経理DX促進

【徹底解説】経理のテレワークを実現する4つのアイデア

更新日:2024.10.19

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経理 テレワーク 事例

近年、働き方改革やコロナ禍を受け、テレワークを導入する企業が増えています。さまざまな業種・職種でテレワークが推進されていますが、経理は「書類」や「印鑑」などが必要な業務のため出社が必要になることが多く、テレワークの導入が難しいとされています。

→ダウンロード:経理のペーパーレス化って本当に必要?

しかし、ひとつひとつの課題を解決していけば経理部門でもテレワークは可能です。テレワークによって、業務の効率化やコストの削減、ワークライフバランスの確保などのメリットを享受できます。

本記事では、経理でテレワークを導入する際の課題やメリット、テレワークを推進していくための方法などを解説します。

経理のテレワークを導入する際の課題

経理でテレワークを導入するには、今までの仕事を見直して、いくつかの課題をクリアしなければなりません。主な課題は、デジタル化への移行・環境整備、コミュニケーションツールの導入、セキュリティ対策です。従来どおりのやり方を改めるだけでなく、デジタル化に合わせたシステムの導入、社員の意識改革も必要です。

以下では、それぞれの課題について詳しく解説していきます。

デジタルを使用した業務への移行・環境整備

経理に関わる業務は、注文書・請求書・納品書・帳簿・経費の清算など「紙」や「印鑑」なしではできないものが多く残っています自社のデジタル化が進んでも、取引先が紙ベースで処理している場合は、相手に合わせて紙のやり取りを続けることもあるでしょう。

今まで紙で行っていた取引や作業をデジタル化するには、システムの導入、環境整備、社内での共有、社員への研修など、移行の時間や手間がかかります。

コミュニケーションが難しい

テレワークを導入した場合、オフィスのような細やかなコミュニケーションは難しくなる可能性があります。以前は隣にいた同僚に確認したり、近くにいる上司に進捗状況を報告したり、すぐにできていたことが、スムーズにいかなくなることがあります。

自宅からのテレワークでは、情報の共有や業務連絡などの円滑なコミュニケーションをするため、ビジネスチャットなどのツールが必須になるでしょう。

データ紛失・情報流出のリスク

テレワークになると、オフィス内よりもセキュリティ面で脆弱になり、データ紛失や情報流失の危険性が高まります。経理部門は、重要な情報を扱うことも多いため、しっかりとしたセキュリティ対策が必要になります。

セキュリティ対策をする際にはシステムだけではなく、セキュリティに関する注意点やマニュアルを作成し、社員のセキュリティに対する意識を高めねばなりません。

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経理業務でテレワークを導入するメリット

経理業務へのテレワーク導入は、会社だけでなく社員にとってもメリットがあります。会社側のメリットとしては、コスト削減や生産性の向上・人材確保になる点です。また、社員側のメリットは通勤時間の削減、業務の効率化、プライベートとの両立などが挙げられます。

仕事とプライベートの両方を充実させたいという方が増えてきている現代では、テレワークの導入で時間を有効に使えれば大きなメリットとなるでしょう。

電子化による生産性向上

経理業務をテレワークにすると、どこでも業務ができるよう書類を電子化する必要があります。そのため、書類の扱いに伴う多くの業務が不要になります。書類の印刷・管理・保管、請求書の発行や発送、押印、ファイリングやシュレッダーなど、書類だからこそ発生している業務は数多くあります。

これらの業務にかかる時間を削減することで生産性の向上が期待できるでしょう。

リスクとコストの削減

重要な書類を紙で扱っていると、紛失や、それに伴う情報漏洩のリスクが発生します電子化にも情報漏洩のリスクはありますが、セキュリティ対策も以前より進化しています。そのため、テレワークの導入にあたって書類を電子化すれば、以前は必要だった保管スペースも縮小できます。書類保管のための場所を確保している企業はそのコストを削減できます。

このように電子化で、リスクもコストも減らすことができます。

経費の削減

紙による書類管理には事務用品が必要です。印刷するには用紙代・インク代、請求書の発送には封筒代・郵送費、また保管するにはファイル代やラベリング・シール代などの費用がかかります。

また、社員の通勤費やオフィスの光熱費なども削減できるので、テレワーク導入で、交通費・事務用品費を中心に大きくコスト削減できるでしょう。

優秀な人材の採用につながる

最近では、テレワークできるかどうかが企業選びの基準になることもあります周囲がテレワークばかりの中、出社必須と言われると転職や退職を考える要因にもなるでしょう。

テレワークを導入することで、介護や育児などの家庭の事情や健康上の理由で退職した人に働いてもらうことも可能になります。

経理の経験がある人やスキルを持ちながら退職せざるを得なかった人に働く場を提供して、優秀な人材の確保や人材不足の解消も期待できます。

ワークライフバランスの確保

最近は、ワークライフバランス重視で、仕事と生活を両立させて充実した時間を過ごしたいと考える方が増えています。テレワークの導入で社員の通勤時間がなくなり、時間を有効に活用できます。

自由な時間を取りやすくなるので、育児・介護との両立、家族との団らんの時間、趣味や自己啓発の時間、副業などプライベートの時間を充実させられるでしょう。

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経理部門のテレワークを推進する4つの方法

経理部門でテレワークを推進するにはシステムの導入や環境の整備が欠かせません。

これから作成する書類の電子化はもちろん、紙の書類を電子化するツールの導入、それに伴う社員の意識改革や研修、マニュアルの作成など多くのことが必要です。

①各種帳票発行の電子化

請求書や領収書、経費の精算などを紙でやり取りしていると出社も多くなります。テレワークの推進には各種帳票の電子化が不可欠です。

テレワーク導入では、社内では経費や帳簿などの電子化があり、さらに取引先など社外に対しては請求書や領収書の電子化を了承してもらう必要があります。

②取引先より受領した書類の電子保存

書類の受領や管理・保管は重要な業務ですが、時間もかかり負担が大きくなります。また、2024年1月より施行される電子帳簿保存法により、PDF等の電子データで受け取った請求書を紙に印刷して保存することが認められなくなるため、受領と保存の部分については早急に電子化を検討する必要があります。

※令和5年度税制改正大綱により、やむを得ない事情がある場合は、2024年1月以降も電子データを書面に出力して保存することが認められます。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

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電子帳簿保存法を始めとしたペーパーレス化の推進により、経理業務のペーパーレス化を支援するサービスが普及し始めました。中でも、電子帳簿保存法やインボイス制度で追加の手間を生じさせないために「請求書受領クラウド」を導入している企業が増えています。

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③ICT環境の整備

「ICT」は情報通信技術と訳されます。ITとほぼ同じ意味合いですが、より、情報や知識の共有とコミュニケーションに重きをおいた意味で使われます。

テレワークを導入するには、ICT環境を整備することが必要不可欠になります。パソコンやネットワーク環境はもちろん、会計ソフトやコミュニケーションツール、経費精算システム、勤怠管理システムなどさまざまなツールを活用して、より快適に業務を行うことが必要です。

④決済手段をインターネットバンキングに変える

経理担当者がテレワークできない理由として、銀行への入金や振替・振込などの業務がしばしば挙げられます。資金移動に通帳を使うと、伝票の準備や印鑑の押印などが必要になります。また、押印が社長や管理職限定とされている会社ではさらに手間がかかります。

銀行関連の業務をインターネットバンキングでできれば、銀行に行く時間も必要なく、業務が効率化できます。一方で、セキュリティの厳格な管理が求められるようになります。

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まとめ

テレワークや在宅ワークが広く知られるようになり、導入する企業も多くなりました。しかし、どの職種でも取り入れられるわけではなく、特に経理ではテレワークが難しいと言われています。

経理には、経費や請求書の取りまとめなど紙の書類が多い、押印のため出社が必要になることが多い、という特徴があります。これがテレワーク移行を妨げています。また、遠隔地での業務に切り替えるには、より強固なセキュリティ対策も必要になります。

しかし、これらの課題が解決できれば、会社にはコストの削減や人材の確保、社員には業務の効率化やワークライフバランスの確保など多くのメリットがあります。

システムの導入や電子化、ツールの活用などを進め、社員研修、意識改革をしていくことで経理部門でもテレワークをすることは十分に可能です

一気に推し進めるのではなく、徐々に環境を整備していくことが重要です。

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