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→ダウンロード:経費精算システム選び方ガイド【4社の比較表付き】
「今月も経費削減しないと」
「上司に経費削減案を提出するように指示された」
「経費削減案が思いつかない」
そんなお悩みに対し、本記事では総務と経理の方がすぐに実行できる経費削減のアイデアを紹介します。
▼経費削減アイデア12選【経理部編】へ移動する
▼経費削減アイデア10選【総務部編】へ移動する
また、経費削減案の提案書のテンプレートと書き方も紹介しているので、社内や上司への報告資料を作成する方もぜひ参考にしてみてください。
なお、経費精算に関しては以下の記事を参考にしてください。
経費削減が必要な理由
会社を経営し利益を出すためには、必ず経費がかかりますね。
請求書を発行するためには用紙代がかかり、出張のためには旅費交通費がかかるものです。
そして、会社のお金は無尽蔵ではありません。あらかじめ予算が組まれ、限りあるものです。利益よりも経費をかけすぎては、どんな経営でも赤字になってしまいます。
また予算は、前年度の金額や起こりうるイベントをもとにして「今年度はこれぐらいかかるだろう」と計画の上で組まれていますね。そのため、経費が削減できて予算金額を多く残せれば、そのお金は純利益になります。
利益を多く残すと法人税の対象になるかもしれませんが、それは別問題です。利益を多く残すために、経費を削減することはこれからの会社の課題の一つでもあります。
経費削減の事例
経費削減の事例について気になる方は、以下の記事をご覧ください。
そもそも経費削減とは何か?コストは3つに大別できる
会社の営業活動の中で、本来かかるべきお金を知恵や努力で削減することを指します。
昭和から平成に続いた長い不況、2008年のリーマンショックの中で生まれたのはリストラクチャリングと派遣切り。対象は人ですが、これらも一つの経費削減ですね。かかるはずだった人件費を、退職させることで削ったのです。
経費削減はより詳しく見ると、3つに分けられます。詳しく見てみましょう。
1.オフィスコスト
紙代や複合機のリース料、建物の賃料、その他建物の維持費(清掃費、除草剤代など)、文房具代、コーヒー代などの社内で効率よく働ける環境を整えるためにかかっている経費(コスト)です。
経費の中では一番削減がしやすい項目ですね。
2.エネルギーコスト
日々の生活で欠かすことができない電気代、水道代、ガス代、下水道代などのインフラにかかる経費(コスト)を指します。
少し前は削減が難しい項目でしたが、電力会社の自由化もあり様々な料金プランも出始めました。うまくいけば、かなりの金額を削減することができる項目です。
3.オペレーションコスト
経費の中で一番高いのが人件費ですね。売上が伸びずとも、正社員とアルバイトを合わせて一定の金額がかかります。
昔から不況や経営難になるとリストラクチャリング(リストラ)を行ってきましたが、他の経費削減と違い、後に問題を起こしやすいのがオペレーションコストの削減です。
削減の対象ではありますが、ベテランがいなくなったり、職員同士の関係に亀裂を生んだりしますので、削減に踏み切るのは最後にすることをおすすめします。
【経理部編】今すぐできる経費削減アイデア12選
1.請求書を電子化する
請求書など紙で保管しているものを電子化することにより、倉庫代の削減や、会議室の増設が可能となります。
また、保管コストが抑えられるだけではなく、請求書等の処理業務が大きく効率化されます。そのため、経理や総務担当の生産性向上にも繋がる等、メリットが大きいです。
請求書を電子化するために、最もおすすめできる方法は請求書受領システムの導入です。請求書受領システムとは、取引先からの請求書を受領し、内容をデジタルデータに変換・処理してくれるクラウドシステムのことを指します。
本記事では、請求書受領システムの選び方について解説した資料を無料配布しています。請求書管理のペーパーレス化と効率化を同時に進め、経費削減を実施したい方は下記から資料をご覧ください。
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2.法人カードの発行で振込手数料を削減
法人カードをつくる最大のメリットは振込手数料が削減できることです。
作成にあたっては審査があり、年会費を支払わければならないのですが、振込手数料に比べたら大きな金額ではありません。
特に、少額の経費精算のために振込をして手数料を払わなければ行けないのでは非常に無駄なコストですので、有効な施策です。
3.不正な経費精算を防ぐ
従業員が不正な経費精算を行い、お金を受け取っている可能性があります。
実際にビジネスマンの60%以上が経費精算の不正申請をしたことがあると答えたアンケートがあるほどです。
例えば定期区間の二重申請であったり、経費の割増といったことが代表例です。
ただ、これらの不正をチェックするにも多くの手間と時間がかかり、むしろコストとして増えてしまうケースがあります。
クラウド型経費精算システムを使うことで、余計なコストをかけずに不正な経費申請を未然に防ぐことができます。
4.経理業務をアウトソーシングする
経理業務には単純な入力の作業は多いものです。これらの作業を経理の方にやらせているのは人件費の観点から非常にもったいないです。
また、経理は会計分野での知識量が要求されるため、経理担当者には大きな教育コストがかかっています。
そこで、人件費の観点から経理業務のアウトソーシングを行うことで費用を抑えることができます。下記の記事では、経理代行(アウトソーシング)の種類やメリットをまとめておりますので、ぜひご覧ください。
5.経費精算システムの導入
経費精算システムを導入することでも、経費削減は達成できます。例えば、経費精算システムの導入により、営業担当の申請作業、経理担当の承認作業が効率化され、結果的に残業代の削減、人件費の削減といったメリットを享受できます。
中には、経費精算システムによって、作業時間や費用を約90%削減した成功事例も存在します。
本記事では、注目されている4社の経費精算システムを徹底比較した資料を無料配布しています。自社にとって最も効果的なシステムを選びたい方は、ぜひ下記より資料ダウンロードしてご覧ください。
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6.最短経路・最安の交通費を支給しているかチェック
交通費支給の際に気を付けるべき点は申請されたその経路が最短経路・最安経路であるか、ということです。
都市圏であれば電車を何路線か乗り継いで出勤することも多く、経路によっては値段に差が出てきます。
しかし、こういった不正交通費申請は額としては少ないのですが、従業員数が多くなるにつれて金額も大きくなっていきます。
7.不必要な接待をなくす
営業社員の人数が増えれば増えるほど、営業社員による経費は増大していきます。
それに応じて、不必要な接待も増えてしまいます。
これも交通費と同様のことが言えます。
無駄な交際費が増えると従業員の経費削減に対する意識が弱まる危険性もありますので、まずは今現在行なわれている接待が、どういった目的で行なわれているのかきちんとチェックするとともに、接待を行う際には事前に上長への承認申請を必要とするなどの社内ルールの改定も視野に入れると良いでしょう。
8.社用車は中古車に変更する
車は「減価償却費」として勘定され、資産と見なされれば税金がかかってくる。中古車にすることによってこの税金を節税することができます。
しかし注意点として、頻繁に故障していては結局高くなってしまうこともあるので車選びは慎重に行いましょう。
9.高速道路はETCを利用する
高速道路ではETC割引というものがあったり、通勤割引が存在します。特に郊外などに営業所などがあり、車移動が多い場合は初期投資に見合った経費削減が可能です。
10.ハイブリッド車や電気自動車に切り替える
新しく車を購入する際に検討する際にはぜひハイブリッド車がおすすめです。こういった環境に良い車は政府が後押ししている面もあり、税金が安くなるなどの特典があります。
11.飛行機出張ではマイレージを活用しよう
飛行機を用いた出張などが多い会社の場合、マイレージを使うことは大きな経費削減につながります。カード名義は個人になるので規約を決めるなどきちんとした管理は必要ですが、たまったマイレージで飛行機代を浮かせることが可能です。
出張経費のより詳しい削減方法は、以下の記事を参考にしてください。
出張経費を削減する為の7つのポイント!経理担当者がすべきこととは?
12.タクシーの使用を控える
電車やバスと比較してタクシーはかなり割高となっています。緊急事態以外はタクシーの使用を控えるように規定しましょう。
また、タクシーを利用する場合には上長の承認を必須とすると、タクシーの無駄な利用が減り、経費の削減に繋がります。
▼絶対にやってはいけない経費削減の例3つ【記事後半】
▼経費削減をする際の注意点!成功させるたった2つのポイント【記事後半】
【総務部編】今すぐできる経費削減アイデア10選
1.電話代を見直す
電話代削減において最も有効な方法は、固定電話をIP電話に切り替えることです。
IP電話とはインターネット回線を利用した電話です。IP電話に比べて固定電話は料金が安く、月額の料金が安いことが特徴です。
固定電話は距離に応じて料金も高くなることがありますが、IP電話ではそれはありません。
また、社用携帯電話のプランを切り替えることも有効です。営業マンに渡しているスマートフォンや携帯電話のプランを安いものに切り替える、もしくはIP電話を利用してもらうだけでもかなりの経費削減に繋がります。
加えて先述したとおりIP電話は従来の固定電話と異なりインターネットと同じ回線で通信をしていますので、他にも
- インターネットと同じ回線を使うため、従来であれば電話とネットで2本かかっていたネットワークコストが1つにまとめられる
- 電話の管理が総務部であった場合、管理を情報部などに統合でき人件費削減につながる
- 同グループ間(NTT,KDDIなど)の通話が無料となる
といったメリットがあげられます。
2.不要な印刷を削減する
印刷費を削減するには、そもそも紙を使う機会をへらすことが重要です。やはりまず思いつきやすく、一番簡単で手軽にできる、紙やインクの無駄をなくすべきでしょう。
また、コピー会社を変えることも有効な施策です。印刷機は維持に多くのお金がかかりますので、契約内容を定期的に見直すことが重要です。
例えば、社内の1時間の会議のために何十枚もカラーコピーをしていませんか?
その場合は、プロジェクターを導入したりパソコン上で資料を共有することで紙の印刷を控えるようにしましょう。
コピーや印刷にあたりモノクロ印刷をしている場合は1枚10円程度の費用がかかっています。社内の会議のために資料を全員分印刷したりしていると、あっという間に無駄なコストが発生しています。できる限り無駄な印刷物をしないようにしましょう。
印刷に関して具体的な経費削減方法は
- 社内の書類には裏紙を使う
- 両面印刷や1ページに2枚印刷する
- モノクロでよいものはモノクロにする
- プレゼン資料などは事前にpdfなどで送信しておき、印刷しない
- できるものはなるべくデータで扱い、わざわざ印刷しない
などのやり方があります。
最も簡単に、かつ社内のみなさんが意識してできる削減方法ではないでしょうか。
しかし、コピー用紙は1枚1円以下なので、「紙の節約」だけでは実質削減効果はあまりありません。
紙の無駄を減らすだけでは「経費節減」にしかならず、効果が出るほど削減は難しいと言えるでしょう。
ですから、会社として経費削減に取り込む場合は、以下のことも合わせて取り組むと経費削減の効果が見込めます。
3.中古コピー機を利用する
コピー機は新品を購入すると初期投資が高くなってしまうため、リースを使っている企業や個人事業主も多いかと思います。
この際にぜひ一度中古のコピー機を検討してみてはいかがでしょうか。初期投資や月額料金を大幅に削減することができます。
ただし注意点として、中古は当然故障のリスクが上がることであります。あまりにも修理費がかさめば経費削減の効果も小さくなってしまうので、中古品は経費削減の効果は大きいですが、品質は良く確認しておくとよいでしょう。
4.カウンター料金を安くする
カウンター料金とは、印刷枚数ごとに払う料金のことです。
- モノクロ :2~3円/枚
- フルカラー:15~25円/枚
このような価格設定が多くなっています。
この料金を払っていることでメーカーが無償でメンテナンスやインクの交換などを行ってくれます。
しかし、この料金設定で資料を印刷していれば会議のたびにコピー代がかさみ、例えば月に4万円使っていれば年間50万近い維持費がかかっているということになります。
数年すれば本体より高くなる計算となるため、ここを削減することで1枚当たりの値段は微々たるものでも、結果としては大幅な削減ができることになります。
最近ではコピー機本体を買ってもらうためにカウンター料金が安くなっているところも多くあります。初期費用が多少高くてもカウンター料金の安い物を買うことで結果的に削減に繋がりますので、購入の際には数年単位の利用を見据えて計算すると良いでしょう。計算の具体例は以下の通りです。
具体例)
モノクロ :2円/枚 → 1円/枚
フルカラー:15円/枚 → 10円/枚
このようにカウンター料金を安くできた場合
・変更前
種類 | 枚数 | 単価 | 合計数 |
---|---|---|---|
モノクロ | 4000 | 2 | 8000 |
フルカラー | 3000 | 15 | 45000 |
合計 | 7000 | 53000 |
・変更後
種類 | 枚数 | 単価 | 合計料金 |
---|---|---|---|
モノクロ | 4000 | 1 | 4000 |
フルカラー | 3000 | 10 | 30000 |
合計 | 7000 | 34000 |
このように、毎月19000円の削減につながるため、年間で228000円の削減になります。
たかだか10円、15円と侮らずにカウンター料金にも目を向けましょう。
5.印刷し放題サービスを利用する
上記の単価を見るとカラーの単価がかなり高いことがわかるかと思います。もし会社でカラーコピーを大量に使うことがある場合、印刷し放題などのサービスを使うことをおすすめします。
また、複合機とレンタルコピー機を併用することで、管理の手間やコストを大幅に削減できるようになります。
6.ペーパーレス化を行う
ペーパーレス化を行うことによって印刷をするコスト、手間が削減できるかばかりか、保管、検索も非常に楽になります。
主にやり方は以下の2パターンです。
- 書類を作成する段階から電子データとして作る
- 紙媒体のデータをスキャナを使って電子化する
当然1.の方が紙をまったく使用しないためペーパーレス効果は大きいですが、PCに不慣れな方がいる場合業務に支障をきたす恐れがあります。
2.に取り組むだけでも紙の保管の手間やスペースがいらなくなるため2.から取り組むのも手でしょう。
コピー用紙代やコピー機のインク代、その光熱費、書類の廃棄にかかる経費などを削減できます。
それだけでなく、上で述べたように管理代や人件費などの削減になるばかりか、
・セキュリティが強化される(データ閲覧者を制限することが可能、パスワードがかけられる)
・検索や共有が容易
・スペース削減
などのメリットがあります。
7.インターネット通信費の不要なオプションを見直す
インターネットを導入する際にはたいてい様々なオプションが存在します。しかし、実際は会社にとっては不要なものが多いです。さらに最近では独立したサービス会社と契約した方が安い場合が多いことも事実。
以下は一例でありますが、オプションがついている場合、外す・グレードを下げることも考えるとよいでしょう。
・VPN
VPNとはインターネット上で不正アクセスを防止し、安全な通信を可能にする技術のことです。
本社と支社などで通信をする場合は、なるべくつけた方が良いでしょう。
しかし、VPNには「インターネットVPN」と「IP-VPN」の2種類あり、前者の方がコストは低くなっています。
よほどの機密事項でない限りはIP-VPNまではいらない場合が多いので、どちらを選ぶか再度考えるとよいでしょう。
また、余談ではありますが、VPN以前に近年増加している無料Wi-Fiはかなり危険が潜んでいることを周知することの方がセキュリティの確保のためには大事です。
・メールアドレス
独自のドメインなどとともにを使うことで社内にメールサーバーを設置し、社員のメール管理ができます。
以前は無料メールツール(Gmailなど)にはセキュリティの問題がありましたが、近年は安全性もかなり向上しているため、よほどの機密を扱わなければ不要となるでしょう。
またこれも、外部レンタルサーバーを借りることで無料で管理できる場合が多く、そちらも検討するとよいでしょう。
8.インターネット乗り換え割引を利用する
インターネット契約は大抵2年縛りとなっていますが、2年終わった後に他社に乗り換えると割引がつく場合があります。
携帯電話の契約に似ていますが、この割引をつかうことで経費を削減することができます。これらはプランによって大きく変わりますが複雑であるため、良く調べるとよいでしょう。
9.電話と同時加入を行う
近年ではインターネットの多くが電話回線を利用しているので、携帯電話やIP電話との併用でセット料金などがある場合が多いです。同時に契約することで、より安くなります。スタートアップなどの際には検討するとよいでしょう。
10.電気代を見直す
電気代を削減するには蛍光灯からLEDへの切り替えを検討しましょう。
実はLED照明は、消費電力は蛍光灯の半分以下、一方で寿命は3倍以上もあるということはご存知でしたか?
蛍光灯から切り替えのコストは発生してしまいますが補助金制度を利用すれば意外と負担を少なく導入できる可能性があります。
また、社内で無駄な電気をつけないように意識付けを徹底しましょう。
例えばトイレや廊下、空き会議室など人通りが多くない場所で電気がついたまま放置されているケースはありませんか?
無料でできる削減のアイデアですので、社内の意識付けを徹底しましょう。
絶対にやってはいけない経費削減の例3つ
経費削減はいいことばかりではありません。「やりすぎた経費削減」は従業員との間に溝を作り、取り返しのつかない事態に発展することもあります。代表的なものはリストラです。
経費削減をして純利益を増やしても、社内で働く者たちを不安にしたり、負担をかけるようではいけません。そんな一例をピックアップしていきましょう。
ダメ経費削減1.経費削減結果、従業員のモチベーションを下げる方法
たとえ経費削減になっても、従業員の理解がなく、その上手間がかかる経費削減はいけません。従業員の負担になることは、効率が悪いので結局はその分手数が増えてしまいます。
既存の従業員のモチベーションも下がり、新しく入った従業員が根付かないなど悪影響は計り知れませんね。
たとえば、事務用品を安いが遠かったり時間がかかったりするところから購入をしたり、従業員への福利厚生費を大幅にカットしたりなどが該当します。
日々の会社の切り盛りは従業員が行います。経営難ならば仕方ありませんが、それ以外に従業員のモチベーションを下げるような経費削減は得策ではありません。
ダメ経費削減2.商品・サービスの低下で、顧客にしわ寄せがいく方法
商品の素材や人員を減らすことで顧客の満足度に影響がでるような経費削減も行ってはなりません。
手痛い失敗例は、2007年に販売され一時期話題になったチルドカップ飲料「ドロリッチ」。新感覚の飲むスイーツとして開発され、コーヒーゼリーを飲む感覚は新鮮でした。
しかし、2009年3月に販売は終了し、姿を消しました……。
原因は、価格は150円に据え置きでしたが、容量を極端に減らしたことです。発売当初は220グラムあった容量を、一番少ない時で120グラムまで減らしました。実質の値上げであり、顧客はどんどん離れていったことでしょう。
2018年には180グラムまで増量したようですが、一度離れた顧客は戻りません。すでにタピオカブームの兆しがありました。材料費を削減したことで顧客は完全に離れてしまい、結果として一つの商材を失ったのです。
顧客にしわ寄せがいく経費削減はすべてを失う可能性もあります。絶対にやめましょう。
ダメ経費削減3.信用・安全を失う方法
先ほどご紹介した「顧客に黙って内容量を減らす方法」は、商品を好んでくれている顧客からの信頼を裏切る行為です。
他にも信用を失う経費削減があります。
それは、脱税です。決算時に適正な報告をせずに脱税を行うことは、商品の顧客以上に信用を減らす行為ですね。従業員や取引先、投資家への裏切り……。
また、業種にもよりますが、車の運転が頻繁にある会社では保険料などは下げるべきではありません。万が一何かあった場合に会社と被害者を守る手段は経費削減の対象から外すことをおすすめします。
経費削減をする際の注意点!成功させるたった2つのポイント
経費削減というと従業員からは「えーっ!」という反応が返ってくることと思います。それだけ経費削減=自分たちの負担が増すという方程式ができているのですね、
しかし、そんなやり方ではうまくはいきません。
経費削減を成功させるには2つのポイントが大切です。
1.目の前の金額だけで考えない。従業員第一で考えよう
「これをやることでxxx円の削減になる!」などと、目の前の金額だけに踊らされず、従業員の手数は増えていないか、面倒ではないか、そのやり方に切り替えることをどう思っているのかをリサーチすることをおすすめします。
経費削減のやり方を教えても、実際に経費削減を実行していくのは従業員たちだからです。浮くであろう金額だけでなく、視野を広く持ちましょう。
2.結果的に商品・サービスの品質を向上させたり、従業員の負担を減らすような経費削減を行う
長期的な計画で経費削減を行うことも重要です。たとえば、新しいシステムを導入すること。
10の工程があるものを半分の5に減らせれば、さらに別の業務を処理することができます。もしくは、勤務時間を減らしたりすることもできるかもしれません。
たとえば、「TOKIUM経費精算」という経費精算システムを導入することで、面倒な領収書の入力がなくなります。書類を作るだけでも面倒な仮払金の精算、交通系ICカードを直移読み込むことで旅費交通費の計算も楽々です。
たしかに導入するまでは費用がかかりますが、それ以上に従業員の負担を減らし、空いた時間を他のことにあてられるようになれば、それは立派な経費削減の一つです。
▶︎ 機能や導入メリットがわかる!TOKIUM経費精算の資料をダウンロード
※すぐにPDF資料をお受け取りいただけます
社内で承認される!経費の削減提案書を書く4つの手順
では、この事例をもとに上司に提出する用の経費削減案を書いてみましょう。
本章では経費削減案の書き方のポイントを解説し、その後、提案書テンプレートを紹介します。
最初に削減案のポイントを押さえることで、数倍早く質の高い提案書を書くことができます。
手順1. 経費削減の目的を記載
年額いくらの経費削減をしたいのか、そもそもなぜ取り組む必要があるのか、なぜ経費削減が必要なのか?を伝える必要があります。
そもそも経費削減がなぜ必要なのかという疑問をもっている社員も少なくはありません。彼らの理解を得られるよう、自社にとって経費削減が必要なのかを具体的に示しましょう
手順2. 具体的な削減方法とその根拠を記載
具体的に洗い出した経費削減の方法を最低でも3つ記載しましょう。
その際に、しっかり根拠を付け加えて、第三者がみても納得できるようにしましょう。
手順3. 具体的な実行の手順を書く
アイデア出しだけではなく、実際に実行できることが重要です。
具体的に担当者名を出し、誰が責任者としてどのような方法で実行するのかまで記載すると説得力が増すでしょう。
手順4. 客観的な効果を明示
経費削減案によって年間で◯万円の削減が期待できるなどの定量的な効果を明示しましょう。
経費削減案のテンプレート例
下記のようなテンプレートを参考に作成すると容易に作れます。
https://template.k-solution.info/2015/12/_02_word_4.html
経費削減を実行するために社内メールの文面例
最後に、経費削減を実行に移すために、社内に周知する必要があります。
本章では、経費削減の周知をスムーズに行うための、社内メールの例文および書き方のポイントを紹介します。
社内メールの書き方のポイントは下記のとおりです。
1.いかに経費削減が必要な課題かを述べ、社内(読み手)に課題を認識してもらう
2.削減方法とその根拠を明示
3.期待できる定量的な効果(年間数百万の削減が期待できる)
4.具体的なお願いを書く
<メールの文面例>
——————-
社員各位
お疲れ様です。〇〇部署の〇〇です。
経費の削減について皆様のご協力をいただきたくご連絡致しました。
弊社では東京オフィスだけで毎月700万円の電気代がかかっております。
実際に、社内の使われていない空き室や廊下でも電気がつけっぱなしになっていることが目立ちます。
そこで、社員の皆様には、今一度使われていない会議室のこまめな消灯をお願いしたいと思っております。
皆様の普段の意識次第で、電気代が毎月100万円程度も削減することができるという見込みが出ております。
お手数をおかけしますが、ご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。
——————-
まとめ
経費削減とは、小さな積み重ねばかりでなく、「無駄になっていることは何か」を可視化することが大切です。
実は大きな負担になっていたものが、見えてくるかもしれません。
新しいものを導入することは、労力も初期費用もかかりますので、重い腰が上がらない状況になることも多いかと思いますが、将来の経理削減・社員の負担軽減のためにぜひ一緒に動き出してみましょう!