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領収書はPDFでも有効?作成方法や書き方、電子保存の注意点を解説

更新日:2024.10.23

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近年、帳票や伝票のPDF(電子)化が進み、経費精算の手間は大幅に軽減しました。しかし、企業間取引において帳票や伝票をPDF化しても問題はないのでしょうか。中でも領収書はやり取りする機会が多いため、PDF化が可能であれば経理部門の業務は大幅に効率化されるでしょう。

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この記事では、企業間取引における領収書のPDF化についてお伝えします。領収書をPDFで発行することは問題がないのか、PDF化するメリットや方法、注意点などを解説するので、経理担当者はぜひ参考にして下さい。

領収書とは?

領収書とは、金銭を受け取った事実を示す証憑です。証憑とは取引を行った事実を証明するための書類であり、領収書は金銭のやり取りが確かにあったことを証明する書類といえます。

領収書に記載する主な項目は次の通りです。

  • 発行日
  • 金額
  • 但し書き
  • 宛名
  • 発行者情報

また、5万円以上の金銭のやり取りがあった場合は、収入印紙を添付しなければなりません。領収書の内容が売り上げ代金の場合、金額により収入印紙の税額も変わります。売り上げ代金以外は5万円を超えた場合、200円の収入印紙の添付が必要です。

また領収書は、金銭のやり取りを証明する重要な書類です。発行日や金額、宛名に加え、5万円以上の取引には収入印紙が必要など、正確な管理が求められます。下記のマニュアルでは、経理担当者の方々に向けて、効率的で正しい保管方法をわかりやすくご紹介します。

ぜひご覧ください。

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領収書はPDFで発行しても良いか?

企業間取引において、PDFでの領収書は発行者と受領者の間で同意があれば問題なく発行できます。

ただし、あくまでも両者の同意があれば発行が可能ということであり、初めての取引で相手の同意なくPDFで領収書を発行するとトラブルに発展する恐れがあります。

そのため特に初めての取引相手には、事前にPDFでの領収書発行の可否を確認しましょう。

PDF化した領収書も法律的に有効?

領収書に記載する項目は、法律で明確に定められているわけではありません。形式も取り決めはなく、企業によって自由に設定できます。基本的には「いつ・誰と誰が・何を・何円で・やりとりしたか」が分かれば、PDFであっても法的な問題はありません。

注意点は、文字が見づらいと領収書として認められないケースがある点です。PDFの解像度が低く、誰が見ても内容が分かる状態でないと領収書の役割を果たせません。特に紙の領収書をPDF化する際には、解像度に十分注意する必要があります。

PDFの領収書に印鑑は必要?

基本的に領収書は紙・PDF共に押印がなくても有効です。従来、紙の領収書では発行者を記載する位置に印鑑を押印していました。

しかしこれは単なる商習慣であり、法律で義務付けられたものではありません。そもそも領収書は金銭のやり取りがあったことを証明する証憑です。必要な項目を記載していれば、印鑑の有無は問われません。

ただし、企業によっては社内規定で押印が必要な場合もあります。また、取引相手が印鑑のない領収書を認めないケースもあるでしょう。その際、PDFの領収書には電子印鑑を利用するのが一般的です。

領収書への印鑑押印については、以下の記事で紹介しています。

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領収書の原本保存について

PDFの領収書原本の保存期間は紙の領収書と同様、7年です。

ただし、PDFの領収書を保存する場合、電子帳簿保存法で定められている「真実性の確保」「可視性の確保」の2つの要件を満たしていなければなりません。また、電子帳簿保存法に準拠したシステムを利用していれば、領収書発行者は紙で保存する必要はありません。

領収書の保管ポイントについては、以下の記事で紹介しています。

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また領収書の保管期間や最適な保管方法が知りたい方は、下記からぜひご覧ください。

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領収書をPDF形式で作成・送信するメリット

紙の領収書に比べ、PDFで領収書を作成・送信する場合、さまざまなメリットが考えられます。その中でも主なメリットとして挙げられるのは次の5点です。

  • コスト削減
  • 保存・管理がしやすい
  • 領収書に関連する業務効率化
  • セキュリティの向上
  • メールやシステムですぐに取引先に届けられる

それぞれの内容を見てみましょう。

コスト削減

紙の領収書の場合、用紙代やインク代など印刷にかかるコストのほか、郵送のための封筒代、切手代、収入印紙代(PDF化した領収書は印紙税の非課税対象)などのコストが発生します。さらに保管場所の賃料や保管するためのファイル・書棚代など、それぞれは高額とはいえないものの、積み重なれば相当なコストになるでしょう。

しかし、PDFの領収書であればかかるのはインターネット接続費用程度で、上述したようなコストは一切不要です。そのため大幅にコストを削減できます。

また、PDFの領収書にすることで削減されるコストは、金銭的なものだけではありません。必要な領収書を探すための手間や管理業務の効率化など、人的コストの削減も可能です。

保存・管理がしやすい

PDFの領収書は紙の領収書と比べ物理的な保存場所を必要としません。また、基本的に紙のように破れたり汚れたりする心配もないため、保存期間である7年間、劣化することなく保存・管理できます。

また、PDFであれば日付や取引先、品目、金額などをデータとして管理できるため、領収書を探す際も検索機能を使って瞬時に見つけられます。管理システムによっては、グループ管理機能により、部署や取引先ごとに管理できるのもPDF化のメリットです。

さらにPDFの領収書はクラウド上で保存できるため、自社内に全ての書類を保存する必要もありません。万が一、地震や火災の被害に遭ったとしてもクラウド上に保存していれば、消失する心配がなく、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の面でも紙に比べメリットが大きいといえます。

領収書に関連する業務効率化

領収書をPDF化すれば、領収書に関連する業務が大幅に削減されるため、効率化が進むのもメリットの1つです。

例えば紙の領収書を取引相手に送る場合、作成して封筒に入れ、切手を貼りポストに投函するといった作業が発生します。一方、PDFであれば作成した後はメールに添付して送信するだけです。

さまざまな作業がなくなりスムーズにやりとりできるため、領収書のPDF化は経理担当者の業務効率化に大きく貢献します。

セキュリティの向上

PDFの領収書は改ざんが難しい上、パスワードを設定すれば第三者に閲覧されるリスクが低減するため、セキュリティの向上につながる点もメリットです。

紙の領収書は比較的改ざんしやすく閲覧の制限もできないため、誰にでも見られてしまうリスクがあります。また、物理的な紛失・破損も懸念といえるでしょう。

ExcelやWordもパスワード設定は可能なものの、記載内容の改ざんは容易にできてしまうため、PDFに比べるとセキュリティは低くなります。PDF化して保存、送信することでセキュリティが向上すれば、取引先の信頼も高まるでしょう。

メールやシステムですぐに取引先に届けられる

PDFの領収書であれば、作成後メールに添付もしくはクラウドの保存場所を記載するだけで共有できるため、わずか数分で相手に届けられます。一方、紙の領収書は郵送してから取引先に届くまで少なくとも1日かかります。

さらに紙の場合、領収書の内容に間違いがあれば取引先に届いてから連絡を受け、改めて修正して封入、切手を貼って郵送といった作業を繰り返さなければなりません。そして郵送に再度1日以上かかります。

しかしPDFであれば、間違いがあっても連絡があればすぐに修正でき、メールで送信すればいいので当日には処理が完了します。これもPDFならではの魅力といえるでしょう。

ただし、PDFで領収書を発行する際には、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。要件の確認を希望される方は、下記のリンクから詳細をご覧ください。

【関連する無料ガイドブック】
▶ 電子取引の電子保存制度対応チェックリスト18項
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電子帳簿保存法対応チェックリスト

領収書をPDF形式で作成する方法

領収書をPDFで作成する場合、以下のいずれかの方法を選びます。

  • ExcelやWordなどで作成した領収書をPDF形式で出力
  • 紙の領収書をスキャンしてPDF化
  • 電子帳票発行システムを使用する

それぞれの詳細を解説します。

ExcelやWordなどで作成した領収書をPDF形式で出力

領収書のPDF化として最も一般的なのが、ExcelやWordで領収書を作成してPDF形式で出力する方法です。具体的な手順は以下の通りです。

  1. ExcelやWordで領収書を作成する
  2. 画面左上にある「ファイル」から「エクスポート」を選択して、「PDF/XPSドキュメントの作成」をクリック
  3. PDFファイルの名称を決め、任意の保存場所を指定したら右下にある「発行」をクリック
  4. 選択した保存場所に作成したPDFファイルが保存されます

なお、ExcelやWordからPDFを出力した場合、ExcelやWordの画面上の見た目とPDF化された領収書の見た目が異なる場合があります。そのため、取引相手に送付する前に必ずPDFを確認し、見た目が異なっている場合は修正してから送付しましょう。

紙の領収書をスキャンしてPDF化

スキャナーを使えば、既に紙で印刷した領収書をPDF化できます。過去に発行した領収書も全てPDFで管理したい場合は、スキャナーの活用により効率的にPDF化を進められます。

また、スキャナーがない場合は、スマートフォンやデジタルカメラで紙の領収書を撮影し、画像データとして取り込みPDFに変換しても構いません。

ただし、撮影する際には解像度が低いと領収書として認められない場合もあるため、文字が読み取れるよう高い画質で撮影しましょう。

電子帳票発行システムを使用する

領収書や請求書などの帳票・伝票を作成する、専用のシステムを使用する方法です。ExcelやWordでも同様の作業は可能なものの、出力した際に表がずれてしまうことがあります。しかし専用システムであればそうした心配はなく、スムーズにPDF化できます。

また、PDF以外にもさまざまな形式で出力できる点や、多くのテンプレートがあり自由にデザインを選択できる点などもシステムを活用するメリットです。

領収書をPDF形式で発行する際に気を付けること

PDF形式での書類作成は気軽にできる点がメリットですが、領収書は重要な書類であるため発行時には十分な注意が必要です。主な注意点には以下が挙げられます。

  • 電子帳簿保存法の要件を満たす必要あり
  • 二重発行に気をつける
  • セキュリティ面に注意する
  • 電子押印・電子署名を検討する

それぞれの詳細を見てみましょう。

電子帳簿保存法の要件を満たす必要あり

領収書は「国税関係帳簿書類」に当たります。PDF化した領収書の場合、保存時は電子帳簿保存法の要件を満たさなくてはなりません。

紙の領収書をスキャンして保存する場合や、PDFを含め電子上で受け取った場合などそれぞれ要件が異なるため、詳しくは下記ページを参考にして下さい。

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二重発行に気をつける

PDF形式の領収書は再発行も容易に行えます。これはメリットの1つではあるものの、二重発行となるリスクもあるため注意が必要です。領収書は経理処理を行う上でも重要な証憑であるため、形式によらず慎重に扱う必要があります。

また紙の領収書をPDF化した場合、保存義務があるのはPDF化した領収書のみで紙の領収書は破棄しても構いません。破棄せずにそのままにしておくと、同じ領収書が2枚あることになって経理処理が煩雑になりやすいため、破棄することをおすすめします。

セキュリティ面に注意する

PDFは紙に比べセキュリティ面の強化が可能です。しかし、パスワード設定や閲覧制限をつけなければ紙の書類と変わりません。特に取引相手にメールで領収書を送信する際は、サイバー攻撃により悪意を持った第三者に閲覧されるリスクもあるため、十分な注意が必要です。

PDF形式の領収書は再発行の容易さなどから、不正利用されるリスクも少なくありません。セキュリティ面には細心の注意を払って扱うようにしましょう。

電子押印・電子署名を検討する

領収書には印鑑は必須ではないものの、日本の商習慣では印鑑の押印が一般的です。印鑑の有無で取引先とトラブルになっては、余計な手間が増えてかえって非効率化となります。PDF化した領収書にも押印できる電子印鑑や、電子署名の導入も検討しましょう。

領収書の電子化ならTOKIUM電子帳簿保存

領収書をはじめ、さまざまな帳票や伝票の電子化は業務の効率化に役立ちます。ExcelやWordを使った電子化も紙に比べれば効率的ではあるものの、法改正に都度対応したり、出力の調整をしたりといった手間は担当者にとって大きな負担です。

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経理業務の効率化を実現させるには領収書のPDF化が必須

領収書発行業務は経理担当者にとって大きな負担の1つです。それぞれの作業自体は単純なものが多いものの、ミスは許されないため精神的な負担も大きいでしょう。そのため、ミスを低減しつつ業務を効率化させる施策が必須です。

領収書のPDF化はその1つであり、領収書発行や郵送業務の多くを削減できるため、入力やチェック作業により多くの時間を割けるようになり、ミスの低減につながります。

さらに効率化を進めるのであれば、専用システムの導入がおすすめです。TOKIUM電子帳簿保存であれば電子帳簿保存法に完全対応しており、安心かつ簡単に領収書を作成できます。経理業務の効率化、領収書の電子化を検討している場合は、ぜひ気軽にご相談下さい。

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