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【働き方改革】具体的な事例10選を徹底調査!

更新日:2024.08.05

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ワークフロー

近年安倍晋三首相の取り組みによって推進されている「働き方改革」。しかし実際に改善していこうとしても、「具体的にどんな風に取り組んだらいいのかわからない」とお悩みの方も多いのでは無いでしょうか。
「自分の業種は顧客対応が命、急な要望に答えてたら残業になるのはしょうがないよ」
「経験の浅い社員に任せられない仕事もある。ベテランに頑張ってもらうしかない」
このようなお悩みを抱えていませんか?

→ダウンロード:マンガで分かる!インボイス制度開始後の「隠れ課題」とは?

実は多くの企業が働き方改革を成功させています。以下がその一部です。
・UQコミュニケーションズ株式会社:大幅な残業時間の削減に成功
・株式会社かんぽ生命保険:自己学習システムの導入により業務効率性を向上
・株式会社シップス:深夜残業を38%削減
このように、既存の体制、慣習の改革に果敢にチャレンジした企業を具体的なデータを交えて紹介します。
また、働き方改革は業務の効率化だけでなく、様々な社内制度の構築によっても成果をあげることができることをご存知ですか?

本記事では、ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOやSansan株式会社、サイボウズなどのユニークな社内制度をご紹介します。

マンガで分かる!インボイス制度開始後の「隠れ課題」とは?

事例1.[UQコミュニケーションズ株式会社] 無駄な業務を洗い出し、新規事業を進めながら1割の残業削減

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スマートフォンサービス「UQ mobile」事業などを手がけるUQコミュニケーションズ株式会社は2014年に働き方改革へのアプローチに取り掛かり始めました。しかしその年は「UQ mobile」をまさに新規事業として参入を検討し始めたころで、事業拡大と働き方改革は相容れないものと経営層からは反対されていたそうです。
そこから人事部が他社の事例などを提出しながら議論を重ね、最終的に「忙しい時だから働き方改革は後回し」から「忙しいからこそ仕事のやり直しを見直すべきだ」との価値観の転換を行い、取り掛かることができました。
具体的に取り組んだものとしては、

  • これまでの業務を洗い出し、作成した基準に満たない業務を廃止、新規事業の準備や立案の時間に充てる
  • 朝方勤務の推奨。朝の勤務を残業としてカウントし、20時以降の残業を原則廃止とした。
  • 会議を簡略化し、30分以内に収める

これらを営業などの特定の部署内のチームにトライアルとして段階的に実施し、徐々にその範囲を広げていくことで摩擦を減らすことに成功。結果として新規事業で繁忙期になるところを平均1割の残業時間の削減を行いながら、会社利益は全項目で計画目標を達成させることが可能になりました。

事例2.[株式会社シップス]深夜残業38%減、効率化の鍵はコミュニケーションに


アパレルファッションの運営販売を手がける株式会社シップス。アパレル業界全体で販売スタッフぼ離職率の改善が叫ばれている中、シップスは業務の洗い出しを行い、残業の原因を追求していきました。
するとこれまでお客様のためにやっていると考えられていた残業は、実際には店長とスタッフのコミュニケーションとマネジメント能力の不足からくるものからが多いとの結論に達したのです。
そこでシップスは店長のマネジメント研修を実施し、アルバイトを含めた店舗スタッフの自主性を重んじる方針に転換。

  • 営業時間外にするのが当たり前だった掃除を営業中にスタッフがタイミングを見計らい行う
  • アルバイトを含め全員にこれからやってみたい業務、体験したいことなどの要望を尋ねる。

などを実施。スタッフはモチベーションを高めつつ、店長と意思疎通を図ることができ、相互に快適かつ効率的な業務が行えるようになりました。さらに働き方改革の重要性に気づいた店長たちが自主的に勉強会を開催し、ノウハウを共有していくなどの努力もあり、最終的に2016年には前年比で深夜残業38%減、残業25%減を達成しながら、売り上げを5億円増加させることに成功しました。

事例3.[株式会社えがお] 急な上司の要望にはNOで残業時間55%減


健康食品とサプリメントの通信販売を手がける株式会社えがおでは、販売事業の校長の裏にある長時間労働や休みの取りづらさが問題点として挙げられました。シップスの例と同様に、これまでお客様の要望が突発的な業務を促進させていると考えられていたのが実は、上司とのコミュニケーションやそこからくる準備不足に起因するものである事が発覚。
適宜「その作業は残業してまでもやるべき事なのか」を上司とともに確認していく体制を強化し、トライアルチームの残業時間を約55%削減。さらに業務を可視化することによってこれまでルーチン化した業務すら代わりのきかない仕組みを改善し、不在のメンバーがいても仕事を回せるようにする事で有給休暇の取得率も大幅にアップさせる事ができました。
これらのように、コミュニケーションの不足を改善させることによって生まれる成果もあるのですね。

事例4.[大塚倉庫株式会社] アプリ開発、伝票の電子化でドライバーの待ち時間を55%減に


大塚製薬の商品の管理などを行う大塚倉庫株式会社が焦点を当てたのが配送を行うトラックドライバーでした。
大塚倉庫にとってドライバーは社員ではないものの、長時間労働が常態化し今後ドライバーが不足してしまえば物流業界全体が成り立たなくなると考え、大塚倉庫はそこから改善していくことにしました。

  • 独自のスマホアプリを開発、それまで待ち時間が発生し非効率であった荷積み、荷下ろしの負担を軽減
  • スマホで納品手続きができる「e-伝票」を開発。納品伝票や受領印などを電子化させる

これらのように各種手続きを提携先と協力しながら電子化していきました。その結果物流センターのトラック滞在時間は約55%減、さらに「e-伝票」を利用するドライバーは約70%もの削減に成功しました。

事例5.[株式会社かんぽ生命保険] 独自のシステム開発で顧客対応の時間を4分の1に


生命保険会社であるかんぽ生命保険は、旧来の価値観のまま業務を進行させていた事で一部の社員に業務が集中し、休日出勤を余儀なくされたり、今後介護を担う世代が台頭してくるといった理由からまさに働き方改革が必要な企業でした。
そんな中最も抜本的な新しい取り組みだったのが、AIなどの最新技術の投入でした。IBM社と自己学習コンピューティングシステム「Watson」を共同開発し、保険金の支払い業務という医療や法律といった幅広い知識と実務知識といった専門性が不可欠であったこの業務をWatsonが学習、サポートする事で経験の浅い社員も対応が可能になりました。
このほかお客様との会話を自動テキスト化し該当するFAQをリアルタイムで表示するといった機能を実装したことにより、1回の会話時間を従来の4分の1程度に抑える事ができ、業務が大幅に効率化されています。

【ここまでの重要ポイント】
ここまでの例のように働き方改革というと残業時間の削減を意識してしまいがちですが、ただ業務の時間を減らせばいいという訳ではなく、メンバーでコミュニケーションをとり意思疎通を測りながら業務を見直していくことも重要ということがわかりますね!
また、これまで多くの時間を割いてきた業務をコンピューターに代替させる、もしくはサポートしてもらうことも、うまく適応させることができれば大幅な業務の負担軽減へと繋げることができます!

ここからはユニークな社内制度を導入したことで多様な働き方を実現させている企業を紹介します!

事例6.[株式会社ワヴデザイン] 1ヶ月の休暇制度


Webデザインなどを手がけるワヴデザインは2012年より「11ヶ月働き1ヶ月休む試み」をスタート。より良いデザインを手がけるためにインプットを大事にする文化を作っています
「働き方から、デザインする」というワヴデザインのカルチャーを体現させた制度と言えそうです。また、一人目として社長自ら実行しており、ユニークな制度として終わらせない努力が伺えますね。

事例7.[株式会社ZOZO] 昼休憩を省略し6時間勤務を目指す


ZOZO TOWNを運営する株式会社ZOZOでは、「ろくじろう」と題した労働時間の縮小を目指しており、昼休憩を除いた朝9時から午後3時までの時間帯の6時間を退勤の目安としています。
時間単位で労働を測るのではなく生産性を基準とすることでより効率性を重視した働き方になっています。幕張オフィスの近くで働く社員への手当、ペットや同居人などスタッフが「家族」と認識する人や動物のサポートが必要な場合は、1日最大2時間の時短利用が可能な家族時短など、ユニークな福利厚生が多いですね。

事例8.[サイボウズ株式会社] 多様な働き方制度で離職率28%から4%以下へ


グループウェアの開発などを手がけるサイボウズは「100人いたら100通りの働き方」という考えのもと、様々なワークライフバランスに考慮した勤務体系を用意しています。
離職率が28%を記録し、過去最高となった2005年の経験を踏まえて、様々な意見を取り入れていった結果生まれた制度のようです。結果離職率は4%以下になり、採用と教育のコストを抑えることができています。
在宅勤務と育児休暇を始め、選択型人事制度として育児や介護に合わせた柔軟な働き方を選択できます。さらに子連れ出勤制度も導入されており、親になっても働きやすい環境になっていますね。

事例9.[Sansan株式会社] 土日は働いて、平日は休みに

sansan


クラウド上での名刺管理サービスを手がけるsansanは平日の出勤日を土日に振り替えることができる「どに~ちょ」という制度があります。土日に働くの!?と思ってしまいますが、平日に働くよりも普段休みにされている土日の方が集中できる!という社内の声を取り入れた結果生まれたようです。
その時々に合わせて勤務時間を選べるのは嬉しいですね。そのほかにも在宅勤務を選択できる「イエーイ」、「他部署」で「過去に飲んだことがない」人と3名までであれば、飲食費を1人につき3000円まで補助する「Know Me」という制度など、ユニークな名称も魅力的ですね!

事例10.[株式会社サイバーエージェント] ママになっても活躍できる企業に


Web広告代理店である株式会社サイバーエージェントは「macalon」と題した女性活躍促進制度があります。
「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味が込められたこの制度では、女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇「エフ休」、不妊治療中の女性社員が、治療のための通院等を目的に、月1回まで取得可能な特別休暇「妊活休暇」など、女性が働きやすい環境づくりが行われています。
そのほか月に1回の上司との面談やカウンセリング、さらに個人や組織のパフォーマンスを上げるための取り組みで、年2回、各部署で棚卸会議を実施する「全社棚卸会議」など、多くの制度が整っています。

働き方改革を進めるための5つのステップ

ここでは働き方改革の実施を効率的に進めるために有用なステップを説明します。

ステップ1:ゴールイメージの決定

この段階でメンバーとコミュニケーションを図り、自分たちが働き方改革で何を得たいのかを個人として、チームとしての両方の具体的なゴールイメージを考える事が重要です。

ステップ2:現在の働き方の確認

その日の業務を洗い出し、時系列に並べる事で自分がどの業務を無意識に優先させているかなどの癖を知ることができます。会議が重なりがちな午後に溜まった仕事に終われるのなら、会議の無い午前に動きやすい予定を組むといった計画をすることができます。

ステップ3:業務の課題を抽出

洗い出しを行い各業務の優先順位や効率性など、様々な視点から改善する事ができないかを考えていきます。この時メンバーとその情報を共有する事でお互いの業務を可視化でき、チーム全体としての改善点も見いだすことができます。

ステップ4:働き方を見直す

ステップ2で把握した問題点をチーム全体で話し合います。業務の最適化を相談し合うことによってチームの関係性が深まり、より良い改革に進むことができます。

ステップ5:改革の実施

チーム全体でどんどんと実行していく段階です。多くの改善案を試して行き、自分たちにフィットする方法を知っていく作業になります。それ以前のステップで培ったコミュニケーションによって参加者それぞれが主体的に考えて協力して会社を良くしよう!と考えることで生産性は高まって行きます。

まとめ

働き方改革を実施するためには制度としてしっかり明文化するのはもちろん、そこから浸透までにマネジメント層が先頭を切って行動する事、チーム内での齟齬を無くすといったコミュニケーションが重要である事、さらに必要に応じてITを活用する事も効率化に大きく貢献する事がわかりますね。皆さんも現状をチェックし、それぞれの状況に合わせた改革を行ってみてはいかがでしょうか?
最後に、ここまでの記事は小室淑恵さんの著書を参考にさせていただきました。もっと詳しく知りたい方は 小室淑恵著「働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例20社」の中に実体験も踏まえた例がさらに豊富に書かれているのでぜひ参考にしてみてください。

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