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経理業務をアウトソーシングし、社内の負担を減らしたい。そうお考えの方も多いのではないでしょうか。
経理代行は上手く活用すればメリットの大きいサービスですが、実際の業務としてはどこまで代行してくれるのか分からないという方も多いでしょう。
そこで本記事では、経理代行サービスの内容、選び方のポイント、利用するメリットと注意点を中心にわかりやすく解説します。経理業務にかかる時間を減らすその他の方法についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※TOKIUMブログは、経理AIエージェント「TOKIUM」を提供する株式会社TOKIUMが運営しています。
経理代行とは
経理代行とは、企業の経理業務を外部の事業者が引き受けるアウトソーシングサービスです。社内で経理業務に取り組めるリソースがない場合や、経理業務の効率化を図りたい時によく利用されています。
経理代行を活用することで、自社の状況にあわせて一部または全ての経理業務を委託可能です。経理代行には会計事務所や税理士事務所、税理士法人が提供するサービスのほか、専門会社やオンラインの経理アウトソーシング業者などのサービスがあります。
経理業務は複雑な計算や税制の把握など専門知識が必要であり、人材の採用や従業員の育成には時間も費用も必要です。そのため、外部のリソースを活用できる経理代行サービスが重宝されています。
記帳代行との違い
経理代行と記帳代行では、アウトソーシングできる業務範囲が異なります。経理代行サービスは、給与計算や売掛金の管理など経理業務を幅広くカバーします。一方、記帳代行が引き受けるのは、日々の取引を帳簿に記録する業務だけです。
税理士との違い
経理業務をアウトソーシングする際には、税理士へ依頼するケースもあるかと思います。経理代行と税理士業務との違いは、税務代理(申告の代理・代行)ができるかどうかという点です。
例えば、記帳の代行であれば、専門企業と税理士事務所にサービスの違いはありません。一方、決算申告に代表される税務代理や税務書類の作成、税務相談は税理士業務にあたります。これらは税理士または税理士法人でなければ業として行えません(税理士法第52条)。そのため、税務申告まで任せたい場合は、税理士や税理士法人と提携している経理代行サービス企業を選ぶ必要があります。自社のどの業務を任せたいかを明らかにしたうえで、依頼したい業務内容と照らしあわせて最適なサービスを選ぶと良いでしょう。
経理代行サービスの主な内容
経理代行サービスの主な内容は、記帳、給与計算、年末調整、決算・申告、売掛金・買掛金管理の5つです。どの業務を優先的に依頼したいかを考え、選びましょう。
1. 記帳
日常の取引を帳簿へ記録する記帳業務は、経理代行の代表的なサービスです。記帳では企業の正確な決算書を作成することを目的に、日々発生する伝票や入金の処理を複式簿記を用いて数値化していきます。
具体的には、預貯金出納帳の記帳、現金出納帳の記帳、売上と仕入れの計上、給与の仕訳、領収書や請求書の綴り込みと管理などを行います。なお、記帳をするには仕訳という取引を勘定科目に振り分ける作業が欠かせないため、経理の知識と経験が必要です。
2. 給与計算
従業員の毎月の給与額を算出する給与計算業務も、経理代行サービスとして提供されます。入退社情報や扶養家族の有無などを含む社員情報、会社の就業規則、当月のタイムカードを代行業者に提出することで、正確な給与計算を代行してもらえます。
給与計算業務の内容は多岐にわたります。源泉所得税の計算のほか、社会保険・雇用保険の届出業務、労働保険の適用管理、住民税の特別徴収管理業務なども含まれます。そのため、労務管理の知識も必要です。なお、社会保険や労働保険の書類の作成と提出手続の代行は、社会保険労務士の業務にあたります。社会保険労務士または社会保険労務士法人でなければ、報酬を得て業として行えません(社会保険労務士法第27条)。この範囲まで任せたい場合は、社会保険労務士や社会保険労務士法人と提携しているかを確認しましょう。
3. 年末調整
年末に発生する年末調整の業務も、税理士と提携している経理代行業者であれば依頼することができます。年末調整は、1年間の所得が確定してから源泉徴収された所得税と実際に納めなければならない所得税の差額を計算し、還付・徴収する手続きのことです。対象となるのは、原則として年末まで勤務している従業員です。ただし、生命保険料控除などの所得控除や、住宅ローン控除などの税額控除があり、個々の従業員の事情によって処理が変わります。
4. 決算・申告
決算仕訳の入力や、決算書・税務申告書の作成も代行を依頼できます。請求書・領収書・通帳のコピーなどを預ければ、1年分の記帳、決算報告書作成、勘定科目明細書、税務申告書作成、法人税・消費税納税申告までを代行してもらえます。なお、税務代理や税務書類の作成は、税理士または税理士法人でなければ業として行えません(税理士法第52条)。税務申告までお願いしたい場合は、税理士や税理士法人と提携している専門企業を選ぶようにしましょう。
5. 売掛金・買掛金管理
多くの企業では掛取引が行われていますが、売掛金・買掛金の管理にまで手が回っていない場合は、経理代行に管理を任せることで思わぬトラブルを回避できるでしょう。
売掛金とは、取引先からまだ「もらっていない売上」のことで、未回収は資金繰りの悪化に繋がります。一方の買掛金とは、取引先にまだ「払っていない仕入費用」などのことで、支払いが遅れれば、企業の信用に関わりかねません。売掛金・買掛金は取引先ごとに入金や支払の期日が異なるため詳細な管理が必要で、経理代行サービスでは取引先ごとの期日管理も任せられます。ただし、差異が出た際の確認や督促をどこまで引き受けてもらえるかは、事業者や契約範囲によって異なる点に注意しましょう。
経理代行の依頼先|どこに頼めるか
経理代行を依頼できる先は、税理士事務所・税理士法人、経理代行会社(BPO事業者)、オンラインアシスタントサービスの大きく3つに分かれます。任せたい業務の範囲と、税務申告まで含めるかどうかで、検討する先が変わります。
税理士事務所・税理士法人・会計事務所
記帳や決算の補助に加えて、税務申告まで一貫して依頼できるのが特徴です。顧問契約とあわせて経理業務を任せる形が一般的で、税務の相談も同じ窓口で進められます。引き受けられる業務量や、記帳以外にどこまで対応するかは事務所ごとに異なります。なお「会計事務所」は法令上の呼び名ではないため、税務申告まで依頼したい場合は税理士が在籍しているかを確認しましょう。
経理代行会社・BPO事業者
記帳・給与計算・請求書の処理など、経理の実務をまとめて引き受ける事業者です。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、業務の一連の流れをまとめて外部に任せる形態を指します。業務フローの設計から入って、標準化まで含めて任せられる場合もあります。税務申告を含めたい場合は、税理士や税理士法人と提携しているかを確認しておきましょう。
オンラインアシスタントサービス
オンラインでアシスタントが実務を担当する形式です。経理だけでなく、総務や人事などのバックオフィス業務をあわせて依頼できるものもあります。必要な業務を必要な分だけ切り出して任せたい場合の選択肢になります。
経理代行サービスを比較する際のポイント
複数のサービスがあるなかで自社に合う経理代行を選ぶには、どの観点を重視するのかを先に決めておくことが大切です。以下の6つのポイントを整理してから各社を確認すると、比較しやすくなります。
1. 対応業務と範囲が自社課題に合っているか
「記帳代行だけ」「請求書・振込業務も含む」など、サービスごとに得意とする業務範囲は異なります。自社で現在ボトルネックとなっている業務や将来的な拡張性も加味して、委託したい業務内容に合致しているかを確認しましょう。
2. 税務申告まで依頼したいかどうか
税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士業務にあたり、税理士または税理士法人でなければ業として行えません(税理士法第52条)。決算・申告まで含めて任せたい場合は、税理士や税理士法人と提携しているかどうかを事前に確認しておきましょう。記帳や給与計算だけを委託し、申告は顧問税理士に依頼するという分け方もあります。
3. セキュリティや個人情報保護に対応しているか
経理は機密性の高い情報を扱う業務のため、セキュリティ対策は必須です。ISMS(ISO/IEC 27001)やPマークなどの取得有無、秘密保持契約(NDA)の締結可否、データ送信方法(暗号化)を確認しましょう。あわせて、再委託の有無や作業を行う端末・場所も評価軸に入れておくと安心です。
4. サポート体制や相談対応は充実しているか
単なる事務代行だけでなく、「経理フローの改善提案」や「会計ソフトとの連携支援」などのコンサルティング的な対応が受けられるかも確認しておきましょう。電話・チャット・メールなどのサポートチャネルや、対応時間が明記されているかもあわせて確認しておくと安心です。
5. 実績や信頼性、口コミでの評判は確認できるか
導入実績が豊富なサービスは、対応スキルや業務品質が一定水準にある可能性が高いです。特に自社と同じ業種・企業規模での導入事例があるか、第三者サイトでの評判・口コミがポジティブかをチェックすることも有効です。
6. 見積もりを依頼する前に整理しておくこと
各社とも、依頼内容によって対応の範囲や体制が変わります。問い合わせの前に次の4点を整理しておくと、各社からの提案を同じ土俵で比べられます。
・現在どの業務に、どれくらいの時間がかかっているか
・そのうち外部に任せたい業務と、社内に残したい業務はどれか
・利用している会計ソフトや、連携が必要なシステムは何か
・連絡やレビューのやり取りを、どの時間帯・どの頻度で行いたいか
洗い出した内容は、そのまま問い合わせ時の説明にも使えます。
経理代行サービス選びのチェックリスト
サービス選定前に、以下のチェック項目を一つひとつ確認しましょう。すべて「YES」であれば、候補として最終検討に進めます。
☐ 外注したい業務(記帳・給与・請求など)に対応している
☐ 依頼したい業務量や体制について事前に見積もりを相談できる
☐ 情報セキュリティ体制が整っている(ISO・Pマークなど)
☐ 電話・メール・チャットなどのサポート手段が選べる
☐ 自社と同業種・同規模の導入事例がある
☐ 会計ソフトや労務システムとの連携が可能
☐ 契約前に相談や資料請求ができる
経理代行を依頼するまでの流れ
問い合わせから業務開始までは、おおむね次のように進みます。
1. 依頼したい業務を整理し、候補となる事業者に問い合わせる
2. 現在の業務の進め方や課題をヒアリングしてもらう
3. 対応範囲と体制の提案を受け、見積もりを確認する
4. 契約内容と秘密保持契約の条件を確認して締結する
5. 業務フローの確認、必要書類の受け渡し、システムの初期設定を行う
6. 試行期間を置いたうえで、本格的に業務を開始する
実務の引き継ぎには一定の期間がかかります。決算期や繁忙期を避けて開始時期を設定しておくと、社内の負担を抑えやすくなります。
主要な経理代行サービス5選
ここからは、主要な経理代行サービス5つについて、各社の公式サイトで紹介されている内容をもとに、概要と特徴を1つずつ整理します。
※以下の記載は、各サービスの公式サイトの情報(各サービスの出典に記載した最終確認日時点)をもとにまとめています。弊社にて確認することができなかった機能・仕様は「要確認」と記載しています。万が一弊社による確認に誤り等がある可能性がありますので、必要に応じて公式サイト等をご確認ください。
経理AIエージェント TOKIUM(株式会社TOKIUM)
経理AIエージェント TOKIUMは、AI・システム・人の組み合わせで経理の業務そのものを担い、仕上がった成果物を納品するサービスです。請求書支払・経費精算・新リース対応・請求書発行といった業務について、1つの作業だけを任せることも、複数をまとめて任せることもできます。
繰り返し発生する業務をAIエージェントが処理する
決まった手順で進む業務は、AIエージェントが処理します。処理の速さや品質が、担当する人の手作業に左右されにくくなります。人が確認するのは、AIの確信度が低いタスクに絞られます。
判断が必要な業務は専任チームが担当する
AIだけでは対応しきれない例外的な処理は、経理に精通した専任チームが引き受けます。採用や育成、引き継ぎを挟まずに経理の機能ごと任せられるため、担当者の退職によって業務が止まるリスクを抑えられます。
業務の設計から運用まで任せられる
AIが処理する範囲と、人が判断するポイントを切り分けたうえで設計し、運用まで引き受けます。経営者や経理担当者は、意思決定が必要な箇所の確認に集中できます。属人化していた業務の流れも設計し直します。
出典:経理AIエージェント TOKIUM 公式サイト/同 経理AX紹介ページ(最終確認日:2026年9月29日)※料金は改定されることがあるため、本記事では記載していません。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
メリービズ バーチャル経理アシスタント(メリービズ株式会社)
メリービズ バーチャル経理アシスタントは、各地のプロ経理スタッフがオンラインで専属チームを組み、経理業務を引き受けるサービスです。日々の業務から決算、会計ソフトの導入支援まで幅広く対応しています。
日々の業務から決算・会計ソフト導入まで任せられる
依頼できるのは、経費精算や仕訳入力といった毎日の処理だけではなく、決算や会計ソフトの導入も含まれます。ノンコア業務を外部に任せることで、作業だけに費やしていた時間を減らし、コア業務に充てる時間を確保できるとしています。
経理の実務経験を持つスタッフがオンラインで対応する
対応するのは、簿記の資格と豊富な実務経験をもつ、全国各地のプロの経理スタッフです。やり取りはオンラインですが、同じオフィスにいる担当者に頼むような感覚で業務を進められるとしています。
企業の規模や業種、使っているツールに合わせて対応する
さまざまな規模の企業が対象とされており、業種や地域も問わないとしています。すでに使っているツールや社内の業務の流れに合わせて、対応内容を個別に組み立てます。業務の設計から導入、運用までを一貫して支え、クラウド会計ソフトの選定にも対応しています。
出典:メリービズ バーチャル経理アシスタント 公式サイト(最終確認日:2026年9月29日)※料金は改定されることがあるため、本記事では記載していません。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
HELP YOU 経理(株式会社ニット)
HELP YOU 経理は、株式会社ニットが提供する経理代行サービスです。経理実務に詳しいプロチームが、請求書の発行や経費精算のチェック、会計ソフトへの入力などを担当し、AIやクラウドツールも活用しながら日々の経理運用を支えます。
採用・選考の手間をかけずに経理体制を立ち上げられる
在籍するアシスタントのなかから、依頼内容に合う人材を短期間で見つけられます。採用や選考の手間をかけずに、経理体制を整えることができます。
担当者が替わっても業務が止まりにくい体制をつくる
業務内容を整理したうえでマニュアルに落とし込み、チームで分担して対応します。担当者の退職や急な休みがあっても、特定の人に頼らずに経理を続けられる体制づくりを支援します。
オンラインから紙・指定端末を使う業務まで幅広く対応
請求・支払、証憑の整理、会計ソフトへの入力といった日々の業務に加えて、月次決算や経営判断に用いる資料の作成まで、まとめて依頼できます。さらに、オンラインだけでは完結しにくい紙書類の処理や、指定端末・セキュアな環境での作業にもBPOセンターで対応。業務内容に合わせて、オンラインとオフラインを組み合わせて任せられます。
出典:HELP YOU 経理 公式サイト(最終確認日:2026年9月29日)※料金は改定されることがあるため、本記事では記載していません。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
CASTER BIZ accounting(株式会社キャスター)
CASTER BIZ accountingは、経理・労務の専門スタッフとAIを組み合わせ、リモートのチームで経理業務を担うサービスです。これから経理部門をつくる企業の支援から、大企業の業務の外部委託まで受け付けているとしています。
短い期間で専門チームを立ち上げられる
チームは、事業の特性や経理処理の難しさ、処理する量を踏まえて編成されます。立ち上げまでにかかる期間は、最短で数営業日としています。相談から利用開始までの手続きは、オンラインだけで進められます。
クラウドツールを活用して業務を止めない体制をつくる
クラウドツールを土台に業務を組み立て、時期や状況に左右されずに経理・労務の処理を回し続けられるようにするとしています。対応する業務は経費精算や売上・請求、買掛・支払、月次と年次の処理、税理士との連携などにわたります。
選考を通過した経験者が対応する
品質にばらつきが出ないよう、基準を厳しく定め、管理の仕組みも整えているとしています。業務には、実務経験の豊富な作業者と、選考を経たプロジェクトマネージャーがチームを組んで対応します。
出典:CASTER BIZ accounting 公式サイト/同 サービス紹介ページ(最終確認日:2026年9月29日)※料金は改定されることがあるため、本記事では記載していません。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
freee支出管理 受取請求書アシスト(freee株式会社)
freee支出管理 受取請求書アシスト(旧 経理アウトソース)は、請求書の受け取りから仕訳までの作業を、アシスタントに任せられるサービスです。処理した請求書は、専用のシステムに電子データで保管されます。受け取りは、郵送、メール、専用Webサイトへのアップロードのいずれにも対応しています。
freee会計の設定を引き継ぎ、仕訳も連携できる
freee会計に登録済みの設定を、改めて入力し直さずに使えます。仕訳をfreee会計へ送る操作も、請求書を開いた画面のワンクリックで済みます。
明細の1行ごとに仕訳を作成する
1枚の請求書に複数の明細が並ぶ場合も、明細1行ごとに仕訳を起こします。部門別・商品別の管理にも役立てられます。あわせて、適格請求書発行事業者の登録番号や振込先の確認も代行の対象に含まれます。
専用のクラウドシステムが付いてくる
サービスには、専用のクラウドシステムが付いてきます。蓄積したデータは、サービスを解約しても消えずに残ります。また、利用するユーザーの数に上限はなく、このシステムは電子帳簿保存法が定める要件を満たしているとしています。紙で届いた請求書の原本は、破棄するか返送してもらうかを選べます。
出典:freee支出管理 受取請求書アシスト 公式サイト(最終確認日:2026年9月29日)※料金は改定されることがあるため、本記事では記載していません。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
TOKIUM の導入事例
経理AIエージェント TOKIUMを提供する株式会社TOKIUMの導入事例を2件ご紹介します。利用しているサービスは企業によって異なります。なお、これから紹介するのは導入企業の一例です。ここで紹介するのは弊社の事例のみです。各サービスの導入事例は、各社の公式サイトでご確認ください。
派遣からの切り替えで売上計上業務の完了を2日短縮|株式会社バップ
音楽・映像事業を手がける株式会社バップでは、取引先ごとに様式の異なる紙の売上報告書の処理が月次決算のボトルネックになっていました。業界特有の知識が求められるため、担当者が替わるたびに教育が発生し、業務が特定の人に集中していたといいます。派遣スタッフに任せていた売上報告書の処理業務を外部委託に切り替えたことで、売上計上業務の完了が2日間短縮されました。この業務に関する土曜出勤も、基本的になくなったとしています。業務プロセスの標準化とマニュアル化が進み、連結決算など付加価値の高い業務に時間を充てられるようになっています。
明細入力の属人化をAIで解消へ|株式会社シン・コーポレーション
カラオケ店舗を全国展開する株式会社シン・コーポレーションでは、1枚で1,000行を超える請求書の明細入力に月2〜3営業日を要していました。修正や判断も担当者に依存していたといいます。明細入力をAIに任せる形へ切り替えたことで属人化の解消に手応えを得ており、月次決算業務の1営業日短縮と、年間約480時間の工数削減を見込んでいます。
出典:株式会社バップ 導入事例(TOKIUM公式)/株式会社シン・コーポレーション 導入事例(TOKIUM公式)(最終確認日:2026年10月1日)※記載の数値は各社の導入事例に基づくものです。効果は企業規模・運用により異なります。
経理代行サービスのメリット
経理代行を利用するメリットは、コア業務への専念、コスト削減、不正の抑止の3つです。自社が経理代行に何を求めるのかと照らしあわせながらご確認ください。
1. コア業務に専念できる
経理業務は正確性を求められる仕事が多く、数字が合っているかの確認に多くの時間がかかります。定期的な仕訳入力や決算業務などは、ルールさえ決まっていれば進められる業務です。一方、利益に結びつきやすい投資や買収などの戦略策定、予算と実績の差異分析といったコア業務は、社内の判断が欠かせません。経理代行を活用すれば、経理の正確なアウトプットを保ちながら、社員はコア業務へ専念できます。
2. コストを削減できる
経理のコスト削減というと人件費が思い浮かびますが、人件費に加えて採用コストや教育コストといった間接費用も削減できます。正確な経理業務を続けるには人材の採用や教育が欠かせませんが、外部に委託すればこれらの費用を抑えられるためです。一方で、委託先への業務説明やレビューといった管理の工数は社内に残ります。特に立ち上げから数か月は、社内の負担が一時的に増える前提で計画しましょう。
さらに、経理業務は年末調整や決算時など繁忙期が決まっています。普段は社内の人数を抑えて運用し、繁忙期に応じて経理アウトソーシングを活用するだけでも、人件費の節約となります。
3. 不正を抑止できる
経理業務では資金をやり取りすることが日常ですが、当事者が業務に関するお金を懐に入れてしまうという事件は絶えないものです。このような不正リスクは、経理代行によって減らせる可能性があります。経理代行サービスを利用すると、業務プロセスのどこかにBPO事業者が第三者として関与します。自社で経理業務を抱えている場合に比べて、けん制効果が期待できるためです。
例えば送金業務では、社内の担当者が支払いの手続きを行い、送金データの作成や帳簿への反映業務はBPO事業者が担う、という分け方がシステム上可能です。この形にすると、担当者は自分で帳簿を書き換えられません。仮に不正な送金があっても、第三者が作る帳簿の側に説明のつかない記録が残ります。そのため、不正の記録が明るみに出やすいのです。このようなけん制機能は企業の「内部統制」とも言われます。不正やミスが起きないよう、担当や手続きを分けて互いに確認し合う社内の仕組みのことで、安定した成長を目指すには欠かせません。
経理代行サービスを利用する際の注意点
経理代行を利用する前に確認しておきたいのは、社内にノウハウが蓄積しにくくなる点と、書類の受け渡しにともなう情報漏えいのリスクの2つです。
経理部の社員にノウハウが蓄積しにくい
経理の担当者を社内で育てたいと考える企業もあります。一方で経理代行を使う場合、委託した業務のノウハウは社内に蓄積されにくくなります。社内で経理人材を育てたい場合は、どの業務を自社に残すかをあわせて検討しましょう。
書類の受け渡しで情報が漏れやすい
経理代行サービスを利用する場合、業者へ必要書類を送付する必要が生じます。その際に宛先違いや紛失が起きると、社員や自社の内部情報が外部に出てしまう可能性があります。委託先を選ぶ際には、情報の取り扱い体制や秘密保持契約の内容をあわせて確認しておきましょう。
経理代行に出せる業務と、社内に残す業務
経理代行を使っても、すべての経理業務が社内から無くなるわけではありません。社内に残るのは、承認や最終的な判断にあたる業務です。反対に、手順が決まっていて件数の多い作業は外に出しやすく、ここから切り出すと効果が出やすくなります。
社内に残しておきたい業務
支払いを承認する工程と、経営数値の最終的な確認は、自社で担うのが一般的です。委託先に実行の工程を任せる場合でも、承認する主体は自社に残ります。また、税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士業務にあたります。社会保険や労働保険の書類の作成と提出手続の代行は、社会保険労務士の業務です。いずれも提携の有無によって、任せられる範囲が変わります。勘定科目や税区分の最終的な判断、取引先との条件交渉も、自社に残ることが多い業務です。
外に出しやすい業務の見分け方
外に出しやすいのは、手順が決まっていて件数の多い作業です。伝票や請求書の入力、口座やカード明細との突き合わせ、証憑の保管などが当てはまります。反対に、判断をともなう処理は委託先で止まり、社内へ差し戻されます。差し戻しが想定より多いと、社内の工数は思ったほど減りません。まずは判断の要らない定型作業から切り出し、運用が安定してから範囲を広げる進め方が現実的です。
経理代行とあわせて検討したいシステム
経理業務の負担を減らす方法は、外部への委託だけではありません。会計システムや経費精算システム、請求書受領サービスといった仕組みを組み合わせることで、社内に残る作業そのものを減らすこともできます。
ここでは、経費精算システムと請求書受領サービスの2つをご紹介します。どちらも電子帳簿保存法やインボイス制度への対応で注目されている仕組みです。
経費精算システム
経費精算システムとは、経費の申請・承認から会計システムへの連携までを一貫して行えるシステムです。領収書の読み取りや、スマホアプリからの申請・承認、電子帳簿保存法の要件を満たすデータ保存に対応するものもあります。
請求書受領サービス
請求書受領サービスとは、一般的に取引先からの請求書を代わりに受領し、デジタルデータに変換・処理してくれるサービスです。請求書は自動でデータ化されてオンライン上に届き、そのまま仕訳・申請・承認の作業を行えます。原本の保管まで引き受けるサービスもあるため、経理担当者の作業時間を短くできます。
委託と社内運用のどちらが合うかは、業務の量や内容によって変わります。社内に残したい業務と手放したい業務を整理したうえで、システムの導入と外部への委託を並べて検討してみるとよいでしょう。
経理代行に関するよくある質問
経理代行を検討する際によく挙がる質問をまとめました。
経理代行会社に依頼することは法律上問題ありませんか
記帳や給与計算などの実務を外部に委託すること自体に、法律上の制限はありません。ただし税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士業務にあたり、税理士や税理士法人でない者は業として行えないと定められています(税理士法第52条)。申告まで含めて任せたい場合は、税理士や税理士法人と提携している事業者を選びましょう。
費用はどのくらいかかりますか
費用は依頼する業務の範囲や量によって変わり、料金体系も改定されることがあるため、本記事では金額を記載していません。各社の公式サイトでご確認ください。問い合わせの際は、任せたい業務と社内に残す業務を整理しておくと、各社の提案を比べやすくなります。
経理代行を導入すれば社内に経理担当者は不要になりますか
いいえ、社内の経理担当者が不要になるわけではありません。委託した業務以外は社内に残ります。承認や支払いの判断、経営数値の確認といった業務は自社で担うのが一般的です。どこまでを任せ、どこを社内に残すかを先に決めておくと、導入後の運用が安定します。
個人事業主や小規模の会社でも依頼できますか
対応できる規模や業務量は事業者によって異なります。小規模から受け付けている事業者もあるため、各社の公式サイトや問い合わせでご確認ください。
依頼したあとに任せる業務を増やすことはできますか
段階的に範囲を広げられるかどうかは事業者によって異なります。将来的に依頼を広げる可能性がある場合は、対応できる業務の幅を契約前に確認しておくと安心です。
まとめ
ここまで、経理代行サービスの内容、比較する際のポイント、利用するメリットと注意点を解説してきました。
経理代行は、社内リソースが足りない場合や、経理業務の効率化を図りたい時に選択肢となるサービスです。今回ご紹介したメリットと注意点を理解した上で、優先度の高い業務から活用を始めてみましょう。
どのサービスが自社に合うかは、任せたい業務の範囲や社内に残したい業務によって変わります。本記事の6つのポイントを整理したうえで、詳細は各社の公式サイトや問い合わせでご確認ください。
また、中小企業の経理の人手不足は、外注だけでなく、業務の棚卸しから標準化・デジタル化・運用定着まで含めて設計すると改善が早まります。全体像と優先順位は、以下の記事で詳しく解説しています。
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※本記事の内容は、各サービスの公式サイトに掲載された情報(各サービスの出典に記載した最終確認日時点)をもとに作成しています。公式サイトで確認できなかった機能・仕様は「要確認」と記載しており、非対応を意味するものではありません。最新の情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
※記載している会社名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
※内容に誤りやお気づきの点がございましたら、こちらのメールアドレスよりご連絡ください。確認のうえ速やかに修正いたします。


