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ペーパーレス化が「非効率」「不便」になる要因とは?4つの改善策を解説!

更新日:2024.06.18

この記事は約 6 分で読めます。

近年、デジタル技術の進化により、多くの企業・組織が業務効率化や環境保護などの観点からペーパーレス化を推進しています。

しかし、準備不足なままペーパーレス化を進めると、非効率さや不便さを感じる場面が増えて逆効果になってしまいます。その結果として、「紙の方が良かった」「ペーパーレス化は意味がない」などの声が次第に強まり、ペーパーレス化が中途半端なまま停滞してしまうケースが後を絶ちません。

そこで本記事では、ペーパーレスを非効率に感じるポイントや、ペーパーレス化が不便になりうる原因について解説していきます。

効果的なペーパーレス化を実現するためのポイントについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!

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ペーパーレスを非効率・不便と感じる4つのポイント

自社でペーパーレス化を推進する中で、紙媒体での業務に慣れてしまった方から批判的な声が上がるのも無理はありません。従来の紙業務とペーパーレスでの業務では使用するツールやその使用方法・手順などが全く変わるからです。

ここでは、ペーパーレス化の非効率さや不便さを感じやすいポイント4つを紹介します。

1. 直接書き込めない

従来の紙媒体であれば、ペンを使って直接資料に書き込んだり、思い立った時にメモを取ることが容易でした。しかし、デジタル化された文書には基本的に直接書き込むことはできません。

書き込みに対応できるようにするためには、専用のツールやデバイスが必要となります。例えば、タブレットとタッチペンを用意することで最も手書き感覚に近い形で直接デジタル文書に書き込むことが可能になりますが、全社的に導入するとなればその費用は非常に高額になるでしょう。

手書き派の人にとっては、文書に直接書き込んだりメモを取ったりできないことに対して非常に不便さを感じるでしょう。

2. 思い通りに操作できない

ITに不慣れな人にとっては、デジタル文書は思い通りに操作できずストレスを感じやすいものかもしれません。例えば、他人への共有やフォルダの整理など、紙媒体であれば考えることなくできていた業務が、デジタル文書ではその操作方法や手順を思い出さなければなりません。さらに、ファイル形式や閲覧ソフトによって操作方法が異なる場合もあります。

ITツールに慣れるまでは、定着した紙媒体の業務の方が楽だと思いがちであるため、ペーパーレス化推進の初期ではこのような不満が社内から出てくることが考えられます。

3. 紙の書類をスキャンする手間が発生する

ペーパーレスへの移行のためには、既存の紙書類もデジタルデータに変換する必要があります。そのためには紙書類をスキャンしなければなりませんが、この作業には時間と手間がかかります。

また、紙媒体の書類とデジタル文書を併用しているケースもあるかと思いますが、このような場合も、デジタル文書の印刷や紙の書類のデータ化に手間がかかることはいうまでもありません。特に、規模が大きく大量の書類を扱う企業であれば、なおさら負担が大きくなります。

これらのケースでは、ペーパーレス化がかえって非効率になることは当然であるといえます。

4. 見えにくい

パソコンやタブレットなどのディスプレイでは、文書の見づらさや読みづらさを感じる人もいます。

紙を見るときとディスプレイを見るときとでは脳が情報処理をする方法が異なり、紙の方が集中して文書を読むことができると言われています。特に、文書の文字が細かかったり、レイアウトが複雑な場合、紙媒体よりも見づらく感じる可能性が高まります。また、ブルーライトの影響で、長時間文書を読むと目の疲労を感じやすくなったり、視力の低下につながる恐れもあります。

これらの理由から、ディスプレイの文字は「見づらい」と言われやすいようです。

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紙媒体の5つのデメリット

ここまで、ペーパーレス化を「非効率」「不便」と感じるポイントを紹介してきました。

しかしそのようなマイナスの側面のみに着目し、ペーパーレス化を推進しない結論に至ることはあまりに短絡的です。紙媒体の業務にも非効率な面や不便な面は多く存在し、その多くは文書のデジタル化によって効率化できるのです。

ここでは、紙媒体で業務を行うデメリットについても紹介していきます。

1. 検索機能がない

紙媒体の文書には、検索機能がありません。

デジタル文書は、文書管理ソフトに検索機能がある場合が多く、特定の情報が書かれた文書を探し出すことが容易です。それに対して紙媒体だと、文書に書かれた特定の情報を見つけるには、基本的に手作業で探す必要があります。

そのため、紙媒体では時間と労力の無駄が生じ、作業効率が低下するのです。

2. 修正や更新が簡単にできない

紙媒体の文書は、簡単に修正・更新することができない場合があります。

例えば紙文書での重要書類に誤字・脱字などを発見し、修正が必要になれば、二重線を引いて印鑑を押す作業が必要になります。

もし印鑑が手元になければすぐに修正ができず、非常に手間がかかります。

3. 物理的に離れた人に共有するのが難しい

紙媒体の文書では、離れた場所にいる人と共有するのが困難になります。

共有のためには郵送や手渡し・FAXなどの手段を用いる必要がありますが、これには時間とコストがかかり、かなり不便です。

4. 保管場所が必要になる

紙媒体の文書は、保管スペースを必要とします。

大量の書類を使用する企業であれば、文書保管のためだけの倉庫や部屋が必要になることもあるでしょう。

デジタル文書をメインにできればこれらのスペースは必要なくなるため、別の用途に活用できたり、管理コスト削減につなげたりすることができます。

5. 紛失リスクが高い

紙媒体の文書の存在は物理的なものであるため、紛失や破損、盗難などのリスクが高いです。これらのリスクにより、経費の申告漏れや外部への情報漏洩など、さらなるリスクに繋がります。

デジタル文書であれば、セキュリティ対策を万全にすることで紛失や盗難の可能性を下げることができます。

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非効率・不便なペーパーレス化に陥る4つの要因

ここまで、ペーパーレスを非効率に感じるポイントと、紙媒体での運用のデメリットをそれぞれ確認してきました。

両者を比較してみると、ペーパーレス化の場合、ペーパーレス化そのものに問題があるというよりも、ペーパーレス化を導入する準備段階に原因があることがほとんどです。その結果としてペーパーレス化をうまく推進できず、業務が効率化するどころか逆に非効率になってしまっているケースが多く存在します。

そこで、本章ではペーパーレス化が「非効率」「不便」になってしまう主な原因について紹介します。

1. ペーパーレス化の対象や目的が明確でない

「『どの業務を』『何のために』ペーパーレス化するのか」という点が明確に定義されていない場合、ペーパーレス化が非効率を招く可能性が高まります。

ペーパーレス化と一言で言っても、社内で行われているどの業務をペーパーレス化するかによって、方法や導入ツールは大きく異なります。例えば、経費精算などの経理業務のペーパーレス化であれば専用の会計ソフトなどを導入すべきですし、議事録などの文書のペーパーレス化であればデジタルのドキュメント作成ツールを導入すべきです。

また、ペーパーレス化を何のために行うのかという目的についても明確にしておかなければ、ペーパーレス化の優先順位が曖昧なまま、中途半端な導入に終わる可能性があります。

2. ペーパーレス化の対象や目的の共有が不十分である

上記のペーパーレス化の対象や目的が明確に定義されていたとしても、関係する従業員全員にそれらが十分に共有されていないと意味がありません。導入するツールやその使用方法・導入の目的について、業務に関わる従業員全員が事前に把握していないと、導入後に混乱を招くことになりかねません。

3. 社員のITリテラシーが不足している

ペーパーレス化においては、デジタルツールを最大限に活かすことが重要ですが、社員のITリテラシーが不足している場合、うまく活用できない可能性があります。

導入の主体となる部署のITリテラシーが低いと、導入するツールの効果的な使用方法について他の従業員にうまく共有できない可能性が高いです。デジタルツールに不慣れな従業員が多い場合、社内の導入担当者に質問や問い合わせが集中し、負荷が高まる可能性もあるでしょう。

4. データ管理ルールが統一されていない

ペーパーレス化を推進する中で、データ管理のルールが統一されていないと効率性は低下しやすくなります。例えば、文書に名前を付ける際のルールが統一されていないと、フォルダ内の整理整頓が難しくなる上、文書の検索もしづらくなります。他にも、例えば文書へのアクセス権付与ルールが統一されていないと、同じ部署内でも特定の文書にアクセスできる社員とできない社員が出てくるなど、認識の齟齬につながります。

このように、ペーパーレス化を推進する際にはデータ管理のルールを統一しておかなければ、かえって非効率になる可能性があります。

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非効率・不便なペーパーレス化を改善する4つのポイント

上述したような原因から、ペーパーレス化が「非効率」「不便」と感じられやすくなります。そこで本章では、「非効率」「不便」になる原因を解消し、効率的なペーパーレス化を実現するためのポイントを紹介します。

1. ペーパーレス化の目的を設定する

ペーパーレス化の目的を明確に設定することで、従業員が取り組むべき課題や目標を理解しやすくなり、優先順位も明確になります。

具体的なペーパーレス化の目的としては、以下のようなものが挙げられます。

  • コストを削減する
  • 業務を効率化する
  • 文書のセキュリティを向上させる
  • リモートワークなど、社員の柔軟な働き方を実現する

このように、まずは「何のためにペーパーレス化を導入するのか」を設定しましょう。目的を明確にすることで、優先的にペーパーレス化に取り組むべき業務を考えることができます。例えば、上記の「コストを削減する」という目的の場合、「最も紙を使用している業務」「ペーパーレス化により最も人員の削減が期待できる業務」などをピックアップし、まずはそこからペーパーレス化を導入していくことができます。

自社内でペーパーレス化の目的を明確にし、効果が高いものから導入を検討しましょう。

経理のテレワーク推進については、以下の記事で紹介していますのであわせてご覧ください。

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2. 社員の使いやすいツールを選定する

ペーパーレス化を推進する中で新たなシステムを導入する際は、社員が使いやすいと感じるものを選定しましょう。社員のITリテラシーに見合っていないツールを導入してしまうと、慣れるまでに想定以上に時間がかかったり、社員のストレスが大きくなったりして生産性が低下するリスクが生まれます。

社員の業務内容やITリテラシーなどに合わせ、適切なITツールを選ぶことが必要です。

3. 段階的にペーパーレス化を導入する

ペーパーレス化導入の際は、一斉ではなく段階的に導入することが効果的です。

従来の紙媒体での業務から新たなペーパーレス業務への移行は、社員にとって相当な負担になるでしょう。ペーパーレス化を段階的に導入することで、社員が新たなITツールや業務プロセスに慣れる余裕が生まれます。社内で混乱が生まれないよう、業務内容が変わる影響を最小限に抑えつつ段階的にペーパーレス化を行いましょう。

また、段階的にペーパーレス化を導入することで、データ管理のルールも統一しやすくなります。もしペーパーレス化を進めていく中でデータ管理ルールを変更する必要などが生じても、段階的に導入していればその手間は最小限に抑えられ、その後は最適なルールのもとでデータ管理を進めることができます。

4. 社員に周知・研修する

ペーパーレス化の導入に際しては、社員に対して適切な情報提供や研修を行いましょう。

まずは、前述したペーパーレス化導入の目的を従業員にしっかりと周知し、全員が「何のために」ペーパーレス化を行うのかを理解している状態を目指しましょう。また、社員が抱える疑問点や不安点もこのタイミングで解消しておくことが必要です。

さらに、従業員が新しいツールやシステムを適切に活用するためには、その使い方やメリットについて正確に理解している必要があります。定期的な研修やフォローアップを実施し、ペーパーレス化の成功に向けた取り組みをサポートすることが重要です。社員のITリテラシーが不足している場合は、社員向けに研修を実施することが有効です。社内での実施のみならず、IT関連の知識やノウハウに精通した外部機関に研修を依頼することもあわせて検討してみるといいでしょう。

ペーパーレス化の推進については、こちらの記事でもご紹介しています。

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まとめ

本記事では、ペーパーレス化が「非効率」「不便」と言われるポイントとその原因、そして改善のポイントについて解説してきました。ペーパーレス化は多くの企業や組織が推進していますが、作業が効率化される期待とは裏腹に、非効率さや不便さを感じる声もあり、紙媒体での運用から中々脱却しきれない企業も多いです。

しかしペーパーレス化が非効率になってしまう原因には、データ管理のルールの統一不足、目的の共有不足、社員のITリテラシー不足など、ペーパーレス化導入の準備段階に起因していることがほとんどです。

このような原因を改善するには、ペーパーレス化の目的を明確にし、社員の業務内容やITリテラシーに合ったツールを選定した上で、社員の負担を減らすために段階的にペーパーレス化を導入していく必要があります。その際には社員に目的を周知し、不安点を払拭できるよう研修を行っていくことが重要です。

こういった取り組みを通して、社員全員が納得する効率的なペーパーレス化を実現していきましょう。

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