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領収書郵送完全ガイド!送付状の書き方から封筒の選び方まで解説

更新日:2024.09.30

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領収書_郵送

領収書は経費を精算する際に欠かせない書類です。通常、自社の経理担当者に対面で渡しますが、遠方の取引先や本社など手渡しが困難なケースもあるでしょう。その場合、適切に郵送する方法や、送付状をはじめとするマナーを知っておく必要があります。

→ダウンロード:経理担当のための「領収書保管マニュアル」

この記事では領収書の郵送方法や送付状の書き方、封筒の選び方、注意事項などを解説します。実務における領収書の送り方を知りたい場合は、ぜひ参考にしてください。

領収書は郵送してよいのか

領収書は郵送が可能です。現金であれば郵送方法は現金書留のみと定められていますが、領収書については郵送方法に法律上の規定はありません。

現金を為替証書に換えれば郵便為替でも送ることができますが、そもそも領収書は現金ではなく支払いを受け取った証明書であるため、普通郵便でも送れます。

領収書の郵送方法

前述したように領収書は普通郵便で送ることができますが、領収書は重要書類であるため普通郵便で送るのはマナー違反と受け取られる場合があります。そのため、領収書は次に挙げる3つの方法で送るのが一般的です。

簡易書留

簡易郵便とは、郵送を依頼した日時や取引先が受け取った日時が記録される郵送方法です。対面での手渡しが基本な上、受け取りにはサインや印鑑が必要なため、他の人の手に渡ってしまうリスクは軽減されます。また、郵便追跡サービスにより、配達状況の確認も可能です。

料金基本料金(84円~)+ 350円
受取方法対面手渡し(受取はサインや印鑑が必要)
配達可能日平日・土日・休日
補償上限5万円までの実損額
※普通郵便の料金は執筆時点(2024年8月)のものです。2024年10月から定形郵便物は110円〜になります。

レターパック

レターパックとは、A4サイズまでの書類を送れる郵送方法です。対面での手渡しとなるレターパックプラスとポストに投函するレターパックライトがあり、セキュリティ面ではレターパックプラスをおすすめします。どちらも簡易書留と同様に、郵便追跡サービスの利用が可能です。

料金レターパックプラス:520円(4kg以内)
レターパックライト:370円(4kg、厚さ3cm以内)
受取方法レターパックプラス:対面手渡し
レターパックライト:ポストへの投函
配達可能日平日・土日・休日
補償なし
※普通郵便の料金は執筆時点(2024年8月)のものです。2024年10月からレターパックプラスは600円、レターパックライトは430円になります。

特定記録

特定記録とは、郵便局が郵送を引き受けたことを記録する郵送方法です。また、インターネットで郵便追跡サービスを利用できます。受領証を受け取れるため、送ったかどうかによるトラブルを防止できます。ただし、対面手渡しではなくポスト投函となるため、紛失のリスクは避けられません。

料金基本料金(84円~)+ 160円
受取方法ポスト投函
配達可能日平日
補償なし
※普通郵便の料金は執筆時点(2024年8月)のものです。2024年10月から定形郵便物の基本料金は110円、特定記録料金は210円になります。
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領収書郵送の際の送付状

領収書を郵送する際には、送付状も同封するのが一般的です。この章では、送付状の概要と書き方、項目、文例について解説します。

送付状とは

送付状とは、請求書や契約書などを送付する際に同封する書面です。領収書も請求書や契約書と同様に重要な書類であるため、取引先に郵送する場合は送付状を同封するのがマナーとされています。

送付状の書き方、項目

一般的な送付状に記載する項目、書き方は次の通りです。

・宛名

会社名と担当者の部署、氏名を記載します。会社名は短縮したり(株)や(有)などと略したりすることなく、正式名称を記載するのが基本です。また、担当者を記載する際は部署名も忘れずに記載しましょう。社員数の多い企業では同姓の人がいる可能性があるため、間違いなく届けるために部署名、氏名まで記載してください。

・日付

領収書を郵送する日付を記載します。領収書に記載する日付ではないため注意が必要です。

・簡単なあいさつ、感謝の言葉

季節に合わせた簡単なあいさつと、感謝の言葉を記載します。

・送付する書類の名称、数量

受け取った人が内容に間違いがないか確認できるよう「領収書 1通」といった形で書類の名称と数量を記載しましょう。

・差出人情報

会社名(住所)や部署名、氏名など自身の情報を記載します。正式な郵送物であることを示すため、会社印もしくは担当者印も忘れずに押印しましょう。

送付状の文例

送付状を作成する際は以下を参考にしてください。

令和〇年〇日

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇〇〇様

領収書送付のご案内

8月を迎え厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。色々とご懇情をたまわり、深謝申し上げます。

早速ではございますが、〇月〇日にご購入頂きました商品「◇◇」の代金をお振込み頂きまして誠にありがとうございました。

つきましては、領収書を送付させて頂きますので、ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。

内容:領収書 1通

以上

株式会社△△
〒〇〇〇ー〇〇〇〇
東京都〇〇区〇〇町〇ー〇ー〇
TEL:03-0000-0000
担当 △△△△

領収書郵送の際の封筒や記載事項

領収書を郵送する際には、封筒に記載する事項にも注意が必要です。また、封筒に入れる際のマナーもあわせて解説します。

封筒に記載すべき事項

領収書を郵送する際、封筒に記載すべき事項は次の通りです。

・住所

封筒の表面に郵送先の住所を記載します。差出人の住所は表面ではなく裏面に記載するようにしてください。郵送先の相手が自身と同じ都道府県内だとしても、都道府県名は省略せずに記載します。

ビル名や階数、部屋番号も省略せずに記載するのがマナーです。住所と階数、部屋番号のみの記載でも相手に届きますが、ビル名まで記載しましょう。

・会社名、個人名

送付状と同様、封筒にも必ず正式な会社名と部署、氏名まで記載します。前株・後株の表記も間違えないようにしましょう。当然(株)や(有)などと省略してはいけません。

封筒が縦書きの場合は住所から左1行空けて1文字分下げ、横書きであれば下1行空けて左1文字分下げて記載します。

役職名や個人名は間違いのないよう、名刺を見て記載しましょう。ただし、古い名刺では役職名が変わっている場合があります。名前に関して漢字の間違いは失礼に当たるため、気を付けて記載してください。

・敬称

敬称は、個人宛てではなく部署宛てであれば部署名の後に「御中」と記載します。個人宛ての場合は、個人名の後に「様」とするのが基本です。

「御中」と「様」は1つの宛名に並ぶことはありません。上述のようにどこに宛てたかによって、使い分けるようにしてください。

・領収書在中の印(手書き)

封筒の表面に何が入っているのか一目で分かるよう「領収書在中」と記載します。もし判子があれば、判子でも構いません。

ただし、目立たせることは必要なものの、赤字にしてしまうと「速達」や「書留」と見間違ってしまう場合があるため、青字や太字などを用いて区別するようにしましょう。

・差出人裏面

前述のように差出人の住所と個人名は封筒の裏面に記載します。記載項目は住所や会社名、部署名、個人名です。差出人は役職があったとしても記載しません。

全て記載して封筒を閉じる際は、閉じた部分に「〆」を記載するか「封」のスタンプなどを押印し、封じ目をつけましょう。これにより、届ける相手に誰にも見られていない状態であることを示せます。

領収書自体の書き方に不安のある方は、以下の記事をご覧ください。

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封筒に入れる際のマナー

領収書と送付状を封筒に入れる方法にもマナーがあります。具体的には以下の通りです。

・送り状は3つ折りにする

送り状は、開いた時に書類の上側が見えるような形で3つ折りにします。4つ折りにしてしまうと全て開かないと内容が分かりません。3つ折りであれば1つ開くだけで内容が書かれた部分が見えるため、相手の手間を減らせます。

・茶封筒ではなく白封筒(長形3号)に入れる

封筒は茶封筒ではなく白封筒にするのがビジネスの基本マナーです。大きさはA4サイズを3つ折りにした際にちょうど良い大きさになる長形3号を使用します。角形2号であればA4サイズを折らずに入れられますが、送付状は折っても構わない書類であるため長形3号で問題ありません。

領収書郵送の際の注意点

領収書を郵送する際には、控えの保管や切手の値段の確認は当然ながら、郵送後の連絡など相手への配慮も欠かせません。この章では主な注意点について解説します。

控えの保管

領収書の控えを保管する期間は個人と法人で異なります。法人の場合は原則7年間(法人税法施行規則第67条の2)です。ただし、赤字決算で欠損金の繰越控除を利用する場合は10年間(法人税法施行規則第26条の3)保管しなくてはなりません。

参考:e-GOV法令検索|『法人税法施行規則』

部署、担当者名まで記載

会社によって異なりますが、郵便物はまず総務や窓口担当に届いてから各部署に振り分けられます。担当者にスムーズに届けるには、苗字だけにせず必ず部署名と担当者の氏名まで記載しましょう。

切手の値段

切手の料金を間違えてしまうと、受取人が不足分を支払うケースがあります。通常、領収書と送付状だけであれば25g以内で84円ですが、25gを超えてしまうと94円になるため必ず送る前に計量してください(2024年8月執筆時点)。

簡易書留や特定記録などは基本料金に追加料金が発生するため、あわせて注意が必要です。さらに2024年10月からは郵便料金が変わるため、心配な場合は郵便局へ持ち込むことをおすすめします。

クリスタルパック(OPP袋)に梱包

雨に濡れてしまうのを防ぐには、領収書と送付状をクリスタルパック(OPP袋)に梱包して郵送するのが良いでしょう。万が一、封筒が濡れてしまっても中の領収書と送付状は濡れずに相手に届けられます。

郵送後にメール連絡

簡易書留やレターパックなど、差出人側は郵便追跡サービスで相手に届いたかどうか確認が可能です。しかし受取人側は郵送されたことが分からないため、トラブル防止や相手への気遣いとして、郵送した後は連絡しておくことをおすすめします。

領収書などを郵送した際の経費精算のやり方

領収書を郵送した際にかかる郵送代を仕訳する場合、勘定科目は通信費か荷造運賃のいずれかになります。法律上どちらにするべきか定めるルールはありませんが、勘定科目が変わると管理が煩雑になるため、どちらかに統一しましょう。

ここでは、郵便局へ持ち込んだ場合とポストに投函した場合、それぞれの仕訳方法を解説します。

郵便局に持ち込んだ場合

郵便局へ持ち込み現金支払いをする場合、次のような仕訳となります。

借方貸方適用
通信費434円現金434円郵便局で〇社へ領収書を送付

なお、領収書と同時に購入された商品を送る場合は、勘定科目を荷造運賃とした方が良いでしょう。

ポスト投函した場合

ポストに投函した場合の仕訳は次の通りです。事前に郵便局でレターパックのみを購入し、その時点では郵送していない場合も同じように仕訳します。ただし、後者の場合ポストに投函した時には仕訳を行いません。

借方貸方適用
通信費370円現金370円〇社へ領収書をレターパックライトで送付

領収書の電子発行

電子帳簿保存法の改正により、領収書は電子データとして発行することが認められるようになりました。領収書を電子データとして発行すれば、郵送にかかる手間のほかに、紙代や印刷代・封筒代・収入印紙代・郵便代などのコストも削減できます。

領収書の電子化については下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

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領収書の郵送にかかる手間やコスト削減には電子化がおすすめ

領収書を取引先や本社へ送る場合、郵便で送ることが可能です。ただし、領収書は重要書類であるため、セキュリティに十分配慮して郵送するようにしてください。また、送付状を同封することや封筒の選択方法、記載事項などいくつかマナーもあるため、しっかりと把握して郵送しましょう。

ただし紙媒体での郵送は紛失や盗難のリスクや、コストがかかることなどさまざまな課題があります。リスクを抑え、業務効率化を図るなら電子化を進めましょう。この機会に領収書の電子化を検討してはいかがでしょうか。

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