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英語の発注書作成ガイド!初心者でも安心のテンプレート付き

更新日:2025.01.01

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発注_書_英語

近年、海外企業との取引が増えたことでビジネスのグローバル化が進んでいます。その結果、英語を使った取引が増加し、発注書や請求書などの文書を英語で作成する機会も増加しているのではないでしょうか。

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この記事では、海外企業との取引が増加している、これから海外進出を検討している企業の担当者へ向け、英語で発注書を作成するポイントをお伝えします。

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英語の発注書「purchase order」

英語の発注書は、購入を意味する「Purchase」、注文を意味する「Order」で「Purchase Order」と呼ばれるのが一般的です。通常はそれぞれの頭文字を取ってPOやP/Oなどと略称で呼ばれます。

また、発注をかける書類自体であることを強調する意味で「Order Sheet」と表記されるケースも少なくありません。

その他、支払い条件や貿易取引の条件を記載する場合は、購買契約書(Purchase Agreement)と呼ぶ場合もあります。

発注書のやり取りをする流れは基本的に日本での企業間取引と変わりません。取引相手から送られてきた見積書を確認し、問題がなければ見積内容に応じて発注書を作成、送付します。

日本での発注書との違い

発注書をやり取りする流れについては、日本も海外も同じです。発注書が果たす役割も、取引相手に対し、自社が求める商品の購入数や購入方法を記す文書である点において何ら変わりはありません。

また、発注書の書き方についても、日本と海外で大きな違いはなく、取引内容によっては、日本で使用している発注書をそのまま英訳するだけで使うことも可能です。

ただ、海外企業との取引で、日本企業同士での取引と異なる点は、対象となる取引が貿易によるものという点にあります。そのため、国内間での商品の取引では発生しない、貿易条件や支払い方法、保険の負担などに関する記載が必要です。

基本的に海外から商品を輸入する場合、船便や航空便での輸送となります。その際、輸送費や保険、引き渡し時の条件などをどうするかについては、双方で誤解が生じないよう、細かく条件を確認しておかなければなりません。

発注書に契約上の条件などを含めて記載する場合は、必要に応じて発注書に項目を設けて記載するか、備考欄に記載することもあります。

なお、発注書の基本的な知識について詳しくは次の記事を参照して下さい。

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purchase order 作成時のポイント

発注書の作成や取引の流れは、日本企業同士でも海外企業とのやり取りでも基本は同じです。

ただ、貿易条件と支払方法の2点については、日本企業同士とのやり取りとは異なるため、注意しなくてはなりません。ここでは、purchase orderを作成する際のポイントについて、貿易条件と支払方法に焦点を当てて解説します。

貿易条件

貿易条件とは、商品を輸入する際の配送に関する取引条件を指します。ポイントは、配送指定地までの運賃負担(CPT)、配送指定地までの運賃と保険料負担(CIP)、そして関税を含む輸入通関までの費用とリスク負担(DDP)の3点です。

この3点について、どちらが負担するかを明確にすることで、取引によるトラブルを防止します。

貿易条件の内容は運送方法によっても異なります。ここでは、船舶による輸送における主な貿易条件について見てみましょう。

  • FAS(Free Alongside Ship)

「船側渡し」を意味し、売主は商品が指定された船積港に船を横付けするまでのリスクと責任を持ちます。

  • FOB(Free on Board)

「本船渡し」を意味し、売主が船積港で商品を船上に置く時点までリスクと責任を持ちます。

  • CFR(Cost and Freight)

「運賃込み」を意味し、運賃は売主が目的地の港まで負担するものの、リスクについては、商品が船上に置かれた時点で発注者側に移ります。

  • CIF(Cost, Insurance, and Freight)

「運賃保険料込み」を意味し、基本はCFRと同じですが、売主は運賃だけではなく、保険料も負担します。

支払方法

支払方法もしくは支払条件は、売買契約書に記載された支払条件が適用されるのが基本です。海外企業との取引でよく採用される支払条件は次のようなものがあります。

  • 前払い(Advanced Payment)
  • 信用状(Letter of Credit,L/C)

銀行が取引先企業の依頼に応じ、その支払いを確約するために発行する補償状

  • 確認信用状(Confirmed L/C)

L/Cを発行する銀行の国際的信用度が低い場合に、欧米や日本の一流銀行にL/Cの確認を求め、L/C発行銀行の信用リスクを回避する方法

  • 支払渡し/支払時書類渡し(Documents against Payment,D/P)

信用状のない荷為替手形で、買主が銀行に代金を支払うことを条件に、船積書類が銀行から買主に引き渡され、貨物を受け取る方法

  • 引受渡し/ 引受時書類渡し(Documents against Acceptance,D/A)

信用状のない荷為替手形で、買主が銀行に対して期限付き荷為替手形の支払いを引き受けることを条件に、船積書類が銀行から買主に引き渡され、貨物を受け取る方法

  • オープンアカウント(Open Account)

小切手や銀行送金、電子送金で支払う方法。債権回収リスクが高いため、主に格付けの高い国で格付けが高いバイヤーに対してのみ適用する支払条件

  • net 30days、NET 30

請求書の日付から30日以内に支払うという条件

purchase order のテンプレート

実際にPurchase Orderのテンプレートを見つつ、記載する箇所を英語の名称ごとにそれぞれの日本語訳を紹介します。

  • 発注書発行日:DATE
  • 発注書発行番号:Oreder No.
  • 自社情報:Bill To:Cliant Name
  • 発注明細:No(番号)Item(商品名)QTY(数量)Unite Price(USD)(単価:米ドル)Total(USD)(小計:米ドル)Subtotal(発注商品全体の小計)Taxes(消費税)Shipping(運賃)Total(合計金額)
  • 取引先情報:Name of Company
  • 納入希望日:Expected Ship Date
  • 貿易条件:Shipping Terms
  • 支払条件:Payment Terms
  • 運送方法:Shipping Method(航空便:By Air/Airmail、船便:By Shipなど)
  • 特記事項:Special Instruction
  • 署名:Approved by
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送付メールの書き方は?

海外企業と発注書のやり取りを行う際には、国内企業同士とのやり取り同様、メールを使用するのが一般的です。ここでは、送付するメールのフォーマットを解説します。

簡潔に記載したい場合

簡潔に発注書を添付したメールであることを告げる際の英文例と訳文は次の通りです。

英文例】

Title:Purchase Order(Order No.〇〇)

Dear Mr.(or Ms.) 〇〇,

Please find attached a purchase order (No. ◯◯).

We would be grateful if you could accept it.

Thank you very much for your cooperation.

Best regards,

〇〇

訳文

タイトル:発注書(発注書番号〇〇)

〇〇様

発注書(発注書番号〇〇)を送付いたしますのでご確認下さい。

受領して頂けますようお願いします。

どうぞよろしくお願いいたします。

〇〇(発送者の名前)

丁寧に記載したい場合

より丁寧に記載したい場合の英文例と訳文は次の通りです。

英文例】

Title:We will send you a purchase order.(no.〇〇)

Dear [Supplier’s Name],

Thank you for your continued support. Please find attached the order form (No. 〇〇) for the order of [product/service].

We kindly ask you to acknowledge receipt of this purchase order and confirm its contents as soon as possible. If you have any questions or require further information, please do not hesitate to contact us directly.

We thank you for your attention and cooperation. We look forward to receiving your confirmation and continuing our good business relationship.

Kind regards,

[Your Name]

[Your Position]

[Your Company]

[Contact Information]

訳文

件名:発注書を送付いたします(発注書番号〇〇)

「発注先の担当者名」様

いつもありがとうございます。[商品/サービス]の注文について、注文書(No.〇〇)を添付いたしますのでご確認下さい。

恐れ入りますが、本注文書を受領したことをご確認頂き、お返事を頂けますようお願いいたします。

なお、不明点やご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせ下さい。

引き続き良好なビジネス関係を継続できることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

敬具

発注担当者名

役職

会社名

連絡先

メール本文に発注の内容を記載したい場合

発注書を添付せず、メールの本文に発注内容を記載する場合の書き方は次の通りです。

英文例】

Title:We would like to order your products as follows(PO No.〇〇)

Item No.〇〇

Item:〇〇

QTY:〇

Unit Price:$〇〇

訳文

件名:御社の商品を下記の通りご注文させて頂きます(発注番号:〇〇)

商品番号:〇〇

商品名:〇〇

発注個数:〇〇

単価:〇〇ドル

これに貿易条件や支払条件があれば、追加で記載します。

送付メール作成時の注意点

英文で送付メールを作成する際は、次の点に注意が必要です。

  • 相手に伝わりやすくするため簡潔に記載する

タイトルを見ただけで内容が分かるように発注番号を記載する、本文は発注書を添付していること、確認後連絡がほしいことを明確に伝えるようにします。

  • 相手の名前を間違えない

スペルミスや性別(Mr or Ms)を間違えないようにします。

  • 貿易条件や支払条件などはメール本文にも記載する

発注書の内容で誤解が生じる可能性が高いものはメール本文にも記載しておきましょう。特に貿易条件や支払条件の他、双方のリスク負担についても明確にしておくことが重要です。

  • 結びの文言を入れる

日本語のメールであれば、最後に「よろしくお願いいたします。」と記載しますが、英文でも「Best regards」や「Kind regards」などの定型文をいれましょう。

英語での発注書作成は、貿易条件や支払条件を明確に記載することがポイント

英語での発注書は基本的には日本語の発注書とほとんど変わりません。ただし、貿易条件や支払条件については、日本企業同士の発注書とは異なるため、トラブルを避けるためにも双方で確認の上、明確に記載することがポイントです。

海外企業との取引を行っている、もしくはこれから始めるといった企業担当者は、ぜひ参考にして下さい。最後までご覧頂きありがとうございました。

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