電子帳簿保存法

文書管理は保存期間を守ろう!法対応から業務効率化まで徹底解説

更新日:2024.11.19

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保存期間

企業経営には膨大な書類が発生するため、業務を円滑に進めるには、書類の適切な保管・管理が欠かせません。ただし、書類の種類によっては法律で保存期間が定められているものもあります。そのため、正しく理解していないと、いざという時に必要な書類がないといったことにもなりかねません。

本記事では、書類の保存期間に関する法律を解説した上で、効果的な文書管理の方法をお伝えします。特に文書管理が求められる人事や総務、経理部門担当者は法規制に適合した文書管理が効果的にできるよう、ぜひ参考にしてください。

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書類の保存期間の基礎知識

企業が扱う書類には、「法律で保存期間が定められている書類」と「それ以外の書類」の大きく2つに分かれます。さらに保存期間が定められている書類の中でも、種類により保存期間は異なるため、どの書類をどれだけの期間、保存しておけるかの理解が欠かせません。

ここでは、保存期間が定められている書類とはどういった書類なのか、そして保存期間は定められていないものの、保存すべき書類とはどういった書類かについて解説します。

保存期間が定められている書類

保存期間が定められている書類とは、会社法や法人税法などの法律により「法定保存文書」と呼ばれるものです。法定保存文書の種類やそれぞれの保存期間について詳しくは後述するとして、ここでは法定保存文書を定められた保存期間内に廃棄した場合のリスクについて解説します。

  • 取引先から問い合わせがあった際、明確な回答ができなくなる

取引先との契約について問い合わせがあった際、契約書を保存期間内に廃棄していれば、明確な回答ができず、場合によっては契約破棄につながる可能性もあります。

  • 訴訟になった際、裁判所からの文書提出命令に応じられなくなる

例えば、従業員から未払い残業代の請求で訴訟を起こされた場合、当該従業員の出勤簿を破棄していれば、労働時間の確認ができないとして不利になる可能性が高まります。

  • 税務調査が行われた際、控除除外、追徴課税などのリスクが高まる

税務調査が行われた際、現金出納帳や会計監査報告書などを破棄していると、不正ではないかと疑われ、場合によっては追徴課税をされるリスクもあります。

保存期間が定められていないが、保存するべき書類

法律で保存期間が定められていない書類は、会社が自由に保存期間を決められます。ただし、法定保存文書ではなくとも、すぐに廃棄すると次のようなデメリットが生じるため注意が必要です。

  • 業務を円滑に進められなくなる

例えば、社内で利用している業務システムのマニュアルを廃棄すると、新たな社員が入ってくる度に既存社員の指導が必要になります。また、会議の議事録も廃棄すれば、参加できなかった人が会議の内容を把握できません。これらにより業務に無駄が生じ、円滑に進めることも難しくなってしまうでしょう。

  • トラブル・訴訟時に立証することができなくなる

特に出張申請書や旅費精算書などお金に関する文書は、万が一、トラブルが発生した際に正確性を立証する上でも欠かせない文書です。従業員や取引先などとのトラブルを避けるためにも、お金に関する文書の保存期間は十分に検討しなくてはなりません。

  • 会社の歴史が分からなくなる

過去のプレスリリースは、法定保存文書ではないものの、破棄してしまえば、会社の詳細な歴史が分からなくなる可能性があります。将来的に社史の編纂などを予定している場合は、適切に保管・管理しておく必要があるでしょう。

以下の記事では、法律で保管期間が明確に定められていない稟議書の適切な保管方法について詳しく解説しているので参考にしてください。

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保存期間別の文書管理

ひと口に法定保存文書といってもその種類は多く、それぞれの保存期間もさまざまです。そこで、ここでは、2024年7月9日時点での法定保存文書の起算日を基にした保存期間を一覧で紹介します。

永久保管が必要な文書(起算日はなし)

11-40年の長期保存が必要な文書

6-10年の長期保存が必要な文書

※なお、貸借対照表、損益計算書、総勘定元帳の保存期間は会社法432条第2項で10年間、法人税法施行規則第59条では7年間と定められています。そのため、通常は10年間保存しておくのが一般的です。

5年の保存が必要な文書

1-4年の保存が必要な文書

  • 4年保存が必要な文書
  • 3年保存が必要な文書
  • 2年保存が必要な文書
  • 1年保存が必要な文書

書類を適切に保管・管理する方法

書類を適切に保管・管理するには、自社独自の保存基準を設定し、設定に沿った書類の分類、保存の手順で進めるのが効果的です。ここでは、適切な管理に欠かせない文書の電子化について解説します。

紙媒体と電子化

書類の保存形態は「紙媒体」と「電子データ」の2つに分けられます。以前であれば紙媒体での保存が一般的でしたが、現在では電子帳簿保存法の施行により、電子データでの保存が認められるようになりました。

電子データで受領した書類はもちろん、紙で受領した書類についても、一定の要件を満たせばスキャナーで読み込んだ電子データを保存することが可能です。ただし、企業規模によっては日に数十、数百枚の紙をスキャンする場合もあります。担当者の負担増大を防ぐには、信頼できる外部企業に委託するのがおすすめです。

電子帳簿保存法対応システムの導入をご検討されている場合は、以下の記事が参考になります。

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書類の保管にはセキュリティに強いクラウドストレージがおすすめ

電子データの保存方法は、「記録メディア」もしくは「文書管理システム」の大きく2つに分けられます。ここではそれぞれの保存方法を比較してみましょう。

記録メディアは比較的低コストでの導入・運用が可能です。ただし、耐久性の低さや平均寿命の短さといったデメリットがあり、特に長期保存が必要な企業のデータ保存には向いていません。

これに対し、文書管理システムも、オンプレミスは平均寿命が短い上、導入・運用コストの高さから全ての企業におすすめできるものではありません。しかし、クラウドストレージであれば、導入・運用コストが低く、平均寿命を考える必要がないため、長期保存が必須な企業の文書管理に最適です。

書類の電子化のメリット

紙の書類を電子化することで得られる主なメリットは、「業務効率化」「コスト削減」「セキュリティ強化」の3点です。ここではそれぞれのメリットについて解説します。

業務効率化

紙媒体の場合は種類ごとにファイリングし、書庫や倉庫などに保管する必要がありますが、電子化すればその手間がかかりません。

紙の書類を電子化すれば、探している書類をすぐに見つけられる高い検索性、場所を指定するだけでいつでもどこからでも書類内容を閲覧できる高い共有性が実現します。

また、紛失リスクの低さもあり、業務の大幅な効率化が可能です。そして、オフィスにいなくても書類の共有ができることから、リモートワークの推進にも大きく貢献します。

コスト削減

書類を電子化することで、コスト削減にも高い効果が発揮されます。具体的には、書類を保管する場所や書棚の購入にかかるコスト、本社と支店間で書類のやり取りをする際に必要な印刷・発送コストなどが削減可能です。

また、取引先へ請求書を郵送する際の印刷、封入、切手貼り、郵送などさまざまな作業工程もなくなるため、人的コストの削減も実現します。

セキュリティの強化

電子データは閲覧権限を細かく設定できるため、個人情報や機密情報が入った書類のセキュリティ強化も可能です。

また、システム上で誰がどのような操作を行ったかの追跡もできるため、情報の改ざんや削除などの防止にもつながります。

紙の書類のように外部に持ち出して紛失してしまう、盗まれてしまうといったリスクも低く、高いセキュリティで書類の保存や管理ができるようになるでしょう。

書類の保存期間を管理する際の注意点

保存期間が定められた書類を適切に管理するには「保存期間を過ぎた書類の廃棄」ルールの徹底とセキュリティ対策の強化が欠かせません。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。

保存期間を過ぎた書類の廃棄方法

紙の書類を電子化していく過程で、保存期間を過ぎた紙の書類はもちろん、電子化した書類の廃棄も適切に行わなくてはなりません。紙の書類を廃棄するには、シュレッダーで処理するか、もしくは溶解処理のどちらかの方法を行うのが一般的です。

  • シュレッダーを使って廃棄する方法

廃棄する量が少ない場合は、シュレッダーを使うのが容易かつ低コストです。ただし、量が多い場合はかなりの時間と手間を要します。また、シュレッダーの種類によっては裁断の目が粗く機密書類の廃棄には向かない場合もあるので注意が必要です。

  • 溶解処理で廃棄する方法

溶解処理とは、水と機械の撹拌力で繊維がバラバラになるまでほぐす方法です。通常、専門の業者に依頼して行うため、シュレッダーに比べ高コストになります。しかし、時間と手間を省けるため、大量に廃棄する書類がある際は溶解処理の方が効率的でしょう。また、元の状態に戻すことはほぼ不可能なため、機密書類の廃棄にもおすすめです。

セキュリティ対策

電子データは紙の書類に比べ、高いセキュリティを実現するのが大きなメリットとなります。ただし、電子データを保存するのはインターネット上にあるクラウドストレージのため、適切に管理をしないと情報漏えいのリスクもゼロではありません。

そこで、電子データでの保存・管理を行う場合、次のようなセキュリティ機能がついたサービスをおすすめします。

  • アクセス制御・権限設定

電子データを保存するフォルダや電子データ自体にアクセス制御や閲覧権限の設定ができる機能です。この機能があれば、管理者が指定したものしか機密書類の閲覧ができなくなり、セキュリティが守れます。

  • ウイルススキャン

インターネット上では、サイバー攻撃対策も欠かせません。そのため、常にウイルススキャンを行い、システムがウイルスに感染していないかの確認が必要です。

  • 暗号化

インターネット上でデータのやり取りを行う際に第三者に閲覧されてしまうリスクがあります。これを防ぐのが暗号化です。当事者のみが情報を理解できるようにすることで、悪意を持った第三者に情報を窃取されるリスクが低減します。

  • データのバックアップ

データのバックアップもセキュリティ対策として欠かせない機能です。定期的にデータをバックアップする設定にしておくことで、トラブルやサイバー攻撃による破損、消失からデータを守ります。

おすすめの文書管理システムとサービス

セキュリティ強化を実現しつつ、効率的な文書管理を実現するのにおすすめの文書管理システムが「TOKIUM電子帳簿保存」です。

TOKIUMは、ISMS認証やPマークを取得しているため、万全の体制でお客様の重要なデータを守ります。また、電子帳簿保存法対応はもちろん、オンラインで一元管理が可能なため、経理担当者にかかる負担の大幅な軽減も可能です。

詳しくは、「TOKIUM電子帳簿保存」をご覧ください。

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書類の電子化を進め、効率的な保存を実現させよう

企業がビジネスをする上で扱う書類には、保存期間が法律で定められている「法定保存文書」とそれ以外の大きく2つに分けられます。

ただし、保存期間が決まっていない書類でもビジネスを円滑に進めるには一定期間保存が必要なものも多く、どちらの文書も適切な管理が欠かせません。そこでおすすめなのが書類の電子化です。

電子帳簿保存法に対応できるのはもちろん、いつでもどこからでも書類の作成や管理も可能なため、多様な働き方も実現します。「TOKIUM電子帳簿保存」であれば、安心のセキュリティ体制で重要なデータを守りつつ、書類管理の効率化に大きく貢献します。

書類の適切な保存や管理にお悩みの際はぜひ、お気軽にご相談ください。

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