書類の種類と提出期限を記載する
精算スケジュール経費精算の手順と期限を定める

これらのルールを整備し、従業員に周知することで、経費精算のトラブルを防ぐことができます。

Q2 誰が作成を担当するのでしょうか?

出張旅費規程は、企業の公式な規程となるため、作成には適切なプロセスを踏む必要があります。一般的には、経理部門や総務部門が中心となり、経営陣と協議しながら作成を進めます。作成の流れは以下のようになります。

  1. 経理部門や総務部門が、企業の出張経費の実態に即した規程を策定する
  2. 法人の場合、出張旅費規程は株主総会や取締役会で承認を受ける必要がある
  3. 一部の企業では、労働基準監督署へ届け出が必要となる場合がある
  4. 従業員向けに説明会を実施し、経費精算ルールを明確に伝える

このプロセスを適切に行うことで、規程が正しく運用されるようになります。

Q3 移動距離が何kmから出張になるのでしょうか?

出張とみなされる移動距離については、企業ごとに異なるため、出張旅費規程で明確に定義する必要があります。一般的な基準として、以下のような設定が考えられます。

         出張の種類        移動距離の目安
日帰り出張通常勤務地から片道50km以上100km以内の範囲
宿泊を伴う出張100km以上離れた場所での業務

このように、明確な基準を設けることで、従業員が出張と認識しやすくなり、経費精算のトラブルを防ぐことができます。

出張旅費規程の整備は、企業の経費管理において重要な役割を果たします。適切なルールを策定し、従業員に周知することで、スムーズな経費精算を実現できます。出張が多い企業ほど、規程を明確にすることが経理業務の効率化につながるため、今一度、自社の出張旅費規程を見直してみるとよいでしょう。

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