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「車を購入したら費用の明細がたくさん!どうやって仕訳したらいいの?」
車両購入時の仕訳は頻繁に行うものではない上に、費用の項目が細かく分かれていて困ってしまう経理担当者も多いです。
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しかし、実は車両購入の仕訳に使用する勘定科目は基本的には以下の5つだけ。
- 車両運搬具
- 保険料
- 支払手数料
- 租税公課
- 預け金
費用を上記に当てはめていけば、相手勘定は「現金」なので仕訳自体は複雑ではありません。
この記事では、一部上場企業で実際に車両購入時の伝票処理の経験がある筆者が、具体例も交えて丁寧に解説します。
車両を購入した時の仕訳
車両購入の仕訳だけを簡単に表すと、以下の通りです。
車両購入時の仕訳(単位:万円)
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
車両運搬具 | 200 | 現金 | 220 |
保険料 | 5 | ||
支払手数料 | 5 | ||
租税公課 | 5 | ||
預け金 | 5 |
車両を購入すると、費用がたくさんの明細に分かれていて難しく感じると思います。
しかし、基本的に使用する勘定科目は、以下の5つだけ。
- 車両運搬具
- 保険料
- 支払手数料
- 租税公課
- 預け金
相手勘定は全て「預金」や「現金」で大丈夫。仕訳自体は難しくありません。
車両購入時の費用明細を、上記の5つのどれにあたるのかを振り分けていけば良いのです。
それでは、以下の章でどの勘定科目にどの費用が含まれるのか、詳細を見ていきましょう。
車両を購入した時の仕訳・勘定科目の詳細
車両購入時の費用の明細と勘定科目の対応表は以下の通りです。
勘定科目名 | 費用明細 | 課税・非課税 |
---|---|---|
車両運搬具 | 車両本体価格 | 課税 |
オプション(カーナビ等) | ||
納車費用 | ||
保険料 | 自賠責保険料 | 非課税 |
任意保険料 | ||
支払手数料 | 検査登録手続代行費用 | 課税 |
車庫証明手続代行費用 | ||
資金管理料金 | ||
検査登録法定費用 | 非課税 | |
車庫証明法定費用 | ||
租税公課 | 自動車取得税 | 不課税 |
自動車重量税 | ||
預け金 | リサイクル料 | 不課税 |
勘定科目ごとに説明していきます。
車両購入の仕訳・勘定科目1.車両運搬具
車両運搬具科目に含まれるもの
車両運搬具 | 車両本体価格 | 課税 |
オプション(カーナビ等) | ||
納車費用 |
車両運搬具は資産の勘定科目。
車両購入の上記の料金が車両運搬具になり、減価償却で費用処理していくことになります。
車両の本体はもちろん、購入時に着けたカーナビやタイヤのオプションなども取得価額に含めて資産に計上する必要があります。
また、納車のためにかかった費用についても取得価額に含めます。
国税庁ホームページにも以下のように書かれています。
購入した減価償却資産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。また、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。
出典:国税庁|よくある税の質問(No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用)
節税のために、できるだけ資産の取得価額に含めず費用で計上したいと考えたくなりますが、「資産を事業の用に供するために直接要した費用」は取得時に一括で費用計上はできないので注意しましょう。
車両運搬具は耐用年数に応じて減価償却していくことになります。一般的な車の耐用年数は小型車が4年、その他は6年です。耐用年数表で確認してみましょう。
『減価償却の耐用年数』について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
車両購入の仕訳・勘定科目2.保険料
保険料科目に含まれるもの
保険料 | 自賠責保険料 | 非課税 |
任意保険料 |
自動車を購入した際にかかる保険料には2種類あります。
- 自賠責保険:加入が法律で義務付けられている
- 任意保険:車両の購入者が任意で加入する
保険料は基本的に支払ったタイミングで費用計上が可能です。
自賠責保険は加入が法律で義務付けられており、最長でも3年と短いこと、金額的にも大きくないので一括費用計上ができます。
任意保険については、1年ごとに更新する場合には一括で費用計上が可能です。
ただし、例外として任意保険の中でも加入期間が5年など、長期にわたる場合には一度「長期前払費用」として資産計上し、該当する機関の分だけ取り崩して費用計上していきます。
以下の例で確認してみましょう。
支払った時の仕訳→事業年度分を費用に振替
長期前払費用 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
このように、1年を超える期間の保険料を支払った場合には、一旦「長期前払費用」として資産に計上し、当年度の分のみ費用に振替処理を行う例外があります。
車両購入の仕訳・勘定科目3.支払手数料
支払手数料科目に含まれるもの
支払手数料 | 検査登録手続代行費用 | 課税 |
車庫証明手続代行費用 | ||
資金管理料金 | ||
検査登録法定費用 | 非課税 | |
車庫証明法定費用 |
自動車を保有する際に必ず払わなくてはいけない「法定費用」は支払手数料として一括費用処理が可能です。
法定費用とは、車庫証明や検査などが代表的なものです。法定費用の手続きを代行してもらった料金も支払手数料として処理します。
国税庁「No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用」には、以下のものは資産の取得価額に含めず費用処理して良いと書いています。
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 新増設に係る事業所税
ハ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
車両購入時の法定費用は、上記のうちの「ハ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用」にあたります。
また、同じく費用処理が可能な自動車取得税については以下で解説します。
車両購入の仕訳・勘定科目4.租税公課
租税公課科目に含まれるもの
租税公課 | 自動車取得税 | 不課税 |
自動車重量税 |
車両購入の際にかかる「自動車取得税」「自動車重量税」も費用として処理します。自動車重量税は、次回の車検までの分を前払いしますが、金額的には大きくないので一括費用処理ができます。
なお、「自動車税」については車両購入時ではなく、毎年5月に納税通知が届いてから支払うことになるので「租税公課」勘定で処理します。
車両購入の仕訳・勘定科目5.預け金
預け金科目に含まれるもの
預け金 | リサイクル料 | 不課税 |
リサイクル料とは、廃車時に車の部品を処理するために使われるもので、「自動車リサイクル法」で車両購入時に支払いが義務付けられています。
廃車にするまでは「預け金」として処理し、廃車時に費用に振り替えることになります。自動車の保有台数が多い会社は「リサイクル料」の台帳を作って廃車するたびに費用に振り替える処理をすることになります。
勘定科目の仕訳ミスを減らすには?
ここまでで、車両を購入した際の勘定科目や仕訳について解説してきました。しかし、車両の勘定科目に限らずたとえ経理がこの仕訳を理解していても「従業員は勘定科目を把握しておらず、申請された経費は毎回修正が必要...」なんてことがあれば、非常に手間が発生してしまいます。
近年多くの企業では、経費精算システムを使って勘定科目の設定が簡略化されています。申請から承認までをスマートフォンで完結できる「TOKIUM経費精算」では、勘定科目を従業員が理解しやすい言葉に置き換えて設定できます。
従業員はわかりやすくなった科目名を選んで申請できるため、経理担当者の確認時において勘定科目の訂正が不要になります。また、会計システムにデータを連携する際には、正規の勘定科目名やコード情報を出力できるので、データの加工や修正に手間がかからない点も安心です。
TOKIUM経費精算の月額費用は、基本利用料(1万円〜)+領収書の件数に基づく従量制で決まります。また、利用できるアカウント数は無制限なので、従業員が何名であっても追加料金なしで利用可能です。そのため企業規模に関わらず、最小限のコストで経費精算を効率化できます。
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車両を購入した時の仕訳まとめ
車両を購入した際の仕訳は以下の通りです。
車両購入時の仕訳(単位:万円)
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
車両運搬具 | 200 | 現金 | 220 |
保険料 | 5 | ||
支払手数料 | 5 | ||
租税公課 | 5 | ||
預け金 | 5 |
費用の明細を見ると項目が多いですが実際に利用する勘定科目は5つだけ。相手勘定は全て現金・預金なので難しい仕訳ではありません。
費用明細ごとの勘定科目の対応は以下の通りです。
勘定科目名 | 費用明細 | 課税・非課税 |
---|---|---|
車両運搬具 | 車両本体価格 | 課税 |
オプション(カーナビ等) | ||
納車費用 | ||
保険料 | 自賠責保険料 | 非課税 |
任意保険料 | ||
支払手数料 | 検査登録手続代行費用 | 課税 |
車庫証明手続代行費用 | ||
資金管理料金 | ||
検査登録法定費用 | 非課税 | |
車庫証明法定費用 | ||
租税公課 | 自動車取得税 | 不課税 |
自動車重量税 | ||
預け金 | リサイクル料 | 不課税 |
法定費用や税金には消費税がかからないので、課税・非課税・不課税についても注意して仕訳をしてください。
このように、車両購入の仕訳は、明細をひとつずつ勘定科目に振り分けていけば完了です。
項目が多くて面倒ではありますが、難しい仕訳ではないので一つずつ仕訳を起こしていきましょう。
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