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2023年10月から施行されたインボイス制度では、適用税率や消費税額を伝えるために適格請求書(インボイス)を送付することになります。従来では紙の請求書を送付するのが一般的でしたが、近年では請求書を電子データ化する企業も多くなりました。
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インボイス制度下では、電子インボイス(電子データ化された適格請求書)を取り扱われるようになります。この電子インボイスを扱うにあたっては、「Peppol」と呼ばれる世界標準規格を理解することも重要です。
今回は、インボイス制度に関係する電子インボイスとは何か、についてわかりやすく解説します。電子インボイスの5つのメリットや、国際標準規格「Peppol」についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
電子インボイスとは
電子インボイスとは、インボイス制度下で仕入税額控除の適用を受けるために必要な適格請求書(インボイス)を電子化したものです。
【電子インボイスとして扱われる交付例】
- 電子メールによる交付
- ウェブサイトを通じた交付
- 光ディスクや磁気テープ等による交付
- EDI取引による交付
2023年10月から施行されたインボイス制度において、仕入税額控除を適用できる対象は適格請求書のみになります。
また、インボイス制度が始まり、事業者は様々な書類の保管が必要になりました。その際、紙媒体で保管し続けると、管理や保管場所を圧迫する問題が発生します。電子インボイスを利用することで紙と電子の二重管理における課題が解消され、業務効率化が大きく進むでしょう。
インボイス制度についての詳細は、下記の記事を参考にしてください。
国際標準規格Peppol(ペポル)とは
Peppol(ペポル)とは、Pan European Public Procurement Onlineの略称で、電子文書をネットワーク上でやりとりするための基準規格です。2021年12月現在、世界40ヵ国で採用されるなど、様々な国で利用されています。
参照:Peppol公式サイト(英語)
Peppolの特徴は、4コーナーモデルと呼ばれるネットワーク構造です。電子文書を送信すると、2点のアクセスポイントを介して受け取られます。このように、送信者と受信者を合わせて4点を通ることが、4コーナーモデルという名称の由縁です。
2023年10月から施行されたインボイス制度への対応として、日本でも「Peppol」を採用しています。2020年に電子インボイス推進業議会が、国内標準規格を「Peppol」に準拠すると発表しました。これにより、インボイス制度の導入に伴う各事業者の経理作業の煩雑さを解消しようとしています。2021年9月には、デジタル庁が日本版「Peppol」の標準仕様案を発表しています。政府も2023年から施行されたインボイス制度に向けて、日本の法令に対応できるよう調整を進めてきたと言えるでしょう。
電子インボイスの保存要件
受け取った電子インボイスの保存方法は以下の2つです。(2022年6月時点)
- 電子データのまま保存
- 電子データを紙媒体にして保存(2024年1月以降は廃止)
電子帳簿保存法の改正により、後者のPDF等の電子データを紙に印刷して保存する方法は2024年1月以降は不可となります※。したがって本記事では、前者の「電子データのまま保存」する方法についてのみ解説します。
※令和5年度税制改正大綱により、やむを得ない事情がある場合は、2024年1月以降も電子データを書面に出力して保存することが認められます。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
電子インボイスの保存については、電子帳簿保存法の電子取引方式に則る必要があります。実際の運用としては、①受け取ったPDF等を自社開発or市販システム上にアップロードし、その上で②2ヶ月以内に画像データにタイムスタンプを付与する(訂正削除の記録が残るシステムであれば、タイムスタンプ付与は不要)運用になります。
なお外部ベンダーの提供しているタイムスタンプ付与型のシステムであれば、基本的にはユーザーが画像データをアップロード後にタイムスタンプが自動的に付与されるため、②に関してはユーザー側での特別な対応は不要です。
電子取引の詳細な要件等については、以下の記事でご確認ください。
▶関連記事:電子取引とは?電子帳簿保存法の対応方法をわかりやすく解説
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電子インボイスの5つのメリット
電子インボイスの導入に関しては、事業者にとって大きなメリットがあります。
- 会計ソフトで経理処理を自動化できる
- データの改ざんを防げる
- グローバルでの取引が容易になる
- 適格請求書の管理や検索が容易になる
- テレワークで請求書業務が可能になる
以下、詳しく解説します。
1. 会計ソフトで経理処理を自動化できる
電子インボイスによって、煩雑な経理作業を自動化できます。従来の経理作業では、紙媒体の請求書を一枚一枚手入力していました。さらに、税金の計算なども手作業です。しかし、電子インボイスを導入すれば非効率な経理作業がなくなります。経理担当者も他の業務に時間を割けるようになり、企業は業務の効率化につなげられます。
2. データ改ざんを防げる
電子インボイスは、データ改ざんの予防として有効です。タイムスタンプ付与や電子署名を導入することで、データ改ざんがされにくい仕組みが確立されつつあります。また、総務省は「eシール」と呼ばれる電子証明書の制度化を進めています。
3. グローバルでの取引が容易になる
電子インボイスの導入は国内企業との取引だけでなく、海外企業との取引においても有利となります。日本の標準規格として考えられている「Peppol」は、世界40ヵ国で利用されている基準規格です。そのため、電子インボイスを利用することで、海外企業との取引も円滑に進むことが予想されます。
4. 適格請求書の管理や検索が容易になる
電子インボイスを活用することで、適格請求書の管理がしやすくなります。紙媒体の書類管理ではなく、ネットワーク上で管理するため、物理的な保管場所が不要です。また、ネットワーク上にデータがあるため、検索も容易になります。紙ベースでの管理では書類の検索に時間がかかりますが、検索項目を付帯させることで早急にデータの表示ができます。
5. テレワークで請求書業務が可能になる
電子インボイスは、ネットワーク上で書類を管理するため、テレワークによる在宅勤務に対応できます。従来の方法では、請求書を印刷したりスキャンしたりする必要がありました。それがパソコンやスマートフォンで完結するため、わざわざオフィスに出社する必要がありません。ネットワーク上で管理するということは、書類の紛失などの心配もなくなります。
電子インボイスの活用に向けて
現在多くの企業が、電子インボイスの活用に向けてシステムの導入を始めています。改正された電子帳簿保存法やインボイス制度に自社のみで対応するのは大きな作業負担となるため、請求書の受領を効率化できるシステムを活用するケースが一般的です。
TOKIUMインボイスは、紙やメール、WEBからのダウンロード、FAXなどあらゆる形式での請求書受領を代行し、支払い業務の効率化を実現する請求書受領クラウドです。
受領した請求書はオペレーターとAI-OCRの組み合わせにより、高い精度でデータ化し、支払申請・承認・仕訳、会計ソフトへの連携もクラウド上で完結します。請求書の原本は、TOKIUMが保管するので、ファイリング作業も不要。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
支出管理プラットフォームTOKIUMのシリーズ累計導入社数は2,500社を超え、規模や業種を問わず幅広くご利用いただいております。
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まとめ
電子インボイスとは何か、5つのメリット等について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、電子インボイスとは適格請求書(インボイス)を電子データ化したものです。今回ご紹介した5つを中心として、導入するメリットも多いので、ぜひ活用してみてください。
電子インボイスを含め、インボイス制度に向けたシステム対応については、下記の記事でもわかりやすく解説しています。ぜひご一読ください。