経費精算

経費立替がきついのはなぜ?違法になるケースと今すぐできる解消方法を解説

更新日:2026.08.28

この記事は約 7 分で読めます。

経費立替とは、企業が支払うべき経費を一時的に従業員が立替え、あとから精算を行う処理のことを指しています。しかし経費立替は、従業員や経理担当者から、しばしば「きつい」と言われることも…。

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そこでこの記事では、経費立替がつらくなる原因と、立替をなくすメリット・その具体的な方法を解説していきます。

経費立替とは

経費立替とは、企業が支払わなければいけない経費を従業員が立替え、代わりに支払うことを指します。その後、立て替えた金額は会社から従業員へ払い戻されるため、最終的に自腹にはなりません。

しかし、全て経費精算を行う必要があるため、経費立替を行う度に経理担当者には負担がかかります。また、立替えを行う従業員にも、レシートの保管や立替経費精算書(経費精算のための請求書のようなもの)などを提出する負担が発生するため注意が必要です。従業員がレシートをなくしてしまったり、経費精算書を催促しても出してくれなかったりした場合、いつまでたっても経費精算が終わらない事態に陥ります。

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経費精算業務効率化チェックリスト

立替精算と仮払い精算の違い

経費立替の方法には、立替精算と仮払い精算の2つがあります。

立替精算とは、従業員が立替えた経費を後から精算する方法です。一度従業員が全額を立替える必要がありますが、経理担当者とのやり取りは一度で完結します。小口の立替えや頻繁に発生する経費の立替えに適している方法です。ただし、金額が大きい場合、従業員に負担がかかるため、事前に「〇万円までは立替精算で、それ以降は仮払い精算」とルールを定めておきましょう。

一方、仮払い精算とは、事前に必要だと考えられる金額を従業員に渡しておき、後から差額を精算する方法です。事前にお金を渡すので従業員の金銭的な負担は減らせます。ただし、経理担当者とのやり取りが二度発生するため、手間がかかるのが難点です。

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経費立替が「きつい」と言われる理由

経費立替は「きつい」と言われます。なぜそのように言われるのか、従業員側、経理担当者側それぞれの視点から解説します

立替える従業員の「きつさ」

経費立替のきつさは、立て替えたお金が戻るまでの負担だけではありません。TOKIUMが全国の営業職1,100名に実施した調査では、経費精算の申請のためだけに出社した経験がある人が23.6%にのぼりました。そのうち64.8%は、会社が定めた休日にもかかわらず出社しています。精算業務が理由で出張の予定を入れられなかったと答えた人も、経費精算出社の経験者では46.2%に達しました。立て替えた本人が、精算のために時間まで使っている状態です。 出典:株式会社TOKIUM「経費精算に関する調査」(2024年8月7日公表)(最終確認日:2026年8月28日)

まず、従業員は会社の代わりに支出を強いられるため、精算後に戻ってくるとはいえ負担になります。そもそも、立替えるために資金を用意しなくてはいけません。少額で一度限りならともかく、まとまった金額の立替や、少額でも回数が重なる立替では、従業員の家計への負担が大きくなります。

また、申請手続きで時間を取られたり、領収書や支払った金額を自分で管理しなくてはいけなかったりなど、ストレスのかかる側面もあります。さらに、経費と認められないと精算されない恐れがあるのも事実です。従業員は戻ってくると思って出費していたとしても、いざ申請して認められなければ、不満を抱いてもおかしくありません。

外回りの多い従業員だったり、定められたタイミングでしか精算されないという社内ルールがあったりした場合、なかなか経費精算を受けられないことも起こり得ます。こうした事情は、従業員の不満につながるため、負担を減らすための調整が必要です。

立替える経理担当者の「きつさ」

経理担当者も従業員と同様に負担を被ります。まず、社内に小銭含む現金を用意しておかなくてはいけません。定期的に金融機関に出向いて調達しておかないといけないため、その分の時間もかかります。

また、現金の残高について、現金出納帳と定期的な照合が必要です。現金出納帳の記入などの業務が増える上に、小口現金の残高が帳簿とずれたときには原因の調査も必要になります。加えて、従業員が本来は認められない出費を経費として申請してきた場合、コミュニケーションの手間が増えてしまうでしょう。

作業工数が増えるほどミスのリスクが高まり、業務効率も悪化します。経理担当者が複数人いる場合は他の業務を分担して負担を軽減することはできますが、いわゆる「一人経理」の場合、それも難しいでしょう。担当者が疲弊してしまい、他の業務も含めた経理業務全体の質の低下を招くため、早急に対策を講じる必要があります。

一人経理の課題と解決策に関する記事はこちら

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経費立替で起きうるミスやトラブル

経費立替はさまざまな行程を踏む業務であるため、ミスやトラブルも増えがちなのも事実です。この段落では従業員、経理担当者それぞれが起こしがちなミスやトラブルについて解説していきます。

従業員側のミス、トラブル

従業員によって起きがちなミスやトラブルの事例を紹介します。まず、領収書やレシートを受け取り忘れるのはありがちなミスです。受け取ったものの、添付漏れがあったり、紛失して添付できなかったりすることも考えられます。

領収書、レシートに問題がなくても、立替経費精算書に記載する金額と領収書の金額の不一致が起きることも珍しくありません。また、立替経費精算書の申請期限を過ぎてからの手続きも起きがちです。さらに、立替経費精算書を提出するにあたって、管理者の承認を取得していかなったこともトラブルの原因になります。管理者が外回り、出張などで不在がちである場合は特に注意が必要です。

空出張などの不正受給が発生する恐れもあります。空出張とは、実際には行っていない出張を報告し、旅費や日当を不正に受け取ろうとすることです。詐欺罪や有印私文書偽造罪・変造罪に相当する重大な法令違反なので、発生しないよう注意が必要です。

経費の不正利用の防止に関する記事はこちら

経理担当者側のミス、トラブル

経費立替では、経理担当者側のミス、トラブルも起き得ます。代表的なトラブルの一つが、精算時に渡す金額のミスです。例えば、4,000円を渡すはずが5,000円を渡していたなど、本来渡すべき金額より多く(少なく)渡してしまうのは珍しくありません。渡す金額を間違えてしまうと、帳簿と小口現金の金額の不一致が起きてしまうので、細心の注意が必要です。

また、立替経費の申請漏れやミスに気付かずに精算を進めてしまうことも考えられます。従業員および経理担当者が正確に進めようという意識を持つのは重要ですが、人間のやることである以上、100%防げるとは限りません。

他にも、帳簿の記載ミス、記帳漏れなども起こり得ます。これらは経費立替以外の業務でもあるものですが、経費立替はやり取りが複雑である以上、ミスが起きる可能性も高くなる点に留意しなくてはいけません。

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経費の立替は違法?ハラスメント?いくらまで許されるのかを解説

結論から言うと、経費の立替そのものを直接禁止する法律はありません。多くの会社で立替精算は通常の運用として行われています。ただし、条件によっては法律上・労務上の問題になり得るため、「どこからが問題か」の線引きを知っておくことが大切です。

立替が問題になり得るのはどんな場合か

問題になり得るのは、主に立替分が精算されない場合です。業務のためにかかった費用を、正当な理由なく従業員に負担させたままにすることは、労使トラブルの原因になります。また、労働基準法第24条は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定めています。法令に別段の定めがある場合や、労働者の過半数で組織する労働組合(ないときは労働者の過半数を代表する者)との書面による協定がある場合を除き、賃金の一部を控除することはできません。そのため、立替経費の扱いを理由に賃金から一方的に差し引くような運用は問題になり得ます。会社の経費規程や就業規則で精算のルールが定められているのであれば、会社はそのルールに沿って精算する必要があります。 出典:労働基準法(e-Gov法令検索)(最終確認日:2026年8月28日)

いくらまでなら許されるのか

立替金額に法律上の上限はありません。ただし、出張費や接待費など数万円〜数十万円規模の立替が常態化し、従業員の生活を圧迫している状態は、金額の多寡にかかわらず見直すべきサインです。負担が大きい場合は、仮払い制度の利用や法人カードでの決済など、立替そのものを減らす仕組みを会社に相談しましょう。

立替の強要はハラスメントにあたるのか

経費の立替を依頼すること自体が、直ちにハラスメントにあたるわけではありません。ただし、生活に支障が出るほどの高額な立替を拒めない状況で強いる、正当な理由なく精算を拒み続けるといった態様は問題になり得ます。その場合は、社内のハラスメント相談窓口や労働組合、労働基準監督署などへの相談対象になります。まずは経理部門や上長に負担の実情を伝え、仮払い・カード決済などの代替手段を相談するのが現実的な一歩です。

出張費の立替と法律の関係についてより詳しくは、以下の記事をご覧ください。

出張費の立替と違法性に関する記事はこちら

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立替精算を減らすメリット

立替精算業務自体が複雑で、ミスやトラブルが起きやすい性質を有している以上、できる限り減らすのが根本的な解決策につながります。立替精算業務を減らすメリットとして考えられるのは以下の3つです。

メリット 内容
経理担当者の負担と人件費を削減できる 立替精算がある限り、申請書と領収書の照合、従業員への支払い、小口現金の保管や管理は必ず発生します。支払いを口座振込にしている場合は、立替精算そのものを減らすことで振込業務の時間や手数料も減らせます。
不正のリスクを減らせる 立て替える場面が減れば、経費の水増し請求やカラ出張といった不正の余地も小さくなります。
従業員の経済的な負担をなくせる 従業員が一度立て替える必要がなくなるため、給料日前の生活費を圧迫することもなくなります。

3つとも、立て替える場面そのものを減らすことで初めて効いてくる効果です。まずは現金での立替が月にどれくらい発生しているか、部署ごとに洗い出すところから始めましょう。

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経費立替のきつさを解消する方法

ここまで確認してきたように、経費立替の件数や金額が多くなるにつれ、立替えを行う従業員、経理担当者共にかかる負担も増えていくのが事実です。ここでは経費立替が「きつい」と言われる原因を解消するための方法を紹介していきます。

キャッシュレス決済の利用

1つ目の方法は、キャッシュレス決済の利用です。キャッシュレス決済により、経費立替、小口現金の扱いをなくすことができ、「きつさ」の解消につながります。従業員にとっても、長期の出張など立替える経費が大きくなる場面でも自腹を切る必要がないので非常に便利です。特に、海外出張時の航空券を購入するなど、多額の出費が伴う場合は重宝します。

また法人カードやプリペイドカードなどのキャッシュレス決済には、誰がどこで使ったのかを明細で把握できる、カードごとに利用上限を設定できる、領収書が必ずしも必要なくなるといった管理面のメリットもあります。

さらに、利用明細を細かく確認できるので、万が一不正利用があった場合にもすぐに気付くことが可能です。加えて、経費精算システムに利用明細を取り込めば、自動的に仕訳ができるので、経理業務自体の効率化にもつながります。

なお、法人カードなどで立替をなくしても、カード明細の確認・領収書の整理・仕訳の入力といった精算まわりの作業は残ります。TOKIUM経費精算は、クレジットカード明細・電子マネー・ETCなどの外部サービスと自動連携できます。カード明細から経費申請までを手入力なしでつなげられるため、立替の解消と精算作業の削減を同時に進められます。 出典:TOKIUM経費精算 機能一覧(最終確認日:2026年8月28日)

立替精算の外注化

2つ目の方法は、立替精算の外注化です。立替精算の外注化によって経理担当者の業務負担を軽減することができます。わずらわしい業務が軽減できるため、他の業務にリソースを割くことができるようになるのが大きなメリットです。特に、経理担当者の人数が少ない企業の場合、立替精算業務がなくなれば、負担の大幅な軽減につながります。

ただし、その都度精算する運用のままでは外注に乗せにくいため、自社の業務の流れに合わせた調整が必要です。外注化したいなら、経費立替を含めた業務フロー自体の見直しが必要です。委託先のサービスの担当者とも相談し、どのように運用するのが望ましいかをすり合わせる必要があります。経理担当者の意見も聞きながら進めていきましょう。

経費精算システム・ツールの導入

3つ目の方法は、経費精算システム・ツールの導入です。業務の負担やミスを減らすには、手入力自体を減らすのが非常に効果的です。そこで、経費精算システム・ツールを導入すれば、手入力で行われていた経費の入力や計算を自動化することができます。

交通系IC・クレジットカード・会計システムと連携できる製品もあるため、自社の状況に応じて選びましょう。クラウド型のものを選べば、スマートフォンアプリからいつでも経費申請ができるため、出張や外回りが多い企業にも向いています。

TOKIUM経費精算もクラウド型の経費精算システムであり、申請および承認をスマートフォンアプリから行うことが可能です。サポート窓口は全従業員からの問い合わせに対応しているため、操作で困った場合にもすぐに相談できます。

TOKIUM経費精算資料ダウンロード TOKIUM経費精算資料ダウンロード

経費立替の「きつさ」をなくす場合の注意点

経費立替をなくして負担を減らすこと自体は有意義ですが、性急に進めるとトラブルのもとになります。経費立替をなくす時に限らず、新たなシステムややり方を社内に導入する際は、移行期間を設定した上で段階的な導入を心がけ、社内へのルール周知を徹底することが大切です。具体的な注意点を解説します。

ルール周知の徹底

まずは「ルール周知の徹底」を行いましょう。数ヶ月の移行期間の間に、導入前に定められたルールを社内に周知しなくてはいけません。特に、導入するシステムの概要と、これまでのフローの扱いとそこからの変更点の2点に着目して進めましょう。

また、導入前に起こりうるミスやトラブルを想定し、細かい社内ルールを定め、周知するのも重要です。経理担当者およびそれ以外の従業員から寄せられた疑問に対しては、システム・ツールの提供会社の担当者とも連帯し、丁寧に答えていくようにしましょう。

経費精算規程の作り方に関する記事はこちら

ツールやシステムの導入順序

次に「ツールやシステムの導入順序」を行います。ツールやシステムを導入する場合は、いきなり全社的に導入を始めるのではなく、担当者や部署単位から検討するのが望ましいでしょう。研修があったとしても、全ての従業員が業務フローの変化に対応できるとは限らないためです。

例えば、経費精算システム・ツールの場合は経理担当部署や出張・外回りが多く、立替経費が多い部署から優先的に取り組んでいくことが考えられます。具体的な方法は企業によっても異なるので、現場の声も聴きながら進めていきましょう。現場から「こういう点が使いにくい」「こうするとやりやすい」という声が出た場合は、できるだけ拾い上げて、業務フローに落とし込んでいくと効果的です。

経費精算業務効率化チェックリスト

経費立替のきつさをなくすならTOKIUM

この記事では、経費立替が「きつい」と言われる理由とその対処法について解説してきました。ここまで見てきたように、経費立替をなくすことには多くのメリットがあります。まず、経理担当者、立替を行う従業員双方の負担を減らすことが可能です。さらに、工数を簡略化できることで、時間とそれに対応する人件費を削減できます。従業員の水増し請求やカラ出張などの不正が起きるリスクを減らすことができるのもメリットの1つです。

何よりも、従業員から経費立替が「きつい」という声があがっている場合、経費精算システムを導入するなどの改善策を検討しましょう。TOKIUM経費精算は領収書をスマホで撮影して送信するだけで申請が完了するため、従業員の負担にもなりません。市販の会計ソフト、システムだけでなく、自社開発の会計システムとも連携しているため、経費立替を含めた経理業務の効率化に非常に役立ちます。

立替精算の「きつさ」を根本から減らすには、業務フローの見直しとあわせて、自動化のレベルやAI活用も検討する必要があります。どこからどこまで自動化できるか、自社に合った進め方を整理した記事もありますので、次のステップとして参照してみてください。

経費精算の自動化に関する記事はこちら

TOKIUM経費精算は、クレジットカード明細などの外部サービスとの自動連携に加えて、領収書はスマホで撮るだけでオペレーターが入力を代行します。立替そのものを減らしながら、残る精算作業もまとめて手放したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 出典:TOKIUM経費精算 公式サイト(最終確認日:2026年8月28日)

「失敗事例」にならないための経費精算システムの選び方

経費立替のきつさに関するよくある質問

最後に、経費立替について従業員の方から寄せられることの多い疑問に答えます。

立替払いの領収書をなくしてしまった場合、精算してもらえませんか?

会社の経費規程によりますが、多くの会社では出金伝票や支払証明書の提出、利用明細の添付などの代替手段が用意されています。まずは経理部門に確認しましょう。ただし、代替手段はあくまで例外的な扱いのため、繰り返すと認められなくなることもあります。レシートをその場でスマホ撮影して保存できる仕組みがあると、紛失自体を防げます。

個人のクレジットカードで立て替えてポイントを貯めるのは問題ありませんか?

法律上の明確な禁止はなく、会社の規程次第です。個人カードでの立替を認めている会社では、ポイントの扱いまでは定めていないことも多い一方、規程で個人カードの利用自体を制限している会社もあります。トラブルを避けるため、自社の経費規程を確認したうえで利用しましょう。

新入社員で貯金が少なく、立替がきついときはどう相談すればよいですか?

我慢して借入などに頼る前に、上長または経理部門に「立替額が生活費を圧迫している」事実を具体的な金額とともに伝えましょう。仮払い制度の利用、法人カードの貸与、精算サイクルの短縮など、会社側で取れる対応は複数あります。同じ悩みを持つ社員が他にもいる場合、制度の見直しにつながることもあります。

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