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2022年11月18日、日本経済新聞が「小規模業者、インボイスなしでも税額控除 政府・与党」というニュースを報じました。本記事ではこの報道に関して、インボイス制度の背景をわかりやすく解説します。
→ダウンロード:マンガで分かる!インボイス制度開始後の「隠れ課題」とは?
日経新聞の報道内容とは
以下のリンクより、記事をご確認ください。
参考:日本経済新聞「小規模業者、インボイスなしでも税額控除 政府・与党」
インボイス制度、なぜ事務負担増加?
日経新聞の記事では、「中小零細企業の事務負担を軽く」することが猶予措置の背景として挙げられていました。インボイス制度の導入により、具体的にはどのような事務負担が起こるのでしょうか?
インボイス受領後の処理が煩雑に
インボイス制度により煩雑になると予想されるのは、請求書の処理業務です。すなわち、請求書を受け取ってから支払いを行い、請求書原本を保管するまでの工程が煩雑になります。
インボイス制度導入に際し、必要な処理工程を以下に4つ記載します。
- 取引先が登録事業者か、受領したインボイスが記載事項を満たしているかを確認する
- インボイスが必要な取引・不要な取引を整理する
- 電子請求書等の保存ができる状態を作っておく
- 帳簿への記載方法や仕入税額の計算方法を検討する
これらの項目については、以下の記事で詳しく解説しています。インボイス制度において対策すべきこと、効率化の方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
令和5年度税制改正大綱を要チェック
本件については、2022年12月上旬発表の令和5年度税制改正大綱において正式に政府より明らかにされると考えられます。
なお、2021年12月の令和4年度税制改正大綱では、2022年1月改正の電子帳簿保存法における電子取引データの電子保存義務化に2年間の猶予措置が発表されました。今年も経理業務に大きく影響を与える発表が予想されます。
税制改正大綱の注目ポイント
令和5年度税制改正大綱において開示が予想されるインボイス制度の猶予措置について、注目すべき点は以下の3つです。
- 猶予が認められる事業者の基準
- 猶予措置が適用される期間
- インボイス(適格請求書)なしで仕入税額控除できる取引額の上限
令和5年度税制改正大綱については、電子帳簿保存法の猶予措置についても発表があると予想されます。こちらも注意しておきましょう。興味のある方は以下の記事もご覧ください。
中堅〜大企業のインボイス制度対応は必須
詳細は令和5年度税制改正大綱を待つしかありませんが、基本的に猶予措置は小規模事業者の事務負担増加に配慮したものであると捉えるのが適切です。
ある程度売上高が大きい企業の経理担当者の方は、2023年10月までにインボイス制度の対策が必要であると考えるべきでしょう。
インボイス制度、免税事業者とどう付き合う?
猶予措置とは別の文脈ですが、開始まで1年を切ったインボイス制度に向け、免税事業者との取引をどうすべきか悩む企業も多いかと思います。
免税事業者との付き合い方については、以下の記事が参考になります。興味のある方はぜひご覧ください。
免税事業者に対し、課税転換を依頼する場合は下請法・独占禁止法に注意する必要があります。こちらも必ず押さえておきましょう。
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猶予措置は小規模事業者の益税を認めるものではない
インボイス制度開始により、免税事業者から行った仕入については、仕入税額控除が適用できなくなります。すなわち、今まで免税事業者の益税となっていた金額は、取引先が肩代わりして納税することとなります。このことから免税事業者との取引が敬遠されることが想定されます。これがインボイス制度に反対の声が上がる理由です。
ただし、今回の猶予措置の意図はあくまで小規模事業者の事務負担を軽減することであり、免税事業者の益税状態を継続的に許す(=課税転換しなくて済む)ことではないと捉えるのが自然です。
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