支払業務

物品受領書とは?書き方(書式)やテンプレートのまとめ!

更新日:2023.05.22

この記事は約 3 分で読めます。

物品受領書という名前は聞いたことあるけれど、実際には「いつ必要になるの?」「内容は何を書けばいいの?」「検収書とは違うの?」と戸惑われている方はいないでしょうか?
『物品受領書』の使い方とその内容について、具体的なテンプレートも踏まえながら確認して行きましょう。

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複数の病院や福祉施設を運営する医療法人において15年以上にわたって経営管理に携わってきた筆者が、その経験を元に分かりやすく説明したいと思います。

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物品受領書とは商品を受け取ったことの証明書

取引を行った際に、発注者が受注者に宛てて商品や金銭を受け取ったことを証明する書類を「受領書」と呼びます。
広く一般に知られているものでは、金銭を受領したことの証しとして発行される証明書である「領収書」がありますが、この領収書も広義の意味においては受領書の一つであると言うことができます。
この受領書のうち、金銭を除く「商品」についての受取りを証明する書類が「物品受領書」と呼ばれています。

物品受領書は円滑な取引のために発行する

物品受領書の発行の有無について、法的な義務はありません。つまり、商品を受け取ったからといって必ずしも発行が必要なわけではないのです。
けれども、発注者側としては受注者へ向けて「きちんと商品が届きました。これから検収作業に入ります」ということを示すことになり、また受注者側では配達途中の事故等のトラブルが無く、無事に発注者の元へ商品が届いたことが確認することができます。
何度も取引をしている相手であれば、物品受領書の発行をしなくても大きな問題となることは少ないかもしれません。
しかし、初めて取引を行う相手であったり、取引金額が高額である場合などにおいては、取引(商品の授受)が順調に進んでいるかどうか、その進捗を双方が確認することができる書類として大切な意味を持つことになります。
そのため、発注者・受注者双方の安心感と信頼関係を高めるためにも、物品受領書の発行をする方がよいでしょう。

物品受領書の書式とテンプレート

物品受領書は発注者が作成するケースと、受注者が作成するケースがあります。それぞれのケースでの書類の流れと書式を確認しましょう。

1.発注者が作成するケース

商品を受け取った際に作成・発行し、受注者へ提出します。取引相手によっては、この受領書を受け取った時点で売上を計上する場合もあることから、商品を受け取ったのちはできるだけ速やかに発行するようにしましょう。
物品受領書の具体的な書式やテンプレートについては後述します。

2.受注者が作成するケース

受注者側の企業において規定の様式が定められており、商品と一緒に物品受領書が届くケースもあると思われます。この場合には相手方の求める部分(日付や社版、押印など)を記入して提出しましょう。
相手方から特段の指定がない場合には、受け取りのサインは担当者であっても問題ありませんし、押印についても個人の認印で良いことがほとんどです。イメージとしては宅配便の受け取りと変わりありません。
また、受注者側として商品等と一緒に受領書を発注者側へ送った場合には、電話やメールで回収に伺う旨を連絡し、後日回収する。郵送にての返却を希望する場合には、返信用封筒を同封するのがマナーです。

3.記載が必要な事項とサンプル・テンプレート

物品受領書はその記載内容や方法に何らかのきまりがあるわけではありません。個々の企業によって様々な様式が使用されています。けれども、納品の事実の証明するための書類ですから、トラブルを回避するためにも下記の内容は網羅してあることが望まれます。

  • タイトル:「物品受領書」と記載しましょう。
  • 受領日:受領した日付を記入します。
  • 宛先:取引相手の所在地と社名(または個人名)を記載しましょう。必要に応じて担当者名を記載しても差し支えありません。
  • 品名:商品の名称を記載しましょう。(見積書と同じ名称を使うことが大切です)
  • 数量:商品の数量を明記しましょう。(見積書と同じ数量であることが大切です)
  • 単価:商品の単価を記載しましょう。
  • 消費税額:商品単価に消費税を掛けるのか、合計額に掛けるのかは企業によって異なりますので、社内ルールに従いましょう。
  • 合計金額:記載は必須ではありませんが、取引先との齟齬を無くすためにも記載した方が望ましいでしょう。

以下に簡単なイメージを記載します。


物品受領書

受領日 令和○○年○○月○○日
〒000-0000
○○県○○市○○町○○-○
株式会社○○○○ 御中

〒000-0000 ○○県○○市○○町○○-○
株式会社○○○○ 代表取締役○○ ○○
TEL:000-000-0000 FAX:000-000-0000

下記の通り受領いたしました。

商品コード 商品名 数量 単価 金額
小計
消費税
合計


レイアウト及び文言等については、適宜変更のうえ作成して下さい。
物品受領書テンプレート1.(Word)
物品受領書テンプレート2.(Excel)

物品受領書と納品書の違いとは?

受領書と似た書類に「納品書」があります。納品書は受注者が発注者に対し「こういう商品(サービス)を納めました」という、提供した役務の内容を表すものです。商品名や数量及び個数が記載されており、受領書と同様(タイトルのみが異なる場合が多い)の内容です。
納品書が受領書と異なる点は、受注者から発注者への通知であり、受注者側へ返す必要がないという点です。
取引上、受領書や検収書が発行されず、この納品書が取引内容を証明する唯一の書類となることもあります。その場合、後日、受注者から請求書が届いた際にはこの納品書と差異がないか確認する必要が出てきますので、他の証憑書類同様に大切に保管するようにしましょう。

その他の注意点

また、納品書と同様、受領書と似た書類に「検収書」があります。受領書は商品を受け取ったことのみを証明する書類です。届いた商品が発注の通りの仕様か、破損、汚損、その他の不具合がないかどうかを証明するものではありません
そこで次の段階として、商品の検品(検収)を行い、問題が無いことが確認できた場合に検収書をやりとりすることになります。
見積書・納品書・受領書・検収書は商品名や数量、金額など、その記載内容の多くが重複してる書類となります。逆を言えば、これらの書類間で内容が異なっている時には間違いが発生している可能性があるため、慎重に確認をしなければなりません。
似通った内容の書類を何度も発送したり、受領することになり、煩雑に感じることもあるとは思います。しかし、取引上のトラブルを防ぐためにはとても大切な作業です。
また、物品受領書は先にも書いたように金銭を除く商品の受領を証明するものです。そのため印紙を貼付する必要はありません。

税法上、7年間は保管が必要

物品受領書は見積書や領収書などと同じ「証憑書類」のひとつであり、その保管期間は法人税法で7年間と定められています。(個人事業者の場合は5年間)

第五十九条 青色申告法人は、次に掲げる帳簿書類を整理し、起算日から七年間、これを納税地(第三号に掲げる書類にあつては、当該納税地又は同号の取引に係る国内の事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地)に保存しなければならない。
一 第五十四条(取引に関する帳簿及び記載事項)に規定する帳簿並びに当該青色申告法人の資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引に関して作成されたその他の帳簿
二 棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類
三 取引に関して、相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し

この保管期間を過ぎれば処分をしても差し支えありませんが、7年間での物品受領書の枚数は莫大となり保管スペースとそれに伴うコストもかかると思われます。
従来は紙媒体にての保存が原則でしたが、1998年の電子帳簿保存法の施行とその後の改正により電子データでの保存が可能となりました。必要に応じて電子化を検討するのも良いでしょう。

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