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「ペーパーレス化ってよく聞くけど、具体的にどんなメリットがあるの?」「社内でペーパーレス化を推進したいけど、会議でどう説得すればいいの?」という悩みを抱える方が多いのではないでしょうか。
本記事では、ペーパーレス化の6つのメリットや推進のポイントについて詳しくご紹介します。また記事後半では、ペーパーレス化を実現した企業の成功事例についても解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
ペーパーレスとは
ペーパーレスとは、紙媒体で運用されていた文書・書類・資料をデータ化して活用・管理することを意味します。また広い意味では、紙の切符から交通系ICカード、紙の本から電子書籍といった変化もペーパーレス化と言えます。
近年、新型コロナウイルスの流行をきっかけにテレワークが推進され始め、数多くの企業がペーパーレス化の推進に取り組み始めました。
企業文書におけるペーパーレス化を支援するペーパーロジック株式会社が公表した調査によると、2021年には72.3%もの企業がペーパーレス化推進を実施しています。
参考文献: ペーパーロジック株式会社|ペーパーレス化に伴う2022年度予算調査
また企業の自主的な取り組みだけでなく、政府主導のもと国単位でペーパーレス化が推奨されています。
企業のペーパーレス化推進に関連して、政府は以下のような法整備
を実施しました。
- 改正電子帳簿保存法
- e-文書法
- 働き方改革
今後もペーパーレス化の流れはより一層加速していくものと予想されます。ペーパーレス化の流れに取り残されないためにも、メリットを理解しておくのが重要でしょう。
ペーパーレス化のメリット6つ
ペーパーレス化の必要性は社会に浸透し始めています。しかし、具体的にどんなメリットがあるのか説明できない方も多いのではないでしょうか。
企業はペーパーレス化によって、以下の6点のメリットを享受できます。
- 紙の用紙代や印刷代などのコスト削減
- 文書検索など業務効率化
- 重要書類の紛失・盗難リスクの削減
- オフィス賃料の抑制
- テレワークなど働き方の多様化
- SDGs貢献による企業イメージ向上
それぞれのメリットを詳しく解説します。
1.紙の用紙代や印刷代などのコスト削減
ペーパーレス化の最も大きなメリットは、コスト削減効果です。紙ベースで書類や資料をやり取りすることによって、実は多くの無駄なコストが発生しています。
ペーパーレス化の実現によって削減できるコストは以下の通りです。
- 用紙代
- インク、トナー代等、印刷に関する費用
- プリンターのリース代、メンテナンス費用
- 書類の郵送・運搬費用
- 倉庫や大型キャビネット等の保管スペース費用
- シュレッダー、廃棄業者等の廃棄処分の費用
デジタルへ移行することによって、上記のような紙での運用に必要なコストを削減できます。コスト削減の成果は数字で表れやすく、会議でも提案しやすいメリットと言えます。
2.文書検索などの業務効率化
業務効率化はペーパーレスにおける大きなメリットの一つです。紙ベースで管理している中で特定の書類を探し出す場合、保管された大量の書類の中から、時間をかけて必要な書類を探し出さなければなりません。
しかし、ペーパーレス化が実現されれば、書類はあらかじめデータ化して社内のネットワークやクラウド上に保存できます。そのため、キーワード検索や全文検索によって、即座に特定の書類を確認することができます。
また他にもペーパーレス化によって、以下のような業務が不要になります。
- 書類のファイリングやバインダー整理
- 必要な書類を手に取るまでの移動時間
- 記入漏れや誤字脱字による、書類の一から書き直し
- 回覧・承認のために書類を郵送する手間
- 書類を共有する手間
3.重要書類の紛失・盗難リスクの削減
ペーパーレス化には、文書のセキュリティ強化というメリットもあります。紙ベースで重要書類を保管する場合、鍵付きのキャビネットで保管するなど、物理的なセキュリティ対策しかできません。
しかし、重要書類がデータ化されている場合、アクセス権限や閲覧権限が容易に設定でき、ログ管理によって、いつ誰が閲覧・編集したのかを全て記録として残すことができます。そのため、盗難や文書の改ざんといったリスクを削減できます。またデータ化された書類は、災害による紛失や経年劣化の心配がなく、長期保管に適していると言えます。
4.オフィス賃料の抑制
負担が大きいオフィス賃料といったコストも、ペーパーレス化で抑制できます。紙ベースで大量の書類を管理している場合、大型キャビネットや倉庫を使って書類の保管スペースを確保しているケースもあります。
しかし、ペーパーレス化によって、書類をクラウドに保存することができるようになれば、物理的な書類の保管スペースが必要なくなります。そのため、オフィスの省スペース化が進み、場合によってはオフィスの賃料を抑制することも可能です。
5.テレワークなど働き方の多様化
テレワークなどの多様な働き方に対応しやすいのも大きなメリットです。紙ベースでの業務では、オフィスでの書類作成やハンコによる承認など、テレワークでは困難な業務プロセスが存在します。
しかし、文書が全てデータ化されている場合、クラウド上で書類を扱うことができ、承認などのやり取りもオンライン上で完結するため、時間や場所に縛られることなく業務遂行が可能です。テレワークが可能になれば、育児や介護など家庭の事情がある従業員でも業務時間を確保しやすくなります。また、居住地に関わらず幅広く人材を採用することにもつながるでしょう。
6.SDGs貢献による企業イメージ向上
近年、企業は利益を追求するだけでなく、「CSR(企業の社会的責任)」を果たすことも求められています。ペーパーレス化を推進することでSDGsへの取り組みをアピールでき、企業のイメージ向上にも繋げることができます。
オフィスの紙を削減することは、主に以下の4つのSDGsに貢献しています。
- 8 働きがいも経済成長も
- 12 つくる責任 つかう責任
- 13 気候変動に具体的な対策を
- 15 陸の豊かさも守ろう
ペーパーレス化に必要な準備3ステップ
続いて、ペーパーレス化を進めるために必要な準備を以下の3ステップでご紹介します。
- 目的の明確化
- 対象書類の選定
- ツール・システム選定
各ステップで重要なポイントを解説するので、参考にしてみてください。
1.目的の明確化
まず最初の準備として、ペーパーレスの目的の明確化が必要です。ペーパーレス化は全社を巻き込んだ業務改革になるので、目的を明確にした上で経営陣がリードしていくことが重要になります。
ペーパーレス化の目的の具体例を一部ご紹介します。
- 改正電子帳簿保存法などの法対応を行うため
- 紙ベースでの書類運用・管理による無駄なコスト削減のため
- 全社を巻き込んだ業務効率化を進めるため
- テレワーク可能な体制を築くため
- 利益に直結する業務に集中するため
上記の具体例や先述したペーパーレス化のメリットを参考に、自社に適した目的を明確化してみてください。
2.対象書類の選定
ペーパーレスの目的が明確に決まれば、次にペーパーレス化する対象の書類を選定します。書類の候補は様々ありますが、まずは外部との関わりがない社内書類から着手することを推奨します。
最初にペーパーレス化しやすい社内書類の具体例は以下の通りです。
- 会議資料
- 社内データ
- 見積書・請求書・納品書
- 社内決裁の電子化
- 契約書類
まず最初に着手する書類として、経理業務で扱う帳簿書類をおすすめします。2022年1月に施行された改正電子帳票保存法などをきっかけに、電子化へのハードルが下げられた帳簿書類、その中でも伝票は比較的デジタルに移行しやすい書類です。
3.ツール・システム選定
最後はツール・システムの選定です。分類を終え、ペーパーレス化する対象の書類が決まれば、ツールやシステムの選定を進めていきます。ツールやシステムを選定するときには、具体的にどのくらいのコストが削減でき、どのくらい業務効率が上がるのかに加えて、ITリテラシーが低い社員でも理解しやすいシステムかどうかも重視しましょう。
ここではペーパーレス化に必要な準備を3ステップでご紹介しました。ペーパーレス化を進める具体的な方法が知りたい方は、こちらの記事もぜひご確認ください。
ペーパーレス化でメリットを得るためのポイント
コスト削減や業務効率化など大きなメリットが見込まれるペーパーレス化。しかし、いざ社内で進めたものの、思ったように効果が得られないことがあります。そこで、ペーパーレス化でメリットを最大限得るために押さえておきたいポイントをご紹介します。
ペーパーレス化の必要性を社内へ浸透
ペーパーレス化のメリットを享受するために最も重要なのが、経営層や現場の従業員の理解です。周りの理解を得られないまま、ペーパーレス化を推進してしまうと従業員から反発が起き、紙ベースの運用管理に逆戻りしてしまう可能性もあります。
特に経営層に対しては、明確な目的やペーパーレス化の具体的なメリット、得られる効果を根気よく説明しましょう。ペーパーレス化の必要性を社内へ浸透させることで、スムーズに紙からデジタルへ移行することができます。
一部の紙媒体からペーパーレス化を推進
ペーパーレス化を完全に実現するためには、最終的に全社を巻き込んだ大きな変革が必要です。しかしまずは、一部の紙媒体からペーパーレス化を推進することで、メリットを得られやすくなります。
ペーパーレス化をスモールスタートで開始し、段階的にその範囲を広げていくことで、経営層や現場の従業員から反発が起きる可能性を低減させることができます。また部署やプロジェクト、業務といった単位でペーパーレス化を進めることも選択肢の一つです。
自社に合ったITツール・システムの導入
企業の規模や、社員のITリテラシーに見合ったシステムを導入することでメリットを最大限得ることができます。同じカテゴリのツールでも、詳細な機能や強みとする部分はツールによって異なるので、様々な候補から比較検討しながら、ITツールを選定しましょう。
ペーパーレス化を実現した企業の成功事例
ペーパーレス化実現によって、具体的にどんな効果が期待できるのか、実際の成功事例から説明することで経営陣や従業員を納得させることができます。
ここでは、主に経理分野でペーパーレス化を実現した企業事例を3つご紹介します。ペーパーレス化に対応した経費精算システム「TOKIUM経費精算」と、請求書受領サービス「TOKIUMインボイス」を導入した企業の事例です。経理分野のペーパーレス化・DX化に関心のある方はぜひ参考にしてみてください。
京急不動産株式会社の事例
京急不動産株式会社は無駄な時間を削減することを目的に、経費精算におけるペーパーレス化を推進しました。その結果、会社全体で月200時間以上の削減につながっています。
目的
経費精算業務の完全ペーパーレス化によって、経費精算にかかる無駄な時間を削減すること
TOKIUM経費精算 導入前の課題
- 交通費や請求書の電子化を行っていたが、電子帳簿保存法に対応していても、結局現場の仕事量が減らないことに疑念を感じていた
- ほとんどのクラウド経費精算システムは電子帳簿保存法に対応しているが、上記の理由でシステム導入を躊躇していた
- 経理が慢性的な残業体制となっており、何とか改善したかった
効果
- 導入前は3日程度かかっていた経理側の経費精算業務が、導入後は半日で済むようになった
- 余った時間を他の締め作業に充てることができ、経理の残業が減った
- 経費精算業務の完全ペーパーレス化を実現し、会社全体で月200時間以上の削減につながった
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株式会社スタイルズの事例
株式会社スタイルズは単純業務の自動化を実現することを目的に、経費精算・請求書管理におけるペーパーレス化を推進しました。その結果、経理のテレワーク頻度向上や原本保管スペースの節約を実現しています。
目的
密度の高い「経営管理」チームを作るため、単純業務の自動化を実現すること
TOKIUM導入前の課題
- 経理担当者が各現場を転々とし、帳簿作成や経費精算を行なっていた
- 感染症対策の観点で、出社頻度を減らす必要があった
- 少数精鋭で骨太な「経営管理チーム」を編成する必要があった
効果
- 単純作業が削減され、注力すべき業務に専念することができた
- ペーパーレス化によって、原本保管スペースの節約が実現できた
- 書類管理のための出社がなくなり、テレワーク頻度を増やすことができた
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キャディ株式会社の事例
キャディ株式会社は営業部全体がコア業務に集中できる環境を整えることを目的に、経費精算におけるペーパーレス化を推進しました。その結果、営業部の無駄な残業や休日出勤がなくなり、業務生産性が向上しています。
目的
経費精算業務の完全ペーパーレス化を実現し、営業部全体がコア業務に集中できる環境を整えること
TOKIUM経費精算 導入前の課題
- 領収書ペーパーレス未対応のクラウド経費精算システムを導入していたが、毎月多くの領収書が発生するため、締日までに営業からの申請が間に合わないことが常態化していた
- 毎月10枚以上の領収書が発生する営業メンバーは、領収書の申請処理を行うためだけに、深夜残業や休日出勤をせざるを得ない状況だった
- 申請内容の確認業務をアルバイトに依頼していたが、確認とファイリングに多くの時間がかかり、本来依頼したい他の業務を依頼できない状況だった
効果
- 毎月、締日までに営業からの申請が届くようになった
- 営業メンバーの無駄な残業や休日出勤がなくなり、コア業務に集中できる環境が整った結果、営業部全体の業務生産性が向上した
- アルバイトの業務時間が効率化でき、余った時間を別のコーポレート部門担当からの業務に割り当てることができた結果、コーポレート部門全体にもコア業務に集中できる環境が整った
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まとめ
ペーパーレス化のメリットや推進のポイント、実際の成功事例について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ペーパーレス化はコスト削減や業務効率化に繋がることに加えて、企業イメージの向上やテレワークにも対応できるといったメリットがあります。実際にペーパーレス化を推進した企業でも、業務効率化に繋がったという声がたくさん挙がっています。今回ご紹介した「TOKIUM経費精算」「TOKIUMインボイス」に加え、電子帳簿保存法に対応した文書管理システムについても知りたい方は「TOKIUM電子帳簿保存」の資料を下記リンクよりご覧ください。
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当記事がペーパーレス化の社内推進に役立てば嬉しいです。