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社会的なデジタル化の進展や、コロナ禍を契機としたテレワークの普及によって、請求書を電子化する企業が増えています。2022年には国税関係書類の電子化に関わる「電子帳簿保存法」が改正され、電子保存の要件が大幅に緩和されていることから、今後も電子化の流れは進んで行くと思われます。
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本記事では、「請求書の電子化とは?」というところから、請求書を電子化するメリットや注意点を解説します。記事後半では、請求書の電子化を達成できるクラウド型システムも紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
請求書の電子化とは
「請求書の電子化」という言葉ですが、電子化を行うのが請求書の発行側なのか受取側なのかによって、意味が少し異なります。ここでは、発行側による電子化と、受取側による電子化とで分けて説明します。
発行側による請求書の電子化
発行側が電子化を行う場合、請求書の電子化とは、「メールやクラウドシステム等を通して、請求書を電子データの形で取引先へ発行すること」を指します。
かつてはメールにPDF形式の請求書を添付する方法が主流でした。しかし近年では、様々なクラウドシステムが登場し、システム上に請求書データをアップロードするだけで送付から送付後のやりとりを行えるものもあります。
受取側による請求書の電子化
受取側が電子化を行う場合、請求書の電子化とは、「紙で受け取った請求書を複合機等でスキャンし、電子データとして保存すること」を指します。
請求書を電子化することで、その後の会計処理や支払業務をパソコン上で行うことができます。「請求書の電子化」といえば、かつては発行側がメインでした。しかし、テレワークの普及や電子帳簿保存法の改正によって、近年では受取側に特化したシステムが注目を集めています。
請求書の電子化は法的に有効?
請求書の電子化の法的可否についてですが、請求書の発行側、請求書の受取側ともに電子化が可能となっています。
そもそも請求書は、商品やサービスの依頼・注文をした側に対して対価の支払いを促すための書類であり、法的な発行義務は存在しません。もちろん、法的に定められた請求書形式も存在しないため、請求書を電子で発行することは可能です。
また、2023年から始まるインボイス制度においても、取引内容を証明する「適格請求書(=インボイス)」の電子交付が認められています。
受領した請求書についても、同様に電子化が可能です。ただし、その際には電子帳簿保存法の「スキャナ保存要件」に準拠する必要があります。「スキャナ保存要件」では、スキャンの際に必要な解像度や、タイムスタンプの付与、書類の検索性の確保など、詳細に定められています。
電子帳簿保存法の詳しい法律的要件については、こちらの記事をご覧ください。
請求書を電子化するメリット
ここでは、請求書を電子化するメリットを4つの観点から説明します。
1.請求書業務の効率化
請求書の電子化は、発行側と受取側の双方にとって業務効率化に繋がります。
紙で請求書を発行する際には、印刷・封入・切手貼り・投函といった作業が必要です。しかし、発行を電子化すればこれらの作業が全て不要になり、請求書データを取引先に送るのみになります。請求書の修正や再発行も簡単に行えるため、取引先との円滑な取引にも繋がるでしょう。
請求書の受取側としても、請求書の電子データを受け取るだけなので、封筒の開封・転記・ファイリングといった手間を削減できます。紙の請求書を受け取り自社で電子化した場合も、支払申請から会計処理、支払業務をオンライン上で進めることができるため、大幅な業務効率化に繋がります。
2.コストの削減
紙で請求書を発行する際には、その都度紙代・印刷代・郵送代などがかかります。一つ一つは小さな額ですが、積もり積もって大きなコストになります。請求書の発行を全て電子化することで、これらのコストを無くすことができます。また、ついつい時間がかかっていた、紙ベースのアナログな作業を減らすことができ、人件費の削減にもつながります。
受取側にとっても、請求書の処理をオンライン上で効率的に行えるため、人件費の削減になるでしょう。システムによっては請求書情報のデータ化代行があるものも存在し、より重要な業務に人材を割くことが可能です。
3.テレワークの推進
多くの企業にとって、経理部におけるテレワークの阻害要因は、請求書の発行・受取業務です。請求書を電子化する仕組みを整えることで、パソコンさえあれば請求書の発行・受取業務を行うことができるようになり、経理部のテレワークを推進できます。
中でも、紙や電子など、あらゆる形式の請求書を代行受取するシステムを導入すれば、経理部の完全テレワークを実現できます。
4.請求書の保管・検索が容易になる
請求書の保存期間は、法人の場合で原則7年とされています。7年分の書類を紙で保管するとなると、広い保管スペースが必要になるでしょう。また特定の請求書を参照したい場合、膨大な書類の中から手作業で探す必要があるため大変です。書類が紛失するリスクもあるでしょう。
請求書を電子化することで、書類をオンライン上で保存することができ、物理的な保管場所が不要となります。紙の請求書をスキャナ保存する場合も、スキャン後は紙原本を破棄することが認められています。
また、電子化した請求書に取引先の名前や日付のタグを付けておくことで、書類の検索も容易に行うことができます。
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請求書を電子化する際の注意点
請求書を電子化する際の注意点について、発行側と受取側で分けて説明します。
請求書の発行側の注意点
電子化した請求書を取引先へ送る際には、その旨を取引先にきちんと説明し、協力してもらうことが必要です。
現状、電子請求書の扱いが分からないという企業や、紙での請求書しか受け付けないというルールを持つ企業も多くあります。請求書は、請求側が一方的に発行する書類ではなく、受け取り手ありきの書類です。請求側の都合で電子化した請求書を一方的に送ってしまうと、相手に良くない印象を与える場合があります。
従って請求書を電子化する際には、取引先にも電子請求書のメリットをきちんと説明した上で、システムや業務フローの見直しをお願いする必要があります。
取引先の協力を得る上で有効なのが、電子化の案内文を事前に送付することです。案内文を送ることで、電子化への協力を取り付けやすくなり、その後の業務をよりスムーズに行うことが出来ます。案内文の具体的なポイントについては後述します。
請求書の受取側の注意点
紙で受け取った請求書を電子化する際は、上でも触れた通り、電子帳簿保存法の「スキャナ保存要件」に準拠する必要があります。本法は2022年に改正されたため、変更点にも注意しながら、適切に電子化しましょう。
自社のみで要件の把握から電子化の仕組み構築を行うのは大きな手間となりますので、電子化を導入する際は「請求書受領サービス」の活用がおすすめです。
TOKIUMインボイスは、紙やメール、WEBからのダウンロード、FAXなどあらゆる形式での請求書受領を代行し、支払い業務の効率化を実現する請求書受領クラウドです。
受領した請求書はオペレーターとAI-OCRの組み合わせにより、高い精度でデータ化し、支払申請・承認・仕訳、会計ソフトへの連携もクラウド上で完結します。請求書の原本は、TOKIUMが保管するので、ファイリング作業も不要。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
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取引先に送る請求書電子化の案内文のポイント
取引先の協力を得る上で有効な手段として、請求書電子化の案内文を事前に送付することを紹介しました。ここでは、案内文を送る際のポイントを具体的に説明します。
1.請求書の電子化が決定事項であることを知らせる
請求書の電子化は決定事項であると知らせる形が好ましいでしょう。相談や提案といった形だと、不安や手間から断られてしまう可能性が高いでしょう。方針を明確に示すことで、取引先に電子化対応に向け準備してもらいやすくなります。
2.電子化は双方にメリットをもたらすことを伝える
電子化は、請求書を受け取る側にもメリットがあることを案内することも重要です。開封・転記・保管の手間を削減できるといったメリットを示すことで、担当者の協力を得やすくなり、取引先の社内説得の材料ともなります。
3.電子化が社会的な動きであることを伝える
請求書の電子化が社会的な動きであることを案内文に入れてみましょう。電子帳簿保存法の緩和やハンコ廃止の流れにも見られるように、ビジネスにおいて書類を電子化する流れが急速に進んでいます。今のうちに電子化に対応しビジネス環境の変化に適応すること、電子化に対応することで、今後取引の機会が増える可能性があること等を伝えると良いでしょう。
まとめ
ここまで、請求書の電子化について説明してきました。近年、請求書を始めとする書類の電子化の流れが高まっています。電子化には多くのメリットがあるため、この機会にぜひ導入してみてください。請求書の発行を電子化する際には、取引先に事前に案内をすることを忘れないようにしましょう。
また、電子化にあたってはシステム導入が有効な手段です。上でご紹介したTOKIUMインボイスを利用すれば、受取請求書の処理を効率的に行い、全データを電子帳簿保存法に準拠した形で電子保存できます。経理担当者の方は、下記より詳細資料をご確認ください。
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